受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

おしえてピグマはかせ

2026年9月号から転載

おしえてピグマはかせ なぜ蚊に刺されるとかゆくなるの?

「ピグマキッズくらぶ」のテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていることにお答えします。今回は蚊のお話です。夏から秋ごろまで悩まされるのが蚊。刺されると、時にはかきむしりたくなるほどのかゆみに襲われることもあります。なぜ蚊に刺されるとかゆくなるのでしょうか。

なぜ蚊に刺されるとかゆくなるの?

蚊は唾液を残して去っていく!?

話者B「かゆい」と思って足を見たら、赤くなっていたよ。どこで蚊に刺されたんだろう。

話者Bあんまりかかないほうがいいよ。余計にかゆくなるから。

話者A蚊って刺されたときには気がつかなくて、かゆくなってからわかるんだよね。

話者Bどうして蚊に刺されるとかゆくなるんだろう? 痛いんだったらわかるけど。

話者Aみんなは、蚊がなぜ人を刺すか知ってる?

話者B血を吸うためでしょ。人の血っておいしいのかなあ。

話者A動物の血にはタンパク質などの栄養があるよ。ハチが刺すのは巣や自分を守るためだけど、蚊は血から栄養をとるために動物を刺すんだ。蚊はふだんは花の蜜や草の汁から糖分をとって生きているけど、産卵前はタンパク質が必要になるから、動物の血を吸うんだよ。

話者Bじゃあ、刺すのはメスだけなの?

話者Aそうだよ。メスの蚊の口は血を吸いやすいようにできていて、相手に気づかれないよう上手に皮膚を刺して血を吸っていくんだ。そのときに自分の唾液を皮膚に注入する。蚊に刺されるとかゆくなるのはそのせいだよ。

話者Aえーっ!? 血を吸われるだけじゃなくて、蚊の唾液が体の中に入ってきちゃうんだ。

話者A蚊の唾液って、人間の体にはない物質だよね。人間の体には、そういう異物が外から入ってくると、取り除こうとするはたらきがあるんだ。これを「アレルギー反応」というよ。花粉症の人が花粉を吸うと、鼻水やくしゃみが出るでしょ。あれも花粉を外に出そうとするアレルギー反応だよ。この反応によって、唾液を体の外に排除しようとする。そのときに、かゆみを引き起こすヒスタミンという物質が、体の中でつくられるんだ。ヒスタミンは蚊の唾液そのものにも含まれているよ。

話者Bだから刺されるとかゆくなるんだね。

話者Aそうはいっても、アレルギー反応の出方は人によって違うから、かゆみの強さや感じ方にも違いがあるよ。

刺す針は精密機械みたいな構造

話者Bどうして蚊は皮膚に唾液を入れていくの?

話者A蚊の唾液にはいろいろな成分が含まれているんだ。まず麻酔効果のある物質。刺されたときに痛みを感じにくい原因の一つは、この物質が含まれているからだよ。それから、血が固まらないようにする成分。血は空気に触れると固まる性質があるから、血を吸っている最中に固まらないようにしているんだ。蚊の唾液には血管を広げるはたらきがある成分も含まれていて、これを血管内に入れることで、効率的に血を吸えるようにしているんだ。

話者B蚊の唾液ってすごいね。

話者A唾液だけじゃないよ。針もよくできていて、刺されてもチクッとしないのは、その構造も関係しているんだ。蚊が人を刺す部分は1本の針に見えるけど、実は役割の違う7本の針の集まりなんだ。皮膚を切る役割を持つ針、血を吸う役割を持つ針、唾液を出す管の役割を持つ針などがあって、この7本を巧みに動かして血を吸っていくんだよ。そのなかに特殊なギザギザを持つ針があって、この針を小刻みに動かすことで、針が皮膚に触れる面積を小さくして、刺しても痛みを感じにくくしているんだ。

話者A精密機械みたいだね。そんな細かい作業をしていたなんて驚いたよ。

話者A蚊が皮膚を刺す針の仕組みは、医療用の注射針の開発に生かされているよ。ギザギザした針の構造とか、細かく動かして刺す機能からヒントを得て、糖尿病の患者さん用の注射針などが開発されているよ。注射を何本も打たなくてはならない糖尿病の患者さんにとって、痛くない注射針があればうれしいよね。

話者B刺されるとかゆくて嫌だけど、蚊の針ってすごくよくできているのね。

話者B刺していることに気づかれたら、すぐその場で叩きつぶされちゃうもんね。蚊も必死なんだろうね。

話者Aでも、蚊は病原体を運ぶ怖い虫であることも忘れてはいけないよ。蚊が媒介する感染症は多く、日本脳炎やデング熱、ジカ熱などは日本でも流行する可能性がある、怖い病気なんだ。蚊には刺されないことがいちばんだね。

蚊が刺すとかゆくなる原因は?

蚊が刺すとかゆくなる原因のイラスト

保護者の方へ

蚊に刺されると、かゆくなるだけでなく皮膚が赤く腫れたり、水ぶくれができたりすることがあります。これも蚊の唾液の成分に対して起こるアレルギー反応です。特に子どもは大人より皮膚が薄く、そうした症状が現れやすいので注意が必要です。

蚊に刺されないようにするには、蚊がいそうな場所に近づかないことが重要です。屋外のレジャーなどに出掛ける場合は、長袖・長ズボンを着用し、虫よけ剤を使用するなど、予防策を忘れないようにしましょう。