さっぴーの社会科見学へ行こう!
それまで住んでいた国を離れ、海外で暮らすこと。それが「海外移住」だよ。日本の場合、今は個人で行うのが普通だけど、昔は政府が奨励し、集団で外国に移り住むケースもあったんだ。そんな海外移住について学べる施設が、横浜にある「JICA横浜 海外移住資料館」だよ。ここは国際協力機構(JICA)が運営していて、実物資料などをそろえ、移住者の歩みを紹介しているんだ。
1885年から1972年までの間で、日本でいちばん多くの海外移住者を送り出した都道府県はどこだと思う?
①神奈川県
②広島県
③長崎県

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「海外移住が盛んなところってことか。それなら③の長崎県かな。対馬を間に置いて、朝鮮半島に近く、日本が鎖国をしていたころは、オランダなどヨーロッパとも交流があったし」 |
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「そうだね。でも、海外移住が始まったのは明治時代でしょ? わたしは日米修好通商条約で港を開いた①の神奈川県からの移住者が多いと思うな。異国の文化に触れて、海外生活にあこがれた人もいそうだもの」 |
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「なるほど。どちらの意見も説得力があるね。じゃあ先に解説すると、日本人の海外移住が本格化したのは、今から140年前の1885年。この年、明治政府が正式に認めた最初の移住団がハワイへ向かったんだ。それ以前にも移住者はいたけれど、ここから本格化するんだね。以降、1970年代初頭までは、仕事を求めて多くの人が海外へ渡ったよ。この間の海外移住者は約76万人。そのうちの7人に1人、約11万人が広島県の人だったんだよ。つまり正解は②だね」 |
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「えっ、広島県!? それは思いもしなかった。どうしてだろう」 |
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「理由ははっきりわからない。ただ、受け入れ先で、広島県の人は厳しい労働に耐えられると評判になってね。『もっと来てほしい』と求められたこともあって、友人・知人に声を掛けたりして、渡航者が増えたようだよ。ということで、今日は横浜にある『JICA横浜 海外移住資料館』に行ってみよう。ここは、日本人の海外移住の歴史と、現地で生活する日系人の様子を伝える施設で、移住に関するさまざまな資料がそろっているよ」 |
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「そんな施設があるの!? おもしろそう。行こう、行こう!」 |
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