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『わたしに続く道』
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- ◆山本悦子=作
- ◆佐藤真紀子=絵
- ◆金の星社=刊
- ◆定価=1,650円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
わたしは日本人、でも 鏡を見ると思い出す ダディーの故郷、ケニアを
リイマはケニア人の父と日本人の母の間に生まれた女の子。日本で生まれ日本で育ちましたが、父がケニアに帰ってしまったので、母と2人の弟との4人家族です。物語は離婚した母が日本人の男性と再婚するところから始まります。幸い引っ越しても転校せずにすみ、リイマはほっとします。新しい学校に入ったら、また「ねえねえナニジン?」とか「日本語話せる?」なんてくだらない質問攻めにあうからです。
でも今の学校でもまだこんなことがあります。スポーツテストの日、50m走で男子トップの亮より速い記録を出したリイマは、「黒人だから速いんだ。ずるい」と亮に言われます。「速いのはわたしの実力」と言い返すリイマですが、女子の三島さんが亮に「人種差別だ」と言い始め、クラスは「リイマがかわいそう」「黒人なのはリイマのせいじゃない」という空気に。リイマは怒りが湧いてきました。亮への怒りではなく、自分をかばっているように見える三島さんへの怒りでした。
母の再婚で新しい父の母親、つまりおばあちゃんと同居し始めたリイマは、新しい親戚のなかでも傷つくことばかりです。ケニア人の子であることに誇りを持つ一方、鏡で自分の肌を見ては悩むリイマ。彼女を救ったのは、厳しそうで苦手だったおばあちゃんが誘ってくれたケニア旅行でした。夕日に染まるあかね色の草原。日の出とともに朝もやの中で動き出す動物たち。ケニアの圧倒的な自然とそこに暮らす人々が、リイマの心を動かします。ルーツをたどる旅を通じて自分を見つめ直し、大切なことに気づいていく少女の物語です。
『ゾウのはなのあなは、どこまでつづいているの?』
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- ◆中山信一=絵
- ◆高岡昌江=文
- ◆あすなろ書房=刊
- ◆定価=1,760円(税込)
- ■対象:幼児向け・小学校低学年向け
息を吸うのも鼻 食べるのも、飲むのも鼻 ゾウは鼻で生きている!
人の鼻の穴は二つ。穴には仕切りがあります。ゾウの鼻も同じです。ではゾウの鼻の仕切りはどこまであるでしょう。長い鼻全部に仕切りがあるのでしょうか。穴の終点はどこでしょうか。
いわれてみれば気になります。ゾウと人間の鼻の穴、何が同じで何が違うのか。ゾウの鼻の穴はどこまであるのか。鼻の穴に注目したユニークな絵本です。空気を吸う、水を吸い込んで口に運ぶ、食べ物をつかんで口に入れる、仲間とあいさつする。何でも鼻を使うゾウ。では赤ちゃんがおっぱいを飲むときはどうするのでしょうか。ゾウの鼻のことがもっと知りたくなります。ゾウの温かい鼻息が伝わってきそうな、ほのぼのとする絵本です。
『ソリアを森へ マレーグマを救ったチャーンの物語』
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- ◆チャン・グエン=作
- ◆ジート・ズーン=絵
- ◆杉田七重=訳
- ◆すずき出版=刊
- ◆定価=1,870円(税込)
- ■対象:小学校低学年向け
バイバイ、ソリア。 森に帰って自由に生きるんだよ
物語の舞台はベトナムのカッティエン国立公園です。チャーンは、ここで野生のクマを保護する活動をしています。仕事は森で保護されたマレーグマの赤ちゃん、ソリアが森で生きていけるように訓練すること。狩りのしかたも飲み水の見つけ方も、森で一緒に暮らしながら教えていきます。でもソリアは気が弱く、食べ物を見つけてもすぐほかのクマにとられてしまいます。訓練は前途多難でした。
チャーンのモデルは自然保護活動家である著者自身。彼女は幼いころ虐待されているクマを見て、野生動物を守る仕事に就くことを決意します。夢に向けてがんばる少女を通して、自然破壊の実態と保護活動に取り組む人々の思いを伝えます。
『サメすご図鑑』
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- ◆佐藤圭一=監修・著
- ◆KADOKAWA=刊
- ◆定価=1,540円(税込)
- ■対象:小学校中学年向け・小学校高学年向け
さまざまな個性、 世界の海を泳ぐ サメが大集合
三角の背びれを立てて獲物めがけて突進し、鋭い牙で食いちぎる。サメというとそんな怖いイメージがあるかもしれません。でもそれはサメのごく一部です。ひと口にサメといっても多種多様で、陸上を歩くことができるサメもいれば、400年も生きる長寿のサメもいます。砂に身を隠してしまうサメもいるのです。
沖縄美ら海水族館のサメ研究者が、国内外の80種以上のサメを最新の研究をもとに紹介します。美ら海水族館ならではの貴重な写真がたくさん紹介されていて、大きな口から鋭い顎と歯が飛び出した顔の写真などは迫力満点です。サメ好きの人でなくても、サメのすごさ、ユニークさに引き込まれる一冊です。
『キオクがない!』
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- ◆いとうみく=作
- ◆平沢下戸=絵
- ◆文研出版=刊
- ◆定価=1,760円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
自分が忘れても 人を傷つけた過去は なかったことにはならない
自転車事故で病院に運ばれた孝太郎。意識がない日が続いてようやく目が覚めたとき、記憶を失っていることに気づきます。自分の名前もわかりません。家族の顔を見ても見知らぬ人にしか見えません。退院して家に帰ってみると、弟はおびえたような態度をとり、自分の部屋はまるでごみ屋敷のよう。自分はどんな人間だったのか、誰かを傷つけていたのではないかと怖くなり、記憶が戻らないほうがよいのではないかとも思う孝太郎でした。
積み重ねてきたものが突然なくなったとき、人は何を思うのでしょうか。孝太郎は本当の自分と向き合うことができるのでしょうか。中学入試問題頻出の作家による、自分探しと再生の物語です。
『レイチェル・カーソンのことばと人生』
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- ◆レイチェル・カーソン日本協会=監修
- ◆ポプラ社=刊
- ◆定価=1,870円(税込)
- ■対象:小学校高学年向け
没後60年、今も世界に 影響を及ぼし続ける 自然保護にかける信念
「知ることは、感じることの半分も重要ではない」。アメリカの海洋生物学者で作家のレイチェル・カーソンのことばです。レイチェルは幼いころから母と森を歩き、自然や生き物とのかかわりを強く感じながら生きてきました。『沈黙の春』はそんな彼女が、化学薬品が生態系に及ぼす影響を指摘し、世界に衝撃を与えた代表作です。この本をきっかけに、アメリカでは農薬問題を調査し、環境保護に乗り出すことになりました。
レイチェル・カーソンの生涯を、彼女が残したことばや数々のエピソードとともに紹介します。自由にページをめくりながら、気になることばを探してください。未来を生き抜くヒントが見つかるかもしれません。
『はまると深い! 数学クイズ 直感力・思考力を磨く』
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- ◆横山明日希=著
- ◆講談社=刊
- ◆定価=1,100円(税込)
勉強するだけが算数じゃない 身のまわりの算数を知って もっと算数を楽しもう!
豊洲校 校舎責任者算数というと授業で習ったり、家で問題を解いたりするものと思うかもしれません。でも勉強としての算数以外に、身近な生活のなかにもたくさん算数で表せるものがあります。そんなところから算数に興味を持ってくれたらと願って選んだのがこのクイズの本です。問題集ではありません。クイズをきっかけにした読み物です。
なかには数学で使う数式や図形が出てくる難しそうなクイズもあります。そういうところは飛ばしても大丈夫です。おもしろそうなものを選んで読んでください。
たとえばサッカーが好きな人にはこんなクイズはどうでしょう。サッカーのフリーキックで一発ゴールを狙うとします。位置はペナルティーエリアラインのやや外側です。ここにゴールラインに近いところから順にA・B・C・D・Eの五つの地点を設けます。さてどこから蹴るとゴールに最も入りやすいでしょうか。サッカーをやっている人なら図を見て「ここだよ」と感覚的に思うでしょうが、算数を使えばきちんと答えが導き出せます。円を描いて円周上の2点とゴールエリアの角で作る円周角を比べればいいのです。読めば、本当かどうか実際に蹴ってみたくなると思います。サッカーのほか、カレンダーの日付と曜日の関係、新幹線の座席の数、ケーキの分け方、月の大きさの調べ方など、いろいろな話題のクイズが出ています。
勉強が終わってひと休みするときでも、電車の中でも、ちょっとした隙間の時間に読めます。1日に一つでもいいので、クイズに挑戦してみると、「算数を使ってこんなことが考えられるんだ」とわかっておもしろいと思います。算数や数学の勉強をしていると「あのときはわからなかったけど、これはこういうことだったのか」と気づくことがよくあります。そういう気づきがあると算数や数学はもっとおもしろくなります。ぜひこの本でそういう経験をして、算数や数学を勉強する楽しさを知ってほしいと思います。
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