生徒一人ひとりが未来へと向かうための
四つのスペシャルプログラム
校長 小川幸子先生
急速に変化する現代社会において、みずからの力をどのように生かしていくかを重視する同校は、中高6年間の学習と、特色ある四つのスペシャルプログラムを結び付け、生徒一人ひとりの主体性を育んでいます。
一つ目の「ライフオリエンテーションプログラム」は、自分を知り、人生の指針を見つけ、卒業後、どのように生きていくのかを6年間でじっくり考えていくことを目的としています。校長の小川幸子先生は、「たとえば中1では、『友だちが少ないことはいけないことなのか』など、中学生が抱きがちな疑問をテーマに考えていく機会もあります」と説明します。福祉や宗教倫理の授業もあり、体験や人との出会いによって心を育てていきます。
二つ目の「グローバルプログラム」では、国内外の姉妹校との国際交流を通して、異文化理解を深めていきます。英語の授業は、帰国生のクラス、入学時に英検®3級を取得している生徒のクラス、標準クラスという3クラスに分けて行われますが、標準クラスの生徒も6年間で着実に英語力を身につけ、校内・校外で行われる模擬国連大会にも積極的に参加しています。
ありのままの自分を受容し、自分の価値を見出すライフオリエンテーションプログラム
三つ目の「ライフナビゲーションプログラム」は、キャリア教育を中心に構成されています。卒業生や外部講師を招いた講演などを多く実施し、進路や職業、生き方について考える機会を設けています。小川先生は、「本校の卒業生の進路は多彩で、芸術家、医師、弁護士、さらには宝塚のスター、オリンピック出場選手もいます。そうした卒業生のほか、講演にはさまざまな企業の方も招きます。生徒たちは、さまざまな生き方や考え方、そしてどんな仕事があるのかを知り、自分の未来を描き始めます」と話します。
四つ目の「サイエンス・ICTプログラム」では、理科分野の体験学習、ICTを活用した学習を通して、未知の分野への好奇心・探究心を深めていきます。自然豊かな校内での動植物観察のほか、三浦半島の海岸、箱根の地質など、神奈川の自然に触れて研究を進める機会も多くあります。ICTに関しては、環境の整備・充実とともに、生徒の有志がICT委員会を立ち上げ、主体的にルールや使用法を発信するなど、高い意識でICTツールを活用しています。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
視野を広げ、意識を高めて
希望進路へと向かう
米国ボストンカレッジでリーダー養成プログラムに参加
同校では、生徒一人ひとりの希望進路をかなえるために、教員が一丸となってサポートしています。進路指導の基本方針について、小川先生は、「たとえば『医師になりたい』という希望に対して、どんな医師になりたいのかを問い、『何に』よりも『どんな』を大切にするように指導しています。そうした意識の醸成は、『そのために何を勉強すべきか』を考えることにつながっていきます」と話します。
さらに、進路選択について、先生はこう続けます。「理系の生徒は『人の役に立ちたい』という希望を持つと、どうしても医療系という道だけに絞ってしまいます。その視野をもっと広げてほしいと思います。機械工学の分野でも人の役に立てる仕事はあります。研究職やメーカーの開発部門でも人や社会のために貢献できるからです」
中1〜高1は、毎年理科の野外学習を実施。その歴史は古く、50年余り前から続く伝統のプログラムです
そこで、大学での学びがより具体的になるように、今後、高大接続教育も強化していくとのこと。「理工学部では何を学べるのかイメージできなかったり、文学部は本を読むばかりだと思っている生徒もいるので、大学の実験や体験学習に参加できる機会を設けていきます。大学の学びにはたくさんのフィールドがあることを知ってほしいと思います」と小川先生は話します。
最後に小川先生は受験生にこうメッセージを送りました。
「中高6年間、思い切り学校生活を楽しんでほしいと思います。学習や学校行事などを、一生懸命取り組んだこと自体が自信につながり、失敗も次の成長に活かせます。この伸び伸びとした環境のなかで、いろいろな経験をしてください。学校はいつでも生徒を応援しています」