受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

好奇心と学習意欲を刺激する
充実の教育プログラムで、
将来の夢を「決意」に変える

江戸川学園取手中・高等学校 校長 山本 宏之 先生

心を鍛える校長講話と議論
学習のモットーは「授業が一番」

聞き手1
サピックス
教育情報センター
神田 正樹

神田 初めに学園の沿革と、山本先生が校長に就任されるまでの経緯についてご紹介いただけますか。

山本 本校は1978(昭和53)年に、江戸川学園取手高等学校として開校しました。母体となったのは1931年に開校した城東高等家政女学校(現・江戸川女子中学校・高等学校)で、その50周年記念事業の一環で共学の進学校として本校が設立されたのです。中等部の開設は1987(昭和62)年です。その後、医学部志望者の増加に伴い、1993年に高等部に医科コースを設置し、2016年には中等部で東大ジュニア・医科ジュニア・難関大ジュニアの3コース制をスタートさせました。

 わたしは1991年に本校に参りましたから、今年で32年目になります。英語教員として高等部で教える一方、2017年までクラス担任を務め、高3は9回担当しました。そのうち8回が東大クラスで、合計50人以上を東京大学に送り出しています。進路指導部長も長く務め、その意味では叩き上げの人間です。副校長を経て昨年4月、校長に就任しました。

神田 貴校が重視しているのは「心力・学力・体力」の三位一体の教育で、特に「心の教育」を大切になさっていますね。

山本 心の教育は、校長講話と道徳の授業が中心になります。校長講話では、これまでマザー・テレサや北里柴三郎などの偉人を取り上げて話をしました。今は基本的にSDGs(持続可能な開発目標)をテーマに選ぶことが多く、それに関連して、生徒が議論しやすい内容を選んでいます。道徳の授業は、人生経験が豊かなベテラン教員による特別チームを編成して行っています。65分の授業のうち、最初の30分が講話で、残りの時間はグループディスカッションに充てています。

神田 道徳では、授業の感想文をそれぞれノートにまとめ、それに対して担任の先生がコメントを書かれるそうですね。

山本 コメントを返すことはとても大事で、6年間継続して行っています。まさに心のキャッチボールです。これによって生徒との信頼関係を築くことができます。

神田 道徳に限らず、授業内容の充実を何よりも大切にされ、そこは学園のモットーである「授業が一番」というところですね。

山本 「授業が一番」とすることで、予習や復習を意欲的に行う姿勢が身につきます。特に中等部では、すべての教科で基礎学力の定着が必要ですから、授業を真剣に受ける姿勢は何よりも大切です。

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体育館・武道場・卓球場・ダンス室などがそろう「Sakura Arena」が2020年に完成。スポーツ施設がますます充実しました

22年5月 さぴあインタビュ ー/全国版:
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