受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

好奇心と学習意欲を刺激する
充実の教育プログラムで、
将来の夢を「決意」に変える

江戸川学園取手中・高等学校 校長 山本 宏之 先生

可能性の芽を大切に育む環境
企業と商品開発をする生徒も

聞き手1
サピックス
小学部教務部
山口 拓司

山口 山本先生は東大コースを長く担当されていたとのことですが、指導に当たってどんな点を重視されていましたか。

山本 早い段階から演習を数多くこなして、実戦力を高めることはしっかりやっていました。あとは、いかに生徒のモチベーションを上げるかです。東大受験はテクニックだけでは通用しません。どこまで本人が受かりたいと思えるか。そのモチベーションにかかっています。

神田 先ほどの猪俣さんは、「東大をめざせばどんな道に進みたいと思ってもその先は開ける」と先生に言われたとのことで、良い進路指導をなさっていると思いました。

山本 初めは東大に届きそうもない成績であっても、まずは「東大をめざそう」というところでモチベーションを上げる。わたしもそれが教員の仕事だと思って取り組んできました。

神田 東大の推薦入試(学校推薦型選抜)にも4年連続で合格者を出していますね。「とがった才能」の育成にも力を入れていらっしゃるのでしょうか。

キャプションあり
2021年度の卒業生一人ひとりが描いた「結」の文字で作り上げた作品

山本 たとえば、生徒が何らかのコンテストに出た経験があれば、それを大事にして、伸びる可能性を考えて個別指導をします。今年度は経済学部に1人合格しました。その生徒は中学生のときに起業して、企業とのコラボレーションのなかで、「下着が透けない白いシャツ」を開発しました。学外コンテストで賞もとっています。

神田 昨年も「高校生模擬起業グランプリ」で賞をとったグループがありましたね。

山本 このプログラムは、主催者から30万円の融資を受けて模擬企業を立ち上げ、実際にネットショップでビジネスを行うというものです。高1の2グループが参加して、金賞と銀賞を受賞しました。金賞を獲得したグループは、地元の規格外野菜から色素を抽出して宝石型の石けんを作りました。高い評価をいただき、販売したらかなり売れたようです。まさにSDGsです。

神田 規格外野菜をごみにせず、うまく活用してお金に換えていく。農家の方たちの大きなヒントにもなりますね。

22年5月 さぴあインタビュー/全国版:
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