さぴあインタビュー/全国版
挑戦する心を駆り立てる
多彩な教育プログラムを通して
みずから道を開く力を養う
市川中学校・高等学校 校長 及川 秀二 先生
英国のパブリックスクールを模範に
創立者の熱い思いで設立
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹
神田 初めに、学園の沿革と、先生がこれまで学園にかかわってこられた経緯についてお聞かせください。
及川 本校は教育者の古賀米吉先生が1937(昭和12)年に設立した学校です。福岡で生まれた米吉先生は旧制中学を卒業後、小学校の代用教員になります。その後、上京して東京外国語大学で学んだ後、英語の教師として東京府立第四中(現在の都立戸山高校)に勤めていましたが、37歳で東京帝国大学に入学。夜間は英語教師として働きながら文学部社会学科を卒業しました。そして自分の学校を設立したいという思いから、資金を集めてアメリカとヨーロッパの学校、さらにはインドの学校も見て回りました。そのなかで特に感銘を受けたのがイギリスのパブリックスクールで、「日本にもこういう学校が必要だ」と考え、今から85年前に市川学園を創立したのです。わたしは本校の卒業生で、大学の4年間だけは学園を離れていましたが、大学卒業と同時に数学の教員として戻り、今年で40年目となります。
神田 学園の建学の精神の一つに「第三教育」があります。第一教育が家庭教育、第二教育が学校教育、そして自分自身で学んでいくことが「第三教育」なのですね。それも生涯を通じて学び続けていくことが大事だということで、「第三教育」はまさに米吉先生の生き方そのものといえますね。
及川 「第三教育」は本校の創立当初から唱えられていた理念で、単に学習するだけではなく、生涯学び続けるメンタリティーをしっかり身につけてほしいということです。
神田 米吉先生が海外の学校を見て回られたのは、日本が戦争に向かっていく時期でしたから、渡航するのは大変だったと思います。それだけ新しい学校への思いが強かったのですね。そこで見たのがパブリックスクールのイートン校で、それを模範に学校を設立したということですね。現在はイートン校のサマースクールにも参加していると聞いています。
及川 イートン校を模範にしていることから、「研修を受けてみないか」とお誘いがありました。コロナ禍で2年間中止していましたが、今年は安全性が確認できたので、再開します。
玉井 それだけ本校が信頼されているということですね。
図書館を中心とした学習のための情報拠点「第三教育センター」
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