受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

中高大10年間を見据えた教育で
世界に貢献できる
「第一級の人物」をめざす

明治大学付属明治高等学校・明治中学校 校長 井家上 哲史 先生

創立112年の伝統校
新校長は次世代通信の研究者

神田 初めに学園の沿革についてご紹介いただけますか。

井家上 本校は1912(明治45)年、旧制明治中学校として神田駿河台の明治大学構内に開校しました。当初は、明治大学の付属というより、学校法人明治大学が中学生を育てるための学校として開校したと聞いています。戦後の学制改革で明治大学の付属校となり、新制明治高等学校・明治中学校として新たなスタートを切りました。その頃は神田駿河台の隣の猿楽町に校舎があり、そこで長く男子校として発展してきましたが、2008年にこの調布の地に移転し、男女共学となりました。

聞き手1
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹

神田 井家上先生は、どのような経緯で学園とかかわってこられたのでしょうか。

井家上 わたしは明治高校を1976年に卒業しています。そして明治大学工学部に入り、大学院を卒業後、郵政省(現在の総務省)の電波研究所で研究員をしていました。その後、縁があって1997年に明治大学理工学部電子通信工学科の助教授となり、後に電気電子生命学科の教授となって、この4月に兼務の形で本校の校長に就任しました。

神田 同窓会の総明会の会長もなさっていたとのことですから、この学園を本当に知り尽くしていらっしゃるのですね。

井家上 総明会という名称は、初代校長の鵜澤総明先生の名から取ったものですが、「オール明治」という意味も込められています。明治高校の卒業生全員を総明会の会員に迎え入れ、現時点で1万5000人ぐらいの卒業生と連絡が取れるようになっています。

神田 数多くの卒業生が多方面で活躍されていらっしゃいますよね。先生は通信分野のなかでも、特にワイヤレスネットワークについて研究されていると伺いました。5Gということばをよく耳にしますが、第5世代のその先のワイヤレスネットワークの研究がご専門とのことですね。

井家上 わたしの研究室では、次世代ワイヤレスネットワークを研究しています。今はスマートフォンで人と人とのコミュニケーションが当たり前にできていますが、情報交換する必要のあるものはすべてつながるだろうというのが次の第6世代です。目標とするのは、スマホやパソコンなどのデバイスによる高速ワイヤレスインターネットや、車と車、ICカードなどいろいろなものの間で自在にワイヤレス通信ができる「ワイヤレス・ユビキタス・ネットワーク」の実現です。そのために新しい通信方式の確立をめざしています。

神田 生徒たちは、最先端の分野を研究されている校長先生の下で、たくさんの新しい刺激を受けていくことができますね。

井家上 着任して半年ほどですから、まだまだこれからです。まずは生徒の思いを知り、わたしの考えも知ってほしいと考えています。この秋から、中1を少人数のグループで校長室に招いて、面談をしています。

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23年12月号 さぴあインタビュ ー/全国版:
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