さぴあインタビュー
「自主・自治・自律」の理念の下
学問と現実をつなぐ教育が
「行動する知性」を育む
中央大学附属中学校・高等学校 校長 安藤 浩一 先生

集大成は卒業論文・卒業研究
興味を究めた深いテーマも登場

サピックス小学部
教務本部
原田 正倫
神田 「教養総合」の学びの集大成が卒業論文ですね。卒業論文を書かせる学校はたくさんありますが、1万字も書く例はそれほど多くはありません。大学教育にそのまま接続できる力を、中等教育の段階から求めているということなのですね。
原田 大変な取り組みですが、専門的な学問分野に進んだときに役立ちますね。
安藤 自信にもつながります。生徒たちも最初は「大変そうだ」と感じますが、取り組み始めると、「やればできる」ことがわかります。そして、書き上げると「多くの人に知ってもらいたい」「発表したい」という気持ちが芽生えます。その過程で成長するのです。教員としては、その変化を見守ることが何よりの喜びです。わたしたちの想像を超えて成長していく姿を見ることができます。
神田 理系の生徒の場合は卒業研究になるわけですね。テーマ例を見ると、「人工雪発生装置の開発」「蜃気楼を利用した気温分布推定」、さらには「都市河川に生息するコサギの夜間の採餌活動とその発生要因」などがありました。これは夜間観察も行っているということですよね。すごいです。どのようにこうした興味が広がるのでしょうか。
安藤 先輩から受ける刺激も大きいと思います。「こんな研究もあるのか、おもしろいな」と興味を持つのでしょうね。中央大学理工学部の先生方にご指導いただいていることも大きいです。先生方の前で発表し、コメントをいただく経験も、大きな刺激になります。
中央大学附属というと文系のイメージがあるかもしれませんが、本校では文理を問わず、探究心を大切にしています。興味を持ったテーマにとことん向き合う姿勢を重視しており、サイエンス分野に関心を持った生徒は、実験や観察に夢中になっていきます。よく例として紹介するのはムササビの研究です。本校には、ムササビの生息数が減少した理由について研究し、高校在学中に学会発表をした卒業生がいます。週末ごとに山に通い、継続的にムササビの観察とデータ収集を行って研究を進めていました。
原田 すばらしいですね。2018年度には文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、現在は第2期の指定期間に入っています。そうした積み重ねも大きいのでしょうね。
安藤 興味のあるテーマについて観察や実験を重ね、データを取って、そこから新たな発見を導き出す。そうした姿勢を持つ生徒は多く、まさにSSHの指定を受けたことが、こうした探究的な学びの充実につながっていると感じます。
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