さぴあ仕事カタログ 特別編
放射線科専門医は、病院でレントゲンやCT、MRIの検査を受けた人に対して、その画像を的確に診断し、病気が潜んでいないかを判断する役割を担っています。今回は、MRIを利用して全身のがんを短時間で検査できるドゥイブス法(DWIBS法)を開発した高原太郎さんに登場していただき、子ども時代から現在に至るまでの道のりを伺いました。


高原クリニック イノベーティブスキャン 院長
放射線科専門医・医学博士
高原 太郎 さん
放射線科専門医は
どんな仕事をしているの?
放射線科専門医の仕事は、大まかに分類すると、画像診断、IVR(Interventional Radiology:カテーテルによる血管造影検査・治療)、放射線治療(がんに放射線を直接照射して行う治療)の三つがあります。ここでは、わたしが行っている画像診断について詳しく説明します。
病気になると、患者さんの訴える症状から原因を究明するために、主治医の指示によって、採血、心電図などのさまざまな検査が行われます。その検査のなかに、レントゲンやCT(※)、MRI(※)を使った画像の診断があります。この検査画像を読むこと(読影)は、とても難しいといわれています。たくさんの検査機器があるため、検査方法によって病気の見え方が異なり、それぞれの画像を評価するための複雑なルールがあるからです。特定の臓器だけではなく、体の生理機能を把握し、全身に起こる症状について理解していなければなりません。
体の構造を理解したうえで読影を行うと、がんや出血、骨折、内臓の異常などを正確に見つけ出すことができます。目に見えない病気を誰よりも早く見つける役割を担っているのです。
放射線科専門医は、ほかの医師の判断を支える存在でもあります。主治医は、放射線科専門医が読影した画像の結果をもとに治療方針を決めます。一つの検査方法では判断できない場合などには、ほかの検査方法を主治医に提案することもあります。また、放射線を安全に扱う責任者としての役割もあります。
放射線科専門医の特徴の一つは、患者さんに直接会わない医師ということです。医師同士のコミュニケーションを通じて、患者さんに貢献します(わたしのクリニックでは、患者さんに直接画像診断の結果をお話しすることも行っています)。画像を詳しく調べることに打ち込める人は向いていると思います。
※CT…放射線を利用して、体内の断面の画像を描写する検査
※MRI…強力な磁石と電波を利用して、体内の断面の画像を描写する検査
- 1体の中を正確に見る専門家

- レントゲン、CT、MRIといった検査機器を使って、体の中を手術せずに画像で詳しく調べる医師です。
- 2病気の早期発見のプロ

- 検査画像から、がん、出血、骨折、内臓の異常などを正確に見つけます。目に見えない病気を、誰よりも早く見つける大切な役目があります。
- 3ほかの医師の判断を支える

- 放射線科専門医が読んだ画像の結果をもとに、主治医が手術をするか、薬で治すかなどを決めます。正しい治療のスタートを支える医師です。
- 4放射線を安全に扱う責任者

- 放射線を「できるだけ少なく、でも正確に」使う方法を考えて、命を守る仕事もしています。

どんな子ども時代を過ごしたの?


天文部に入部し、星図も暗記するほど夢中になった中高生時代(左)/昆虫採集などが好きだった幼少期(上)
子どものときには、医師になろうとはまったく考えていませんでした。純粋に理科で習うようなことが好きだったのです。野原に行って昆虫採集をしたり、ポケット図鑑の内容を全部覚えたりしていました。母が小学校の教諭だったので、小さいときから勉強で鍛えられていた面はありました。一つのことに集中する姿勢は、子ども時代に培われたと思います。
小学4年生の終わりごろから、母の勧めで塾に通い始め、中学受験のための勉強に励みました。塾で身につけてよかったと思うのは暗算です。円周率を暗記したり、計算を繰り返したりして、数字に強くなりました。塾で勉強していた成果もあって、小学校の成績は学年でもトップのほうだったので、そのころは気分良く勉強に向き合っていました。
無事に駒場東邦中に合格したのですが、早くも中1の2学期には落ちこぼれになってしまいました。中学に入学したら、調子に乗って勉強しなくなったのです。当時の学年順位は、240人中で180~200位ほどでした。友だちがわが家に泊まって、一緒にテスト勉強を夜中の2時ぐらいまでやっても、答案が戻ってくるとバツだらけ。赤点のときもありました。「なぜこんなにがんばっているのに答えが合わないのだろう」という思いを、ずっと繰り返していました。
それでも、勉強以外に夢中になっていたものがありました。それが星です。空を見上げたときに、星図と見比べながら、季節ごとの星座の名前や位置をすべて覚えてしまったほどです。天文部の活動には生き生きと取り組んでいましたね。成績は悪かったけれど、夢中になれるものと楽しい仲間に恵まれて、かけがえのない中高時代を過ごしました。
- 「第73回 放射線科専門医」:
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