学校説明会レポート
サレジアン国際学園世田谷中学校
2026年5月27日(水)
「世界市民力」の育成をめざし、先進的な教育改革を推進
サレジアン国際学園世田谷中学高等学校は、イタリア発祥の女子修道会「サレジアン・シスターズ」を設立母体とするカトリックミッションスクールです。前身の目黒星美学園中学高等学校は60年以上、女子校でしたが、2023年に共学化し、現校名に変更しました。「21世紀に活躍する力『世界市民力』を育む」という教育目標を掲げ、時代の変化に対応した学校改革を積極的に進めています。
この日の説明会では、最初に教頭の村井純先生が同校の教育方針について詳しく説明しました。村井先生は、来年4月に中学に入学する生徒たちが社会に出る10年後には、これまでのような成功体験や既存のモデルが通用しない“正解のない時代”が到来するだろうと話し、「そのような未来社会において、最も必要となるのは『無から有を創出する力』だと考えています。本校では、この力を中高6年間で育てていきます」と語りました。
こうした考えの下、同校では、「考え続ける力」「心の教育」「数学・科学リテラシー」「言語活用力」「コミュニケーション力」を五つの柱として教育活動に取り組んでいます。従来の「知識を積み重ねる学び」「受験に向けた学び」に加え、論理的・批判的・創造的な思考を養う「思考型の学び」も重視し、全教科でPBL(Problem Based Learning)型授業を実施していることが大きな特長です。PBL型授業では、教員から投げ掛けられる「解のない問い」について、まずは個人で考察してから、グループで議論しながら考えを深め、プレゼンテーションやレポート作成へとつなげていきます。
次に、特色あるクラス編成について説明がありました。同校では「EDGE(旧本科クラス)」と「VISTA(旧インターナショナルクラス)」の2種類のクラスを設けています。EDGEは、思考力を徹底的に鍛え、価値観や学問を深く探究するクラスです。その軸となるのが、各自の興味・関心を基に生徒一人ひとりがみずからテーマを設定して研究を進める「ゼミ」です。一方、VISTAのコンセプトは「英語で学び、英語で考える6年間」で、英語を使って思考する力を伸ばします。英語・数学・理科・社会(地歴公民)を英語で学ぶイマージョン教育を取り入れているほか、同校の卒業資格と海外の高校卒業資格を同時に取得できるデュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)を活用して、海外大学への進学も視野に入れることができます。村井先生は「学びのアプローチは異なりますが、どちらのクラスも『世界市民力』を身につけることを共通の目標としています」と強調しました。
続いて、2025年度よりスタートしたEDGEの教育プログラム「MEDICO(メディコ)」が紹介されました。これは、独創性や好奇心、革新性を持って社会に貢献できる人材の育成をめざすプログラムです。医学やデータサイエンスといった分野を切り口とした専門的な授業が展開されており、中学生の段階から専門性を高めようと、数学と理科の取り出し授業も行われているそうです。
さらに、今年4月にはホームルーム編成の新制度「NEXUS(ネクサス)」も始動しました。村井先生は「昨年度まで別々だったEDGEとVISTAのホームルームを2026年度から統合し、日本人教員とインターナショナルティーチャーによる『デュアル担任制』を採用しています。探究とグローバルを融合させ、新たな学びを生み出すことが狙いです。多様な価値観を持つ仲間とのかかわりを通じて、生徒同士の絆も深まっています」と話しました。
説明会の途中では、サピックス出身でEDGE(旧本科クラス)に在籍する中1の生徒が休み時間を利用して登壇しました。充実した学校生活の様子や、英語で行われるホームルームに次第に慣れていった経験をていねいに語り、同校の魅力を伝えました。

昨年9月にオープンしたカフェテリアは、大画面のデジタルサイネージ(電子看板)を備えた、プレゼンテーションや自習などにも活用できる多目的な空間となっています