学校説明会レポート
芝中学校
2026年5月29日(金)
共生(ともいき)の精神を礎に、自由な校風の下で育む人間力と探究する力
芝中学校・芝高等学校は、浄土宗の徒弟教育を目的として1887年に設立された浄土宗学東京支校を前身とする中高一貫の男子校です。1906年に旧制中学校になって一般子弟にも門戸を開放しました。それ以来、校訓である「遵法自治」と仏教精神の「共生」を基盤に、人間力を培う教育を実践しています。
この日の説明会の冒頭、校長の武藤道郎先生は「子どもにとって最も長い時間を過ごす学校が楽しいかどうかが、成長の鍵です」と語りました。大学合格実績だけを追うのではなく、6年間を通して「生きる力」を育てることが同校の教育の根幹にあると言います。また、一日24時間を「睡眠8時間」「勉強8時間(学校6時間+家庭学習2時間)」「自由時間8時間」に分けて考える独自の視点も紹介して、「ゲームやスマートフォンの時間も含め、最終的には自分自身で時間を管理できるようになってほしい」と、生徒の自立を重視する姿勢を示しました。
さらに、男子校ならではの魅力として、学年約300人の男子生徒が集まる環境についても言及。「個性豊かな仲間と出会い、互いに刺激を受けながら成長できるのが男子校のおもしろさです」と語りました。多様な価値観に触れる経験が、生徒の視野を広げる大きな機会になっていると言います。
休み時間の過ごし方を大切にしていることも紹介されました。武藤先生は「生徒には勉強を無理にやらせるのではなく、みずから机に向かうような姿勢を育てたい」と話し、自主性をじっくり育む教育方針であることを強調しました。最後に、「子どもが12歳になったら、親も親として『12年生』です。教員と共に、子どもたちを育てていきましょう」と保護者へ温かいメッセージを送りました。
続いて学習係主任の兵藤友紀先生が、課外の探究プログラム「芝漬ゼミ」を紹介しました。2018年に4講座でスタートしたこのプログラムは、教科や学年の枠を超えて学ぶ同校独自の課外講座として、年々発展を続けています。昨年度は東京慈恵会医科大学と連携し、救急医療や薬の作用について学びました。心肺蘇生法や患者シミュレーターを用いた診断演習などを体験できたそうです。
そのほか、岡山赤十字病院の循環器内科医や、コロナ禍におけるダイヤモンド・プリンセス号の対応で知られる近藤久禎先生による特別授業も実施されています。こうした、社会の第一線で活躍する専門家との出会いを通じて、生徒たちは教科書だけでは得られない学びを深めているとのことです。兵藤先生は「社会には正解が一つではない課題が数多くあります。複数の答えがあり得る問いに向き合う経験を積んでほしいと考えています」と語りました。
最後に、入試広報部長の池之上正明先生から入試について説明がありました。2026年度入試の実質倍率は、第1回入試(2月1日)が2.6倍、第2回入試(2月4日)が3.3倍でした。各教科の出題傾向についても解説されました。国語は四つの大問で構成され、大問1・2は漢字ですが、大問3・4は長文読解ですべてが記述式となります。算数は、穴埋め形式の解答のみを記入するスタイルです。部分点の加算は行われず、他教科と比較して設問数が少ないため、1問あたりの配点が高く、得点差がつきやすい傾向にあります。
社会は、地理・歴史・公民の3分野からバランス良く出題され、100字程度の記述問題も含まれています。理科はキャラクター「芝太郎君」の行動を題材に、身近な自然現象や科学的な考察力を問う問題が特徴です。池之上先生は「国語と算数で大崩れしないことに加え、理科・社会の取り組みやすい問題を確実に得点することが大切です」とアドバイスしました。
合格者最低点をパーセンテージで示すと55~57%で、目標としては65~70%程度の得点が推奨されます。また、第1回・第2回入試の両方を受験した場合、第2回入試ではボーダーライン付近の受験生までが正規合格となるケースがあることや、繰り上げ合格の際に優先的に考慮されることなどについても説明がありました。

東京メトロ日比谷線「神谷町」駅から徒歩5分。都営三田線「御成門」駅からは徒歩7分。近隣の芝公園では、自然に親しみながら学ぶフィールドワークも行っています