学校説明会レポート
順天堂大学系属理数インター中学校
2026年7月2日(木)
「理数インター」創設から20年、「医学進学コース」設置2年目で4学年に拡大
真言宗豊山派の宝仙寺を運営母体とする宝仙学園は、幼稚園から大学までを擁する総合学園です。中学・高校はかつて女子校でしたが、2007年に従来の女子校を「女子部」として残したまま、中高一貫の共学部「理数インター」を新設。そして、2024年4月に順天堂大学と系属校協定を締結し、通称を「順天堂大学系属理数インター中学校・高等学校」としました。
この日の説明会では、まず、校長の富士晴英先生が教育方針を説明しました。同校では、「ロジカルシンキングとプレゼンテーション能力を持った人間に社会で活躍してほしい」という思いの下、20年にわたり理数教育に力を入れて取り組んでいます。順天堂大学との協定は、「多様な背景を持つ人材が医療現場で活躍してほしい」という順天堂大学側の考えと、同校の教育理念が一致したことがきっかけです。そして、現在は「自己ベストの更新」をスクールモットーに掲げ、生徒の主体性を引き出す教育を重視しています。1学年約200名、6~7クラス(上限35名)で編成され、男女比はほぼ半々です。
英語教育にも力を入れており、中1では週7時間の英語授業のうち5時間をネイティブ教員が担当しています。この日は、有志の生徒が立ち上げたプログラミング部の活動が、インドネシア・バリ島の孤児院でプログラミングを指導する国際交流へと発展した事例も紹介されました。富士先生は、こうした取り組みを通して「グローバル人材が育っている」と話します。
続いて、入試広報部長の米澤貴史先生と星野創史先生が、学校生活や学習支援、進路支援についてQ&A形式で紹介しました。医学進学コースと本科コースは混合クラスで学び、医学進学コースの生徒を対象に数学・理科のみ取り出し授業を実施しています。食堂は中1から利用でき、弁当持参の生徒もそこで食べることができるそうです。
学習面では、小テストなどで生徒一人ひとりの学習状況を把握する一方、中学生のうちは先取りを急がず、学習習慣の定着を重視しています。放課後には職員室前で質問する生徒の姿がよく見られるとのことです。英語は習熟度別の3コース制を採用。今年からは理科実験を英語で行うCLIL型授業を導入したほか、アメリカの高校卒業資格を取得できるデュアル・ディプロマ・プログラムや、南東ミズーリ州立大学への特別進学制度も設けています。進路面では、卒業生のおよそ9割が一般入試で大学へ進学。東京大学にも4年連続で現役合格者を輩出しています。
順天堂大学医学部系属校選抜入試には、これまで本科コースから2人挑戦しています。そのうち1人は共通テスト得点率85%以上という基準にわずかに届きませんでしたが、他大学の医学部に合格。もう1人も系属校入試こそ突破できませんでしたが、一般入試で順天堂大学医学部を含む複数の医学部に合格しています。なお、医学進学コースでは、数学・理科の先取り学習に加え、中2から「医師志望論」を学び、医師に必要な倫理観や人間性を養うほか、チーム医療をテーマにしたゲームを通してコミュニケーション能力も育んでいます。
入学試験では、4科や新4科は総合得点の6割、医学進学コースは7割がボーダーラインとなり、これを超えれば合格です。このボーダーラインは「年度によって下がることはあっても、上がることはない」とのことです。また、医学進学コース入試で7割に届かなくても、6割を超えていれば本科コースで合格となる「本科スライド合格」もあります。2027年度からは出願時の通知表コピーの提出を廃止し、試験当日の集合1時間前まで出願を受け付けます。米澤先生は「算数の結果が合否を分ける傾向がある」と話します。なお、新4科入試の過去問題は学校ホームページで公開されています。

2028年春の完成をめざして新校舎の工事が進行中。2026年4月には、生徒がデザインを手がけた新制服も導入されました