学校説明会レポート
東洋大学京北中学校
2026年6月11日(木)
哲学教育・国際教育・理数教育の三つを軸に、「本当の教養を身に付けた国際人」を育成
東洋大学京北中学高等学校は、東洋大学の創設者である哲学者・井上円了によって1899年に設立された京北尋常中学校を前身としています。2011年に母体である京北学園が東洋大学と法人合併し、2015年に男子校から共学校へ移行するとともに東洋大学の附属校となり、現校名に改称しました。
説明会の冒頭、校長の星野純一郎先生は、建学の精神「諸学の基礎は哲学にあり」について、「本校でいう『哲学』とは、固定観念を打ち破り、本質を追究する学問です。現代社会にあふれる多くの情報を適切に取捨選択し、さらに活用していけるよう、本校では哲学教育を軸に『考える力』を養っています」と説明しました。そして、「他者と対話し、互いの価値観を共有しながら考えを深められる『本当の教養を身に付けた国際人』の育成をめざしています」と続けます。また、教育の土台となる心がけとして「正礼し 正聴し 尽瘁(じんすい)すれば不可無く良生なり」ということばを紹介。「人や物事にしっかりと向き合い、真摯に話を聴き、労苦を惜しまず、一生懸命に最後までやり遂げれば、不可能が可能になり、人生が好転していきます。本校では責任をもって、6年間の教育をやり遂げていく構えです」と力強く結びました。
続いて、広報部長の井出秀己先生が、同校の教育の三本柱である「哲学教育」「国際教育」「理数教育」について説明しました。
最大の特色である「哲学教育」では、中学で週1回、「哲学」の授業を必修としています。「より良く生きる」ことをテーマに自分自身と向き合い、思考を深める時間です。中1では「他者と自分について考える」、中2では「本当の自分について考える」、中3では「自分と社会のかかわりについて考える」と、学年が上がるにつれてテーマも発展していきます。こうした積み重ねを通して、他者を尊重する姿勢や、多様な価値観を受け入れる寛容さを育んでいます。
さらに、年1回実施される「哲学エッセー」では、生徒がみずから問いを立て、自分の考えを文章で表現します。優秀作品は校内コンテストで発表され、生徒同士が互いの考えに触れる機会にもなっています。井出先生は「本校には素直な生徒が多いと感じています。それは、哲学の授業を通して他者の意見にもきちんと耳を傾け、相手を思いやる心が育っている証しだと自負しています」と胸を張りました。
一方、「国際教育」では、「読む・書く・聞く・話す」の英語4技能をバランス良く伸ばそうと、少人数制授業を導入。その実践の場として用意しているのが国内で行う「English Camp」(中1・2)のほか、「カナダ修学旅行」(中3)、「アイルランドサマープログラム」(中2・3希望者)、「オランダプログラム」(高1・2希望者)といった多彩な海外プログラムです。また、東洋大学で学ぶ留学生と英語で交流する「Let's Chat in English!」(中1~高2)など、生きた英語に触れる機会も豊富です。こうした継続的な取り組みの結果、中学卒業までに約7割の生徒が英検®準2級を取得するそうです。
「理数教育」では、東洋大学との連携を活かした三つの希望制講座を開講しています。その中心となるのが、中3を対象とした課題発見講座「未来の科学者育成プロジェクト」です。東洋大学の教授・学生の指導の下、身近な自然現象をテーマに設定し、1年間かけて研究を進めます。このほか、中学生を対象に生物・地学を中心としたフィールドワークを行う「KSST Jr」、高1・2を対象に「未来の科学者育成プロジェクト」を発展させた「KSST」も実施。知的探究心を育むとともに、理数分野への興味・関心を広げています。
学習支援体制も充実しています。毎日の朝テストや指名制補習を通して自律した学習習慣の定着を図る一方、放課後自習室には大学生チューターが常駐し、生徒一人ひとりの学習をきめ細かくサポート。さらに、夏期・冬期講習を開講するほか、二つの自習室や各フロアに設けられた「スタディデッキ」など、学習に集中できる環境も整えています。
卒業後は、東洋大学への内部推薦枠が約180名分確保されていますが、多くの生徒は他大学への進学をめざしています。その割合は年々増加しており、今春の実績(既卒生を含む)は、25名が国公立大学、37名が早慶上理ICU、163名がGMARCHに合格しました。

全天候型の200mトラック付きグラウンドや四つの理科室など、充実した施設を整備。二つの自習室や各フロアの「スタディデッキ」も、生徒の学びを支えています