学校説明会レポート
普連土学園中学校
2026年7月7日(火)
自由・平等・対話・平和主義の精神を礎に、他者や社会に貢献する姿勢を育む
普連土学園は、17世紀のイギリスで誕生したキリスト教プロテスタントの一派・フレンド派によって設立された女子校です。校名「普連土」には、「普(あまね)く世界の土地に連なるように」という願いが込められています。1学年130名程度の小規模な女子校ですが、2026年春は東京大学(2名)を含む国公立大学に13名、早慶上理ICUに33名、GMARCHに82名が現役で合格するなど、すばらしい進学実績を残しています。
この日の説明会では、最初に、校長の青木直人先生が、フレンド派ならではの精神と校風について説明しました。フレンド派は、ピューリタン運動のなかでも「神の前での平等」を徹底して追求し、多数決ではなく対話による合意形成を重んじる教派です。青木先生は「本校では、フレンド派の創始者ジョージ・フォックスのことば“Let Your Lives Speak(生き方そのもので語りなさい)”を軸に、『自由』『平等』『対話』『平和主義』の四つを教育理念に据えています」と語りました。
こうした理念は、学校生活のさまざまな場面に息づいています。その象徴の一つが教壇のない教室です。「教員と生徒は役割が違うだけで、身分の上下ではない」という考えから、創立以来、すべての生徒に対して「さん」付けで呼ぶ文化が受け継がれています。
毎朝の礼拝では、「感話」と呼ばれる時間が設けられ、教員だけでなく生徒も担当制で話をします。テーマは、日々の生活で心に残った出来事や考えていることなどさまざまです。6年間で約1000回、友人たちの多様な考え方や価値観に触れることで、生徒たちは互いを尊重し、自分とは異なる意見にも耳を傾ける姿勢を育んでいきます。
また、学校で身につけた力を「自分のためだけではなく、他者や社会のために使ってほしい」という思いも、教育の根底にあります。青木先生は「お弁当をひっくり返してしまった中1生のために、高校生が片付けるだけでなく、おかずを分け与えていた姿がありました」と紹介。さらに、カンボジア支援の説明会では、定員4名に対して約20名の生徒が集まり、椅子が足りなくなると、誰一人不満を言わず床に座ったエピソードを挙げ、「誰かが損をすることを善しとしない、そういう姿をうれしく思いました」と目を細めました。
学習面については、広報部長の池田雄史先生が説明しました。特徴の一つが英語と数学の授業です。池田先生は「英語と数学は、どの進路に進むにせよ、学びの基盤となるものです」として、中1から6年間、1クラスに2名の教員がつき、苦手意識を抱かせないようていねいにサポートしているそうです。
理科教育も充実しており、高1までの4年間で合計136種類の実験・観察を体験します。その結果でしょうか、理系、特に工学系へ進学する卒業生が多いとのことです。また、高2・3では文理混合クラスを維持しながら、一人ひとりの進路に合わせて選択科目を組み立て、受講者が1人でもいれば授業を開講するなど、とてもていねいな進路指導を行っています。
世界へ視野を広げるための海外研修も充実しています。長年続くイギリス研修では、フレンド派創始者ジョージ・フォックスの足跡をたどり、建学の理念への理解を深めます。このほか、カンボジア地雷撤去支援への献金訪問、カナダ研修、ニュージーランドターム留学など、学校の理念と結び付いた多彩なプログラムが用意されています。こうした海外研修に加え、高大連携や企業とのコラボプログラムなどを通して、生徒たちは、社会との接点を広げながら、自身のキャリアや将来の生き方について考え、主体的に進路を選択していきます。

国立能楽堂や伊勢神宮の内宮神楽殿などの設計で知られる建築家・大江宏氏が手掛けた、赤い屋根が印象的な中学校舎。落ち着いた学びの環境を支えています