学校説明会レポート
聖光学院中学校
2026年6月15日(月)
問いを立てる力を養い、「時代を変革する能動者」に
聖光学院中学校高等学校は、キリスト教教育修士会を母体とする学校法人聖マリア学園によって設立された男子進学校です。“Be Gentlemen.(紳士たれ)”をモットーに、カトリックの教えに根差した全人教育に力を入れています。
説明会の冒頭、校長の工藤誠一先生は「先の見通しの立たない社会において、子どもたちには時代を変革する能動者であってほしい」と語り、同校の教育活動について説明しました。
最初に紹介したのは、生成AIを取り入れた授業です。中1では「江戸時代、あるいはそれよりもっと昔の時代の人たちに、『スマートフォンとは何か』を説明する文章を作る」という課題に挑戦。生徒たちは自分で書いた文章をAIに添削させながら、前提知識を持たない人にもきちんと伝わる説明の仕方を考えたそうです。工藤先生は「大切なのは『問いを立てる力』です。どのような指示を出せば、AIから適切な回答が得られるのかを考え、質の高い『問い』を立てられるかが、これからの時代には求められるのです」と話します。
続けて工藤先生は、その問いを立てる力を支えるのが「経験」だと述べました。聖光学院では、中1で長崎研修、中2で古都研修旅行、中3で選択総合演習(生徒自身が行き先やテーマを選んで計画する旅行行事)など、多彩な宿泊行事を設定し、生徒にさまざまな「経験」を提供しています。
「聖光塾」などの発展的な学びを通し
“ぬくもりを伝える使徒”をめざす
もう一つの取り組みが「聖光塾」です。聖光学院では「学びの天井を作らない」を掲げ、教員による教養講座や企業・研究の最前線を知るセミナーを開催しています。「先日の数学研究講座では、中1の生徒が『偏微分』に挑戦し、見事に最後まで解き切りました。学年の枠組みを超え、大学レベルの学問に触れる機会があることは本校の強みの一つです」と話します。
こうした学びを通して知的好奇心を刺激された生徒たちは、毎年難関大学へ挑戦しています。2026年度は東京大学に85人、医学部医学科にも76人がいずれも現役で合格しています。
最後に工藤先生が紹介したのは、「ぬくもりを伝える使徒となれ」ということばです。マザー・テレサは、炊き出しを行うシスターたちに「相手の目を見てほほえみ、手に触れ、短いことばを掛けるように」と伝えたそうです。工藤先生は「困っている人にぽんとスープボウルを素早く配るだけなら、ロボットのほうが適任かもしれません。しかし、相手の目を見て、手に触れ、優しいことばを掛けられるのは人間だけです。先行き不透明な時代だからこそ、人のぬくもりを大切にし、他者に施しの精神を持つ。そんな人間に育ってほしいのです」と締めくくりました。

校舎は、テニスコートを兼ねた中庭を取り囲むように配置されています。隣接の「ザビエルセンター」は自習スペースとして開放され、高3生は夜9時まで利用できます