学校説明会レポート
女子学院中学校
2026年6月26日(金)
自分自身を治める「自律」の精神と
他者のために生かす「賜物」を磨く
創立156年を迎える女子学院中学校・高等学校は、1870年に築地の居留地で産声を上げた「A六番女学校」を起源とする、日本で最も歴史あるプロテスタント系ミッションスクールの一つです。一貫して「自由」「自律」「個性尊重」を重んじる教育を実践しています。
SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生による入試分析から始まりました。合格偏差値や併願校について解説した後、広野先生は「本番では、無理だと感じたら、スパッとあきらめて次の問題へ進む切り替えが大切です。時間配分や見極めの対策は、SS特訓でしっかりと訓練しますのでご安心ください」とエールを送りました。
続いて登壇した院長の鵜﨑創先生は、同校の教育の礎であるキリスト教精神について、聖書の「タラントンのたとえ」を引用して語りました。主人から預かった財産(タラントン=才能の語源)を土の中に埋めてしまったしもべの話を通じ、「神様から預かった能力は一人ひとり異なりますが、他者と比べるのではなく、自分自身の宝物として磨き、使わなければなりません」と強調。さらに、「身につけた能力は自分の立身出世のためではなく、他者や社会のために還元することがキリスト教教育の根本です」と述べました。
体系的な探究活動と進路指導で
未来を切り開く力を身につける
同校には、いわゆる処罰のための「校則」は存在しません。鵜﨑先生は、初代院長・矢嶋楫子の「あなたがたは聖書を持っています。だから自分で自分を治めなさい」ということばを紹介し、「『何が正しいのか、どうすべきか』を自分で考え、答えを出す自主性を6年間問い続けています」と語りました。
また、同校では「話し合い」を重視しています。そこでは「他人の意見を否定せず、まずは耳を傾ける」というルールの下、中2のごてんば教室、高3の修養会や有志参加の春の修養会などで哲学的なテーマについて議論を深めます。鵜﨑先生は「自分の考えを言語化し、相手に理解してもらうために伝える力が、安心感のある環境のなかで育まれます」と、生徒たちの自治能力の成長に自信を見せました。
学習面では、リベラルアーツの考えに基づき、高2までほぼ全教科を必修としています。早い段階で文理分けは行わず、幅広く学ぶことで将来の方向転換にも耐えうる確かな「根っこ」を養います。
進路指導でも、生徒が「将来何をやりたいのか」を軸に据えたサポートに徹しています。最後に鵜﨑先生は、「社会の流行や多数決に流されず、『わたしはこう思う』と言える強い自己を形成してほしい。女子校というあえて社会とは異なる特別な環境に身を置くことで、自分のなかにあるすばらしい可能性を発見してほしい」と結び、説明会を締めくくりました。

東京メトロ有楽町線の麴町駅から徒歩3分の立地に建つ校舎。賛美歌を歌い、聖書を読み、教員や生徒による話を聞く、毎朝の礼拝から一日が始まります