学校説明会レポート
甲陽学院中学校
2026年7月4日(土)
中高別の立地だからできる
発達段階に応じた6年間の教育
来年、創立110周年を迎える甲陽学院中学校・高等学校は、関西を代表する男子進学校です。建学の精神である「桜桃梅李一時の春、英雄秀才生まるること雲のごとし」には、生徒一人ひとりが個性を生かし、それぞれの美しい花を咲かせてほしいという思いが込められています。
同校最大の特徴は、完全中高一貫校でありながら、中学と高校が別の場所にあることです。中学校アドミッション室室長の杉山恭史先生は、「中学生と高校生とでは心身の発達段階が異なるため、それぞれに適した環境で教育を行っています」と説明します。中学3年間は生活習慣や学習習慣の基礎を築く「自立」の時期と位置づけ、制服や校則を設けて礼儀や規律を重視しています。一方、高校では制服や校則を設けず、生徒がみずから判断し、責任を持って行動する「自律」の育成へと軸足を移します。
また、体育祭や文化祭、生徒会活動などを中学・高校それぞれで実施しているため、中3と高2の二度、学校のリーダーの役割を担う経験ができます。杉山先生は、「責任ある立場を経験することで、生徒は大きく成長します」と、その教育効果について語ります。高校進学時にキャンパスが変わることで、新たな気持ちで後半の3年間をスタートでき、中高一貫校で課題とされる「中だるみ」が起こりにくいことも同校ならではの特色です。
一人ひとりを見守る教育と
仲間と共に成長する学校生活
同校では、英語・国語・数学の教員を含む担任団が、中1から6年間持ち上がることを原則としており、学業面だけではなく精神面でも継続的に生徒を支えています。授業では習熟度別クラスは設けず、小テストや放課後の個別指導を通して理解度をていねいに確認し、「生徒を置き去りにしない教育」を実践しています。また、進学指導でも、生徒一人ひとりの希望を尊重し、「最後まで生徒本人の挑戦を後押しする姿勢を大切にしています」と、杉山先生は話します。
説明会の後半では、授業や学校行事の様子が写真や動画とともに紹介されました。理科では実験を重視した授業を行い、英語ではネイティブ教員による実践的な学びを展開しています。また、水泳訓練や夏の合宿、スキー合宿、語学研修など、多彩な体験学習も実施されており、教室での学びにとどまらず、さまざまな経験を通して視野を広げる機会が設けられています。体育祭や「音楽と展覧の会」と呼ばれる文化祭は、生徒が主体となって運営する伝統行事です。仲間と協力しながら一つの行事をつくり上げる経験を通して、主体性や協調性、リーダーシップを育みます。また、中高別の行事が多いなかでも、中1と高1、中2と高2が合同班を組む「耐寒登山」を実施しているのも特徴です。
最後に杉山先生は、「教育は林業に近いものだと思っています。生徒たちの50年、100年先の将来を見通し、一人ひとりが持つ力を信じながら、どうすればその力を伸ばしていけるのかを考えることが、わたしたちの役割だと考えています」と、受験生や保護者の方にメッセージを送りました。建学の精神の下、一人ひとりの個性を大切に育み、長期的な視点で生徒の成長を支える同校の教育の姿勢が伝わる説明会となりました。
