学校説明会レポート
東洋英和女学院中学部
2026年6月16日(火)
「敬神奉仕」の精神を受け継ぎ、他者のためにみずから考え行動できる人を育てる
1884年にカナダ・メソジスト教会の女性宣教師マーサ・J・カートメルによって創立された東洋英和女学院は、現在では幼稚園から大学・大学院までを擁する総合学園です。「敬神奉仕」を学院標語に掲げ、毎朝の礼拝や聖書の授業、学校行事、特別活動などを通して、高い知性と品格を備えた国際社会で活躍する人物を世界に送り出しています。
この日の説明会は、卒業生のオルガニスト・佐藤初音さんによるパイプオルガンの演奏で始まりました。続いて、あいさつに立った部長(校長)の石澤友康先生は、建学の精神を表す学院標語「敬神奉仕」について説明。このことばは聖書に由来し、「敬神」には「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」という意味が、「奉仕」には「隣人を自分のように愛しなさい」という意味が込められているそうです。石澤先生は「本校のミッションは、『敬神奉仕』の実践者、すなわち『他者のためになすべきことをみずから考え、行動できる人物』を育てることです」と語り、同校がめざす人間像を示しました。
そのミッションを実現するため、同校ではキリスト教の教えを基盤に、「国際性を養う」「タラントに気づく」「感性・教養を磨く」の三つを教育の柱に据えています。まず、「国際性を養う」では、創立当初から大切にしてきた英語教育をさらに発展させ、世界で通用する英語力の育成に取り組んでいます。オールイングリッシュの授業や質の高い教員陣を強みとしながら、授業内容も時代に合わせて進化させています。2027年度からは、カナダの大学への指定校推薦制度も始まる予定です。
次の「タラントに気づく」とは、「神が一人ひとりに授けた賜物(才能)を見つけて磨き、人のために生かす」という考え方です。石澤先生は「本校では自己を肯定する『自己理解』と、他者を尊重する『他者理解』の二つの視点を身につけてほしいと考えています」と説明。そのため、同校ではコース制を設けず、文系・理系・芸術系など、異なる進路希望を持つ生徒が同じクラスで学びます。互いの能力や意思を尊重し合いながら、多様な価値観に触れる環境を大切にしているそうです。そして、三つ目の「感性・教養を磨く」では、多感な中高時代に本物に触れる経験を重視しています。芸術や文化への理解を深め、将来、生徒たちが豊かな人生を歩むための教養を育むことをめざしています。
続いて入試広報主任の飯川厚先生が、具体的な教育の取り組みについて説明しました。英語では、中1からクラスを2分割し、中3からはグレード別の少人数授業を実施しています。ネイティブ教員による英会話では、地域や学校生活など身近なテーマを扱ったオリジナル教材を使用し、英語への苦手意識をなくす工夫をしています。また、グループワークやディスカッションも積極的に取り入れ、対話を通して表現する力を育てています。さらに、年に数回、終日英語で過ごす「English Day」や、ハロウィーン、クリスマスなどの行事に合わせたイベントも実施しています。そのように、楽しみながら英語に触れられる機会を数多く設け、語学力の向上につなげています。
海外で学ぶ機会も充実しています。中3から高2まで、希望すれば、長期休暇中にカナダ研修やオーストラリア研修に参加できるほか、2~3か月の短期留学も可能です。また、留学中に取得した単位を同校高等部の単位として認定する海外認定留学制度も利用できます。こうした取り組みの成果として、昨年、高2の生徒のGTEC®の校内平均スコアが1031点(全国平均804点)となりました。7割以上の生徒が海外留学を視野に入れられるレベルに達しているそうです。
「敬神奉仕」の精神を実践する奉仕活動も、同校が大切にしている学びの一つです。中1では、キリスト教の精神に基づいたボランティア体験学習プログラム「ディアコニア」に取り組み、車いす体験や福祉施設の訪問などを通して支援を必要としている人の立場に立ち、どのようにサポートすればよいかを考えます。飯川先生は「誰かのために行動するには、意思と知識・技術が必要です。本校ではこうした自主活動の場を多く設けています。その経験を重ねることは、『敬神奉仕』の意味を理解し、実践する力を育むだけでなく、学ぶ意思の源にもなると考えています」と話し、説明会を締めくくりました。

旧校舎時代のデザインを復元したメモリアルチャペルでは、クラス礼拝などが行われています。校内にはこのほか、パイプオルガンを備えた大講堂など、複数の礼拝施設があります