学校説明会レポート
東京学芸大学附属国際中等教育学校
2026年7月28日(火)
多様性と探究を核に、世界標準の学びで「転移可能な力」を育む
東京学芸大学附属国際中等教育学校(通称:TGUISS)は、多様なバックグラウンドを持つ人々との共生・共存や、進展する国際化社会で活躍できる人材の育成をめざす中等教育学校です。国公立校として初めて国際バカロレア(IB)の認定を受け、探究を重視した教育を行っています。
この日の説明会では、校長の雨宮真一先生が、同校の教育理念や特色ある授業、進路支援について説明しました。
同校が育てたい力として掲げているのは、「現代的な課題を読み解く力」「知識とイメージを自分で再構築する力」「対話を通して人との関係を作り出す力」「異文化への寛容性・耐性」の四つです。雨宮先生は「これら四つの力を6年間かけて養った若者が、本校を卒業した後、大学や社会で広く活躍しています」と話しました。学校には、約65の国・地域で生活した経験を持つ帰国生や外国籍の生徒が在籍。年に2回、帰国生の編入試験があるため、少しずつ帰国生が増え、高3では約半数が海外での教育経験者となります。
教育の基盤は、探究を軸としたIB(インターナショナルバカロレア)プログラムです。1~4年(中1~高1)は全員がMYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)を履修し、4年の最後には、1年をかけて探究・制作「PP(パーソナルプロジェクト)」に取り組みます。雨宮先生は「取り組んでいるプロジェクトが、自分がそれまでに学んできたこととどう関係し、社会にどのようなインパクトを与えるのかを、自分で説明する活動です」と説明。生徒たちはカードゲームの開発や立体絵画の制作など、自身の興味に沿ってさまざまなテーマに挑戦します。5・6年(高2・3)では、少人数制の「DP(ディプロマ・プログラム)コース」と「一般プログラムコース」に分かれますが、一般プログラムでもIBの良さを維持したまま、学習指導要領に沿って学びます。
授業では、知識の習得だけではなく、学んだことを別の状況や未知の課題にも応用する「転移可能な学び(概念的学び)」を重視しています。教科横断的授業(IDU)では、一つのテーマに複数の教科からアプローチします。雨宮先生は「一つの事象を一つの視点だけで見るのは十分ではないと気づく授業であり、学んだことを違うことにも転用できる力を育てる授業です」さらに、「IDUに限らず、一つ学んだことでも、ほかのさまざまなことにつなげて考えられる。そんな人材を育てることが、本校の使命だと考えています」と話します。
評価においては、課題に取り組む前に評価基準を明確に示すルーブリックを取り入れています。また、自主研究コンペ「ISSチャレンジ」には全校生徒の3分の1以上が応募し、教員のサポートを受けながら1年間にわたって研究に取り組みます。雨宮先生は「自分の好きなことを1年間、あるいは数年間かけて研究する、大変楽しく貴重な活動です」と語りました。
卒業後の進路選択については、コースによる制約はありません。今春の卒業生(121名)の進学先は、国公立大学が21%、早慶上理ICUが33%、GMARCHが11%、海外大学が6%となっています。海外大学への進学を希望する生徒に対しては、卒業生による説明会や、出願に必要なエッセイの指導なども行っています。
最後に雨宮先生は「自分が好きなものと、これまで自分が勉強してきたこととを結び付け、それが社会にどう役立つのかを考えて行動してほしいと願っています」と受検生にメッセージを送り、説明会を締めくくりました。

緑豊かな敷地には、200mトラックを備えた人工芝のターフグラウンドや中庭、二つの体育館、プール、六つの理科実験室、学習のハブとなる図書館機能を備えた「総合メディアセンター」などがあります(写真は中庭)