学校説明会レポート
明治大学付属世田谷中学校
2026年7月29日(水)
明治大学系列校化として始動。独自の「創発学」を軸とした学びで人間力を育てる
明治・大正期の思想家・教育者である杉浦重剛が1885年に創設した東京英語学校を前身とする日本学園中学校・高等学校は、男子校として長い歴史を歩んできましたが、2026年度より明治大学の系列校となり、共学化し、明治大学付属世田谷中学校・高等学校と名前を変えました。同校は「心身ともに高潔な人間」「正義を見極め、判断できる人間」「世界で活躍できる人間」の育成を軸とした人格教育を実践する一方、時代に応じた教育改革にも取り組んでいます。明治大学との連携教育も本格的に始まっています。
説明会の冒頭、校長の谷口哲郎先生は、校祖・杉浦重剛が唱えた「人は得意な道で成長すればよい」という教えに触れました。「本校では、生徒一人ひとりの『得意』に光を当てて個性を尖らせ、それを核として自信を育むことが自立につながると考えています。創立以来、140年にわたって大切に継承してきたこの理念は、明治大学の『「個」を強くする大学』という理念にも通じます」と力を込めました。
続いて、情報推進部長・広報担当の工藤さやか先生が教育内容について説明しました。同校では、杉浦重剛の教えを生かすため、2006年から独自の探究プログラム「創発学」を実施しています。これは、体験を起点に、課題発見・調査研究・発信のサイクルを繰り返し、課題発見力や問題解決力を養うというものです。工藤先生は「創発学では、中1から多様な校外学習を取り入れ、体験から得た学びを次の学習につなげることを大切にしています。試行錯誤を繰り返しながら自分の興味・関心を見つけて伸ばし、高校では学部・学科まで絞った進路選択につなげるよう指導しています。将来は、磨いた能力を発揮し、社会で役立っている実感を持ちながら生きていってほしいと願っています」と話しました。
今年度からは、「国際理解教育」「理数教育」「キャリア教育」を教育の3本柱に据え、いずれも「創発学」を基盤として学びを展開しています。
「国際理解教育」では、国内での語学研修をはじめ、中3全員が参加する2週間のオーストラリア語学研修、高1では希望者を対象としたターム留学など、学んだ英語を実際に使う機会を設けています。
「理数教育」では、中学生の希望者と明治大学理工学部の学生が協働する「3Dスキャンプロジェクト」などを実施。高2からは文理別のコースに分かれますが、文系選択者も数学Ⅱ・B・Cまで履修する文理横断型のカリキュラムを展開し、国公立大学の受験にも対応できる学力と、大学進学後に必要となる学力の両方を養います。
「キャリア教育」では、模擬裁判を体験する「法学部 法曹入門講座」や「理工学部サマーセミナー」など、明治大学と連携したプログラムを実施しています。また、中学では農業・林業・漁業といった第1次産業を体験するフィールドワークを行い、体験を通して得た学びを「創発フェスタ」で発表します。
明治大学への内部進学制度は、現在の高1生が高3になる2028年度から適用され、1学年の定員280名に対して推薦枠は200名となる予定です。進学のための学習支援も充実しており、今年6月から放課後自学自習システム「SLC(Self-Learning Center)」を導入しました。そこでは、大学生・大学院生のメンター6~8名が常駐し、学習をサポートします。一方で、学習や学校生活について相談できるメンタールームと、静かな環境で自習できるサイレントルームも整備。どちらも学期中だけではなく長期休暇中も利用できます。
最後に、2027年度中学入試について説明がありました。2月1日午前、4日午前に加え、2027年度は2月2日午後に第2回入試を新設します。試験科目は算数・理科の2科で、募集人数は20名です。理科はほかの日程より配点が高く、思考力や計算力を要する問題の割合も多くなるとのことです。入試対策には、2023年度以降の過去問に取り組むことが勧められました。
新校舎5号館の建設や既存校舎の改修などが完了しました