学校説明会レポート
東大寺学園中学校
2026年8月26日(水)
自由のなかに息づく自律の精神
創立100周年を迎えた古都の学び舎
東大寺学園中・高等学校は、奈良市の北部に位置し、緑に囲まれた静かな環境にあります。最寄り駅は近鉄京都線の「高の原」駅。学校までは、住宅街を抜け、山沿いを歩いて徒歩約20分の距離です。現在、高の原駅からはスクールバスも運行されていますが、約8割の生徒が徒歩で登校しています。校長の本郷泰弘先生は、「自然豊かな校内には昆虫も多くおり、6年間、虫取りに夢中になり、後に国立大学で昆虫学の研究者となった卒業生もいます」と、東大寺学園らしいエピソードを披露しました。
同校のルーツは、1926年に東大寺境内に開設された夜間学校「金鐘中等学校」にあります。2026年には創立100周年を迎え、記念事業として第二体育館「菁々館」を新たに建設しました。正倉院を彷彿とさせる外観と、ブルーのフロアが広がる近代的な空間が融合した、新たなシンボルとなっています。
東大寺学園を語るうえで欠かせないのが、「自由」ということばです。校則や制服がなく、生徒たちは伸び伸びと過ごしています。「何をしてもよいという意味ではありません。他者を傷つけず、お互いが楽しく過ごすにはどうすればいいのか。みずからの言動を日々考えてほしいという願いが、本校の自由の根底に流れています」と本郷先生は説明します。
学習のサポート体制も充実
勉強とクラブ活動の両方に全力で取り組む
平日の授業時間は、1限目開始の8時45分から、6限目終了の15時10分まで。原則として「7限目の授業」は行いません。放課後はクラブ活動や行事の準備に自発的に取り組む時間とし、多様な経験を通じて人間力を高めることが必要という教育方針からです。土曜日の授業で十分な学習量を確保しているため、学習時間が不足することはありません。
2021年度からは、学習支援員制度も開始。学習につまずいている生徒を対象に、英語・数学をそれぞれ週1回、放課後に100分ずつの補習を行っています。経験豊かなベテラン教員が指導しており、質問しやすいアットホームな雰囲気となっています。
長期休暇中の講習や、高2・3向けのハイレベルな講習なども充実。塾に頼らず、学校の授業と講習だけで難関大学への現役合格を果たす生徒も少なくありません。「進路指導でも、自分が心から行きたいと思う大学へ、妥協せず挑戦するように指導しています」と本郷先生。直近5年間のデータでは、校内偏差値50以上の生徒が京都大学工学部を受験した場合、その現役合格率はなんと約87%に達しているとのこと。同校での日々の学習を一生懸命にがんばることこそが、第一志望合格への最大の近道となっています。
また、勉強だけでなくクラブ活動も大切にしています。加入率は驚異の130%で、進学校でありながら活動実績も群を抜いています。中学ハンドボール部は10年以上連続して全国大会に出場。陸上競技部は、奈良市中学総合体育大会の男子総合において、驚異の16連覇中という強さです。囲碁将棋部も、中学校将棋団体戦決勝大会で2連覇を達成するなど、運動系・文化系問わず、幅広く活躍しています。
勉強はもちろん、「学校生活を楽しむ」ことを大事にする東大寺学園。多様な生徒が自然に共存していることが、同校の自由で伸び伸びとした校風を表しています。