受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

自慢の授業

本郷中学校・高等学校

「美術」

メインビジュアル

百人一首を題材に漫画を制作
国語の授業と連携し、表現力を養う

 「文武両道」「自学自習」「生活習慣の確立」の三つを教育方針に掲げる本郷中学校・高等学校。そんな同校の特色の一つが、「教科連携型」の授業を展開していることです。ここでは、国語と連携した美術の授業の様子を紹介します。また、美術を担当する森大輔先生に、授業の狙いなどを伺いました。

1年かけて行う教科連携プログラム
試行錯誤しながらネーム作業に取り組む

 本郷中学校・高等学校にはかつてデザイン科があり、著名な漫画家や芸術家を多数輩出してきました。そうした歴史的な背景もあり、同校では美術の授業が充実しており、独自のプログラムが展開されています。その一つが、国語の授業と連携した「百人一首」にちなんだ漫画制作の授業(中1)です。

 まず生徒は、1学期に国語で百人一首について学び、夏休みの課題として、百人一首のなかから一首を選び、その内容を踏まえた8コマ漫画を制作します。国語の教員が解釈や内容を確認し評価を行った後、その作品は美術の教員に引き継がれます。そして、秋以降の美術の授業では、8コマ漫画のストーリーを基に本格的なコマ割りを考え、1ページの漫画に仕上げていきます。完成は3学期末を予定しており、1年を通してじっくり取り組むプログラムとなっています。

 この日の授業は、漫画の構成を考えながら下描きを行う「ネーム作業」の2回目で、主にコマ割りを考える時間でした。まずは森大輔先生が、コマ割りのポイントについて黒板やスライドを使って説明します。「同じ場面のコマは一つにまとめる」「重要なコマは大きくして目立たせる」などの工夫をすると、紙面全体にめりはりが生まれます。また、同じ大きさや同じ向きの顔が並ぶ、いわゆる「顔漫画」にならないためには、背景を加える、顔のサイズや向きを変えるといった工夫が必要であることも紹介されました。

 授業の後半では、各自が作品の制作を進めました。まだ下描きの段階のため、鉛筆で何度も描き直しながら、どうすれば魅力的なコマ割りになるかを考えていきます。近くの席のクラスメートと意見交換を行い、他者の視点を取り入れようとする姿も見られました。

 生徒の一人は、「漫画を描くのは初めてで難しいのですが、友だちの意見も参考にしながらアイデアを練っています」と、試行錯誤しながらも充実した表情を見せていました。一方で、「国語の授業とのつながりも感じられ、漫画の内容を自由に考えられるのがとてもおもしろいです」と、制作を楽しんでいる生徒もいました。

 コマ割りが決まった生徒は、コマの中の絵の下描きに進みます。そして、思い思いに制作を行うなか、今日の授業は終了しました。

漫画の表現方法を考えることで
自分で創意工夫する姿勢を身につける

5「この授業では、試行錯誤しながら自分の完成形を見つけてほしいと思っています」と話す、美術担当の森大輔先生

 国語と連携した美術の授業について、美術を担当する森先生にお話を伺いました。8年ほど前から百人一首をテーマにした教科連携を始め、3年前から漫画制作へと発展させたそうです。「美術の授業には表現する力を伸ばすという目的がありますが、他教科の学びにもつながる授業にしたいと考えました」と、森先生は授業の狙いを語ります。

 この漫画制作では、コマ割りや表現方法の工夫に重点が置かれ、「言われたことをただ実行するのではなく、自分で創意工夫する姿勢を大切にしてほしい」と森先生は話します。なかには、自由に発想することに慣れておらず、アイデアを出すのに時間がかかる生徒もいるそうですが、「それも貴重な経験だと考えています」と説明し、生徒の様子を見ながらサポートしています。

 美術の授業では、10年以上前から数学との教科連携も行っています。「数学で立体の切断を習う前に、美術では立方体と正四面体を紙で制作する授業を行っています。自分で実際に作る経験を通して、数学への理解をより深められたらと思っています。また、完成した作品を題材に鉛筆でデッサンを行い、美術の表現力も身につけています」と森先生。このように教科連携がスムーズに進められるのは、日ごろから各教科の教員同士がコミュニケーションをとり、意見を出し合える環境が整っているからだと言います。

 最後に、森先生は受験生に次のようなメッセージを送りました。「日常生活のなかで、『なぜだろう?』と考えながら行動することを大切にしてください。あらゆることに興味を持ち、観察する習慣が、発想のヒントにつながります。そして、本郷に入学後はそれが探究力となり、さまざまな学びへと発展していくはずです」

夏休みの課題として制作した8コマ漫画を基に、コマ割りと絵を考えていきます

先生が適宜アドバイスを行います。最初はコマ割りを悩んでいた生徒も、次第に手が進むようになります

クラスメートの意見も取り入れながら、オリジナルの作品づくりに励みます

4 現在の中3が中1のときに完成させた漫画。コマ割りや絵の表現に工夫が見られます

本郷中学校・高等学校

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