受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2025年度中学受験  サピックス小学部第36期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

初志貫徹

K.Uさん お子さんの名前 Rさん

 「保護者の体験記を書けるような中学受験の終わりになればいいな」中学受験を始めた新3年生の時に頂いた保護者の体験記を読んでそう思った。当たり前だがその時はどのような結果で中学受験が終わるのか想像もついていなかったので、いざこうして保護者の体験記を書こうとしても色々な事が多すぎて何から書いていいのか正直悩んでいる。
 丸4年間にわたった息子の中学受験はSAPIX入室のきっかけとなった麻布中学校への合格を勝ち取るという最大の喜びとともに終えることが出来た。無事完走することが出来た中学受験を振り返ると、ほとんどの記憶がとても苦しく、耐え忍ぶ4年間だった気がする。
 勉強しているはずなのにテストで成果が出ない。せっかちな性格の息子は出来るはずなのに計算ミスで点数を落とす。問題文を読み間違えて誤解答する。など例を挙げればキリがない状況は6年生の11月末頃まで続いた。何より息子の中ではSAPIXへ通うことと授業がとても楽しいことが大きく、受験への危機感が中々芽生えてこず、テストで点を取ることの欲望が生まれてこなかったのが一番不安だった。SAPIXをやめたほうがいいのではないか、志望校を変えたほうがいいのではないか、中学受験自体が向いていなかったのではないか。何度も何度も考えた。それでも家族で最後まで走りきることが出来たのは、やはり麻布中学校への合格をあきらめなかったことが最大の要因だと思う。
 麻布中学校を目指す上で一番大変だったのが、麻布中学校対策に時間を非常に要することだった。過去問は4科目10年分、SSの復習や志望校対策プリントも含め、とにかく書く量がとても多い。また、記述の仕方もポイントがあり訓練が必要であった。保護者面談では先生からは息子はAタイプの問題が合うとのお話を頂いたが、麻布中学校はBタイプ。1回目の学校別サピックスオープンでは会場の雰囲気にのまれて実力が全く発揮できず、全く合格の可能性が見えない状況。麻布中学校を目指すことの難しさを痛切に感じさせられた。それでも志望校を変えることを思いとどまることが出来たのは、息子の日常の頑張りがあったからだと思う。毎日朝早く起きて小学校に行く前に基礎トレなどの勉強を欠かすことは4年生から一度もなかった。SAPIXから帰って来ての復習、塾の無い日はテキストをボロボロになるまで複数回やり直した。ここまで頑張っているのだから、結果はどうであれ麻布中学校を受験しよう。と家族で話し合いを行い、それ以降はぶれることはなかった。
 テストでの結果が出ないと、親は不安ばかりが募り苦しい気持ちになる。最後まで息子の頑張りを信じきること。テスト結果に関係なく毎日やるべきことを明確にしてコツコツと勉強を続けること。この二つが中学受験では最も大事なことだと思う。
 息子に最後まで声をかけ続け合格へ導いて頂いた先生方、本当にありがとうございました。

 前の体験記 | 男子校目次に戻る | 次の体験記 

2025年度中学入試
受験体験記
男子校女子校共学校

ページトップ このページTopへ