僕の中学受験は４勝２敗という結果で終わったが、その中でも麻布中学校への合格が分かった時、泣き叫び、抱き合うことで家族と喜びを分かち合った。それは努力が報われる瞬間だった。
　僕が麻布中学校を目指したのは４年生の頃だった。理由は説明会の動画を見て、校則の無い自由な校風や個性豊かな授業という特徴に魅了されたからである。
　その頃の僕は、テストで納得のいく点数を取っていたものの、些細なミスが多くあり、あと一歩で目標のクラスに上がれないことが幾度もあった。
　５年生になると授業でうるさくしてしまう事が増え、習った知識が習得できず復習に時間がかかってしまった上に気持ちの制御がうまくいかなくなり、点数が下がってしまった。その結果、麻布中学校を目指すことすら危うい状況となってしまった。
　６年生に入ってもテストの点数は伸び悩んでいたが、それでも後期の学校別サピックスオープン、合格力判定サピックスオープンでの点数はなんとか伸ばすことに成功した。
　そして迎えた１月。僕はこれまでやってきたＳＳ特訓や冬期講習、正月特訓などの志望校対策プリントやデータバンク、コアプラスなどの資料を総復習し、麻布中学校への対策を徹底した。また、それまで問題の一つであった気持ちの制御については、両親と話し合い、テスト前に深呼吸をすることをはじめとして様々な解決策を見いだした。
　いよいよ麻布中学校に挑む当日には、先生からの激励メッセージや両親からの手紙を見ることで、焦りや不安をしずめ、落ち着いて試験問題に取り組むことで見事合格を勝ち取ることが出来た。
　これまで、つらい時期や喜ぶ時期を通して辛抱強く支えてくれた家族、そしてサピックスの先生方、本当にありがとうございました。
　そして、今から受験に入る諸君、思い続ければ努力は必ず報われる。
　諸君の努力を待ちながら、僕はこの言葉しか言えない。
　祈・合格。