私が入室したのは一年生だった。だが一～五年生までは大した勉強をせずに運が良いと上位コースになるという調子だった。六年生になっても受験をするつもりは全くなく、友達もいる、楽しいサピックスに通っていた。サピックスに通い続けたいという思いから受験すると決めて学校の見学に初めて行ったのが六年の六月。大半の受験生と比べてとても遅いスタートだった。学校見学に行った事でやる気が出て勉強に精が出た、とは残念ながらならなかった。この頃の私は勉強よりも髪や服の方が重要だった。
　こんな中、夏休みのコースを決めるテストでは過去最低を叩き出した。それでも平気な顔で、むしろ親の目を盗んでどうサボるのかに特化してきた。ただ、先生に言われた算数テキストの「導入と基本」の六年前期全てと基礎トレをやった結果、算数を楽しめるようになった。本当に基礎トレだけは大事なので私のように六年の夏まで答えを写してやるのではなく真面目にやった方が良い。
　九月になってＳＳが始まっても私が「受験生」になる事はなかった。正直、私が「受験生」になったのは一月だ。冬期講習と正月特訓を経て私は受験生になった。そして入試一週間前になってようやくコアプラスを開き基礎知識を身につけた。また、私は恥ずかしながら一月もYouTubeを見ていた。
　そしてサピックスの問題児だった私は二月一日を迎えた。今年のフェリスの問題は私の為に作られたのではないかと疑う程楽しい問題だった。特に算数は十二分余る程できて実際自己採点の結果も一題しかミスがなかった。そして二月二日、私はフェリスの合否を大好きなサピックスで大好きな先生と見た。合格!! これで遊べるんだ～!! 結果私は二月を全勝という形で終わる事ができた。これは運が良かったとともに最後まで見放さず支えてくれた家族や先生方のおかげだ。絶対に受かるという謎の自信を持ち続けてとても楽しい受験だった。謎の自信が私を最強にした。サピックス大好き!!