母校再訪
(「25年9月号」より転載/25年8月公開)
母校再訪
上野学園中学校・高等学校
本多 飛雄さん(2025年卒業)
遠藤 礼温さん(2025年卒業)
先生との距離が近い少人数教育と
自由な環境で伸び伸びと成長できた
上野学園中学校・高等学校は、教育者の石橋藏五郎が1904年に設立した私立上野女学校を前身とする共学の進学校です。アットホームな環境の下、生徒一人ひとりの個性を重視した少人数教育で「次世代を生きる力」を伸ばそうとしています。そんな同校で夢と目標を見つけ、現在はその実現に向けて大学で学ぶ2人の卒業生に、充実した中高生時代を振り返っていただきました。
勉強一色ではない学校生活
ターム留学では3か月オーストラリアへ

本多 飛雄さん東京大学文科三類1年もともと勉強が好きで、中学生のころにウルドゥー語に興味を持ち、東京大学を志望するようになりました。現在は第三外国語として、ウルドゥー語とよく似たヒンディー語を学んでいます。
―上野学園を志望した理由を教えてください。
本多 文化祭が楽しそうで、学校の雰囲気も活気にあふれていたので、良い学校だなと思ったことがきっかけで志望しました。
遠藤 ターム留学ができるのが最大の理由でした。上野という立地や、生徒と先生の距離が近く、学習に集中できる環境も魅力に感じました。
―実際に入学して、学校の印象はいかがでしたか。
本多 入学前は校舎が都会的なビルでかっこいいという印象でした。入学後は親身に教えてくださる先生方と優しい仲間ばかりで、人との出会いに恵まれた学校だと実感しました。
遠藤 中学は1学年2クラス編成で、授業も少人数で行われることが最初は意外でしたが、きめ細かくて良いと思いました。
―クラブや委員会には所属していましたか。
本多 中高6年間、演劇部に所属しました。高校では文化祭実行委員会に入り、高2で委員長を務めました。
遠藤 クラブは鉄道部・コーラス部・英語部を兼部しました。委員会は中学では総務委員会に、高校では文化祭実行委員会に所属し、いろいろなことに挑戦しました。
校舎の15階は、2人のお気に入りの場所。東京国立博物館や国立西洋美術館などがある上野の街を一望できます
―思い出に残っているエピソードを教えてください。
本多 中3の夏、志望大学を決めるきっかけとなる出来事がありました。Google翻訳で遊んでいたときに偶然ウルドゥー語が表示され、その文字の特異な形に魅了されたのです。パキスタンや北インドで使われる言語なので、そこから南アジアについて専門的に学べる大学に興味を持ち始めました。
遠藤 ぼくは中学時代の成績が振るわず、高校では特別進学コースではなく総合進学コースで学びました。中高一貫生の友だちがほとんどいないなか、周りに認められたい一心で勉強に励んだところ、それが転換点となり、高3ではオール5を取りました。また、高1の3学期に3か月間、オーストラリアのブリスベンで学んだターム留学はとても良い思い出です。人種も言語も異なる環境で日本人のアイデンティティーについて考えさせられ、みずから挑戦する姿勢が身につきました。
本多 ターム留学にはぼくも参加しました。ホームステイをしながら現地の学校で学び、多文化主義に触れたことは貴重な経験になりました。
いつも応援してくれる先生方
大学受験のサポートも手厚い

遠藤 礼温さん上智大学外国語学部
ドイツ語学科1年中学時代は学習への意欲が低下したものの高校で挽回しました。上智大学では以前から関心を持っていた民族的迫害をテーマに、研究を進めていきます。
―今の自分につながったと思う経験はありましたか。
本多 一つ目はウルドゥー語に出合ったことで、現在の進路につながりました。二つ目は高2のときに文化祭実行委員長と演劇部長を務めた経験、さらに小学生から続けている英語ミュージカルの公演準備で多忙を極めた経験です。とても大変でしたが、周囲に支えてもらいながら乗り越え、成長できたと感じます。
遠藤 鉄道部とコーラス部で部長を務め、責任感やチームワークを学びました。そこでの経験で周りに流されない自分の軸や主体性が育ったと思います。また、ターム留学を機に勉強へのモチベーションが高まり、成績が上がったことも今の自分につながっています。
―卒業してみて感じる母校の良い点は何ですか。
本多 探究活動や校外学習、講演などにも力を入れていることです。学びの幅を広げ、好奇心を引っ張り出してくれました。自由にいろいろなことをさせてくれる環境も良かったと思います。
遠藤 中高時代を勉強一色にせず、生徒のやりたいことをとことん伸ばしてくれるところです。一方で、大学受験対策はしっかりしています。ぼくは上智大学を公募型の推薦入試で受験したのですが、きめ細かくサポートしてもらいました。
―現在通われている大学を選んだ理由は何ですか。
本多 ウルドゥー語の研究に通じるインド語インド文化の研究室があることと、教養学部の2年間は自由に学べる点に魅力を感じ、東京大学をめざしました。
遠藤 ナチスドイツのホロコーストと現代の民族的迫害の類似性を研究するために、その環境が整っている上智大学に行きたいと考えました。今は民族的迫害を教育の面から研究する準備を進めています。心の底から行きたかった大学なので、入試では面接やレポート、自己推薦書で思いを強く訴えました。
―将来の目標を聞かせてください。
遠藤 今は民族の迫害を再発させないための教育システムについて学んでいます。最終目標は国連難民高等弁務官になることです。
本多 将来は高校の先生か大学の研究者になるか、インドで仙人になるかだと言ってきましたが、大学の講議を聞いて国連もいいなと思い始めました。南アジアで活躍できる人間になりたいです。
ターム留学(高1・2希望者対象)で、休日にアクティビティーを楽しむ本多さん(右)と遠藤さん(左)
―受験生に向けてメッセージをお願いします。
本多 上野学園はやりたいことを何でも応援してくれて、高みに連れていってくれる学校です。好きなことを全力で楽しんでください。
遠藤 中学のうちから今、何をすべきかを考えながら努力するといいと思います。上野学園は生徒の意欲を高め、実力を伸ばしてくれる学校です。やる気さえあれば先生は必ずそれに応えてくれます。前向きな姿勢でいろいろなことに挑戦し、目標に向かって歩んでください。
《学校のプロフィール》
上野学園中学校・高等学校
●所在地 〒110-8642 東京都台東区東上野4-24-12
JR・東京メトロ「上野」駅より徒歩約8分、京成電鉄本線「京成上野」駅より徒歩約10分、つくばエクスプレス「浅草」駅より徒歩約12分
●TEL 03-3847-2201
●H P www.uenogakuen.ed.jp/
《Information》
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