受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「25年9月号」より転載/25年8月公開)

母校再訪

吉祥女子中学・高等学校

栁瀬 早希さん(2025年卒業)
木村 光里さん(2025年卒業)

授業もクラブも学校生活も、すべてが学びに
多彩な経験が進路と成長につながった

 吉祥女子中学・高等学校は、「社会に貢献する自立した女性の育成」を教育目標に掲げる女子進学校です。自由闊達で多様性を尊重し合う校風のなか、生徒たちは伸び伸びと学校生活を送っています。今春同校を卒業し、東京大学と東京科学大学に通う2人に、吉祥女子での思い出や魅力について詳しく語っていただきました。

自由でありながら互いを認め合う校風
クラブで部長を任された経験が今に生きる

栁瀬 早希さん東京大学 文科三類 1年将来の夢はまだ決めていませんが、教養過程で2年間多様な授業を履修できるので、じっくり考えるつもりです。今は政治学や歴史学、ゼミ形式のアメリカ政治の授業も受けています。

―吉祥女子を志望した理由を教えてください。

栁瀬 きっかけは吉祥祭(文化祭)です。明るくはつらつとした在校生と、校内の活気ある雰囲気にひかれました。生徒が出展した教室の装飾などもユーモラスでセンスが感じられ、「こんな生徒たちと学校生活を送りたい」と思い、受験しました。

木村 わたしも吉祥祭が決め手になりました。クラスやクラブごとにおそろいのTシャツを着た在校生たちが、楽しそうに会話したり記念写真を撮ったりしている様子を見て、「学校生活を満喫できそう」と感じました。

―入学後、印象に変化はありましたか。

栁瀬 入学してわかったのは、アニメやK-POP、ミュージカルなど、さまざまな分野に興味を持つ生徒がいて、それぞれの「好き」を大切にしながら、お互いを認め合う雰囲気があることです。自分の好きなことも、友だちとの交流も楽しみたいわたしにとって、居心地の良い環境でした。

木村 入学前の話ですが、入試のときに体調不良で別室受験したときに、先生方がとても親切に対応してくださり、生徒思いの温かな学校だと感じました。入学後は、グリーンコート(校庭)で友人たちと体を動かして遊ぶ機会が多く、女子だけで伸び伸びと過ごせる安心感がありました。

栁瀬さんが所属していた弓道部の活動場所であるグリーンコート。卒業後、元部員と会うたびに、高校時代を「かけがえのない仲間と出会えた貴重な時間」と実感しているそうです

―クラブ活動は何をしていましたか。印象に残っている出来事もあれば教えてください。

木村 剣道部に所属し、高2では部長を務めました。練習メニューの考案や号令をかける役割を担い、やりがいがありました。後輩の協力があってこその活動だと実感できたのも大きな学びでした。特に印象深いのは、高1のときに関東大会都予選の団体戦でベスト16に入ったこと。先鋒だったので、チームに勢いをつけたいという一心で粘り強く戦い、勝利につなげられたことがとてもうれしかったです。

栁瀬 6年間弓道部で活動し、部長も務めました。部長の仕事で個人の練習時間が限られ苦労もしましたが、その分、短時間で集中する力がつきました。また緊張しやすい性格でしたが、大きな大会への出場を重ねるうちに克服し、高2では東京都新人大会兼東日本大会東京都予選で3位に入賞することもできました。最も思い出深いのは、文化祭で弓道部部長だけが披露する「演武」に出たことです。これは、大勢の観客が見守るなか、1回だけ矢を射て、的に当てるというもの。緊迫した空気のなか、矢が的に当たった瞬間の感動は、忘れられない思い出となりました。

得意分野のある生徒がリーダーシップを発揮
進路指導では複数の教員が生徒をフォロー

木村 光里さん東京科学大学
情報理工学院 1年
将来はAIの研究をしたいと考えています。特に「場の空気を読んだ表現の仕方」などに対応できるAIがあったら便利だと感じるので、そうした開発に携わりたいです。

―お二人とも貴重な経験をしましたね。当時を振り返って、「吉祥女子らしさ」を再認識するエピソードはありますか。

木村 実は歴史部も兼部していて、吉祥祭では新撰組の「池田屋事件」を再現する展示に挑戦しました。みんなで木材を切って、“格子窓”や“御座”を本格的に仕上げる過程が楽しかったです。吉祥女子は芸術系の教科に力を入れているので、得意な生徒がリーダーシップを発揮して、授業内容からさらに発展させるところは「吉祥女子らしさ」だと思います。

栁瀬 先生方が親身になってくれるところです。進路で悩んだとき、担任の先生だけでなく、クラブの顧問や学年主任など、多くの先生が真剣に相談に乗ってくださいました。進路ガイダンスや卒業生との対話の機会も多く、東大出身の方からのアドバイスは本当に参考になりました。

―吉祥女子での経験は、進路にどう生きましたか。

栁瀬 弓道部での経験を通じて、緊張する場面でも自分をコントロールする力がつきました。以前は本番に弱かったのですが、場数を踏んだことで、大学受験でも冷静に力を発揮することができたと感じています。

木村 剣道部を6年間続けて、「継続する力」が身につきました。大学受験のときも「剣道部の6年に比べれば受験の1年は短い」と思い、がんばれました。

―現在の大学・学部を選んだ理由を教えてください。

栁瀬 詩人の石垣りんさんの作品に感銘を受けた経験から、ことばの大切さ、特に日本語への関心が強まり、文学部系の学部をめざすようになりました。東京大学文科三類を選んだのは、オープンキャンパスで実に多彩な人がおり、そういった方々と交流したいと感じたのが大きな理由です。

木村 パソコンなどの情報分野に興味があり、情報理工学系の大学を志望しました。東京科学大学に決めたのは、オープンキャンパスでAIの研究をされている教授と話す機会があり、研究内容にひかれたことから。入試は総合型選抜で受けましたが、自分でテーマを決めて1年間研究できる「理数探究」の授業で「紙飛行機の飛距離に関する研究」を行い、その成果が合格につながったのだと思います。学校でやってくれた面接対策にも助けられました。

木村さんが6年間没頭してきた剣道部の活動場所であるトレーニングルームにて。卒業後も、コーチとして「月1で通うこと」をめざし、後輩の指導を行っています

―最後に、受験生にメッセージをお願いします。

栁瀬 ぜひ吉祥祭などの行事に足を運び、生徒の雰囲気や学校の空気を肌で感じてほしいと思います。校風が自分に合うかどうかを見極める手掛かりになります。

木村 説明会や見学会に訪れ、ふだんの学校生活の様子を見てください。自分がその場にいる姿を想像しやすくなり、モチベーションが上がります。受験期の支えにもなると思います。

《学校のプロフィール》

吉祥女子中学・高等学校

所在地 〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町4-12-20
JR「西荻窪」駅より徒歩8分、西武新宿線「上石神井」駅よりバス15分「地蔵坂上」下車、徒歩8分

TEL 0422-22-8117
H P www.kichijo-joshi.jp 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

www.kichijo-joshi.jp/admission/events/

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