未来を期待される学校
(「25年10月」より転載/25年9月公開)
サレジアン国際学園世田谷中学高等学校
「本科」から発展した新プログラム
「MEDICO(メディコ)」が2026年に始動
21世紀に生きる「世界市民力」を育てる
所在地〒157-0074 東京都世田谷区大蔵2-8-1
交通東急田園都市線「用賀」駅よりスクールバス10分、小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅より徒歩20分、小田急線「成城学園前」駅、東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅、東急東横線・東急目黒線「田園調布」駅よりバス
TEL03-3416-1150
校名変更・共学化を経て、新たな歩みを進めるサレジアン国際学園世田谷中学高等学校。本科クラスではゼミを軸に生徒の思考力と探究心を深め、2026年から本格始動する「MEDICO(メディコ)」では医学やデータサイエンスを活用した学びを展開します。カトリックの理念を根幹に据え、21世紀に必要な「世界市民力」の育成をめざす同校の教育について、本科推進部部長の市橋朋之先生と、教務部部長の田中赳裕先生に伺いました。
生徒の「考え続ける力」を育てる
PBLとゼミを両輪とした本科の学び
教務部部長 田中 赳裕 先生(左)
本科推進部部長 市橋 朋之 先生(右)
広野 校名変更と共学化から3年目を迎えました。本科クラス(本科)とインターナショナルクラス(インター)の2コース制となりましたが、本科でめざしているのはどのような教育ですか。
市橋 本科の軸にあるのは「問いから始まる学び」です。「熱く探究する生徒」の育成をめざして、PBL(課題解決)型授業とゼミを両輪として探究活動を進めています。PBL型授業は、生徒の思考を刺激するトリガークエスチョンの提示から始まります。正解が一つに定まらない問いに対して、生徒は自分の考えを組み立て、それをもとにグループで議論を重ねて発表します。時には授業後の休み時間にも議論が続くほどで、本校がめざす「考え続ける力」が育っていることを実感しています。
広野 答えのない問いに向き合うのは、まさに21世紀型の学びと言えますね。
市橋 一方のゼミは、中2から高2までの4年間続く探究活動です。「自然科学」「人文社会科学」「数理情報プログラミング」の3領域にまたがる九つのゼミから生徒が所属を選び、自分の興味・関心のある内容を徹底的に深掘りします。たとえば、「AIと倫理」「気候変動と食料問題」「日本語の方言の多様性」など、テーマは分野横断的に設定されるため、異なる視点を持つ仲間や指導教員との対話を通じて、多角的な思考も育まれます。昨年度は、中高生を対象とした国際科学アイデアコンテスト「つくば Science Edge」に中2生が参加し、強い刺激を受けて帰ってきました。仲間の発表を聞いた生徒が「次は自分も挑戦したい」と意欲を燃やすなど、学びの連鎖が起きています。
広野 中学段階から専門性の高い学びが期待できますね。
市橋 ただし、いきなり探究に入るのは難しいので、中1では「プレゼミ」を設けています。テーマ設定やリサーチの仕方、議論の方法などを段階的に学び、翌年以降の本格的なゼミ活動につなげています。今年の中1は、夏休みに「フォークの新しい使い方を150個考えてくる」という自由課題にも挑戦しました。探究の第一歩は「問いを自分で磨き続ける」ことであり、そこに本科の醍醐味があると思います。
理数やデータサイエンスに特化
新プログラム「MEDICO」
MEDICOでは理数を軸とし、社会や人間の営みに迫る探究的な学びを展開します
広野 本科の学びを発展させるかたちで、2026年からは新プログラム「MEDICO」が始まるそうですね。
田中 MEDICOは本科の学びを基盤にしながら、理数系やデータサイエンス、医学・理工学に関心のある生徒に向けて設計されたプログラムです。中1では本科の生徒と共に基礎を学び、中2からは数学・理科・情報で取り出し授業を行います。カリキュラムはオリジナル設計で、生物を化学的に分析したり、身体の構造を物理学から読み解いたりと、教科横断的に複数分野をつなげた学びが展開されます。数学も単なる演習にとどまらず、現実の問題をどのように数式に落とし込むかという「応用数学」にフォーカスし、社会との接点を意識した学びへと昇華させます。
広野 指導する先生方にとっても新しいチャレンジになりそうですね。
田中 われわれ教員も日々アップデートが欠かせません。中学内容を基礎に据えながらも、高校・大学に通じる学びに接続するような授業を設計しています。問いのレベルを調整しながら、生徒の思考を引き出すのは難しいですが、互いに教え合い、学び合う姿が見えるのは本当におもしろいですね。
広野 生徒にどのように成長してほしいと考えていますか。
市橋 本科で大切にしているのは、自分の価値観を深めることです。経験から生じた感情を言語化し、過去の体験と結びつけて振り返る。これを繰り返すことで、自分の大切にしている価値観が見えてきます。それが将来のキャリアや進路選択の指針となるはずです。わたしは生徒たちに「6年後には自分なりの真理を語れる哲学者になろう」と伝えています。
田中 MEDICOでめざしているのは、社会全体の進歩にコミットできる人の育成です。職業としての専門性を発揮するだけでなく、周囲に良い影響を与え、社会に貢献できる存在になってほしいと願っています。
広野 最後に、受験生へのメッセージをお願いします。
市橋 本校は、生徒の「やりたい」という気持ちを何より大切にする学校です。小さな興味・関心でも構いません。そこから学問探究の道が広がります。考え続け、探究し続けることを楽しめる方に来ていただきたいと思います。
田中 本科でもMEDICOでも、意欲ある生徒に応える学びを用意しています。2026年度も、算数・理科の2科目による「MEDICO入試」を実施しますので、ぜひチャレンジしてください。
ONE POINT CHECK サピックスのワンポイントチェック
本科、インターの両クラスが目標としているのは、21世紀に活躍できる「世界市民力の育成」です。本科の魅力は、ゼミを軸に「考え続ける力」を育む探究型の学び。生徒たちはみずから設定したテーマに沿って探究活動を重ね、外部コンテストや研究発表にも積極的に参加しています。2026年度にはMEDICOも始動し、知的好奇心旺盛なお子さんにとって、学びの可能性が大きく広がりそうです。
INFORMATION
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