自分たちで考え、新たな試みも

鎌倉の竹林と夜空をイメージした門が来場者を迎えます。多くの小学生が楽しそうに入場していきます
6月7日(土)と8日(日)の両日、鎌倉学園中学校・高等学校で第63回学園祭(星月祭)が行われました。鎌倉五山筆頭の建長寺に隣接する学校周辺はアジサイの名所で、見ごろとなるこの季節は毎年多くの参拝客が観賞に訪れます。晴天に恵まれた初日、北鎌倉駅から同校へと続く道を、たくさんの人が歩いていきます。

開会式であいさつする学園祭実行委員長(生徒会長)の佐々木智悠さん。「本当のいい男とは、この学園祭を楽しみ、来場者も楽しませる男」と堂々と宣言
学校に到着すると、鎌倉の竹林と夜空をモチーフにして飾り立てられた門が出迎えてくれました。門には竹が添えられ、夜空の部分に力強く書かれている文字は「月光」です。今年のスローガン「Moon Light(月光)」に込めた思いについて、学園祭実行委員長・生徒会長の佐々木智悠さんは、「月は太陽の光を受けて輝いています。輝く月は、来場者が見て楽しんでくれるこの星月祭で、それを照らしている太陽は、ぼくたち生徒による、ここまでの企画や準備、そして情熱です」と説明します。
今年の見どころについて佐々木さんは、「屋外の飲食店が増えたので、にぎわいと盛り上がりを楽しんでほしいです。それに伴って、グラウンドにブルーシートを敷き、飲食スペースを設けました」と話します。改善点などについて聞くと、「飲食スペースの拡充によって、テントの配置や列の動線などは一から考えて準備しました。また、昨年は紙のパンフレットがなかったのですが、今年は来場者の利便性を考えて、簡易版リーフレットを作成して配布します。新しいことをやるとなると、昨年の引き継ぎ書を読むだけでは実現できないことも多かったので、自分たちできちんと考えることの大切さを実感しました」と語ってくれました。
グラウンドに設けた飲食スペースは憩いの場に

テントが増設された屋外飲食エリアは大盛況で行列が絶えません。焼き鳥店は大忙しです
増設された屋外飲食エリアは大盛況です。焼き鳥・焼きそば・たこ焼きなどのおいしそうな匂いに誘われた来場者であふれ、大行列ができていました。今年からグラウンドにブルーシートを敷いて設けられた飲食スペースも多くの人が利用し、ピクニック気分で飲食を楽しんでいました。校舎内にも、チョコバナナ・クレープ・団子など、おいしそうな食べ物屋が多数出店しています。
佐々木さんの話にあった簡易版リーフレットは、持ち歩きにとても便利です。そのリーフレットで大アリーナのタイムテーブルを確認し、吹奏楽部が始まる時間に合わせて移動しました。受付の部員に見どころを聞くと、「部員数が増えたので力強さです」と答えてくれました。J-POPやゲーム音楽も演奏され、観客を楽しませてくれるステージでした。その後は軽音楽部もライブ演奏を披露。2日間を通して多くのダンスチームや音楽グループ、さらには教員のバンドも登場し、アリーナを盛り上げます。
校舎内に戻って向かったのは、今年からの新企画「歴代校長展」です。歴代校長の写真がずらりと並び、各校長のエピソードが紹介されています。そこへ前校長の松下伸広先生が登場し、「握手会」が始まりました。松下先生との記念撮影や談笑が続き、和やかな雰囲気の企画展となりました。

今年からグラウンドに設けられた飲食スペース。家族でゆっくりとくつろげる憩いの場所となりました

部員数が増え、力強い演奏で観客を魅了した吹奏楽部

新企画展「歴代校長展」に前校長の松下先生が登場し、和やかな握手会が始まりました
鎌学生らしさを発揮して来場者を楽しませる

今年のジオラマは四国の駅や街を再現。レトロな駅名板なども展示され、大人も楽しめます
鉄道研究同好会の展示は今年も大人気です。入り口(改札)で受け取った「鎌倉学園駅」行きの切符に、駅員役の生徒が昔なつかしい改札ばさみで切り込みを入れてくれます。今年のジオラマはJR四国にフォーカスしたそうで、JR高知駅や、松山市の街が再現されていました。発車メロディー体験、スイッチを押して模型の列車を動かす運転体験は小学生たちに大人気でした。
飲食スペースとしてにぎわっていたグラウンドは、14時ごろになるとテントやブルーシートが手際よく撤収され、応援団の演舞に備えます。グラウンドの周りにはたくさんのオーディエンスが集まってきました。そしてお待ちかねの応援団が定刻どおりに登場。一見すると硬派な団長による、ユーモアを交えたあいさつに笑いが起きます。演舞が始まると、応援団の勇ましい声と姿に大きな拍手が送られました。吹奏楽部の迫力ある演奏も見事です。応援されたい人を募ると多くの人が手を挙げてアピール。選ばれた人に向けて「フレー、フレー、○○さん!」と応援します。最後は「フレー、フレー、皆さん!」と来場者全員に熱いエールを送ってくれました。
飲食店の増設や屋外飲食スペースの新設など、新しい試みに挑戦した今年の星月祭。鎌学生らしさを発揮して来場者を楽しませようという生徒たちの情熱が感じられる一日となりました。

生物部の展示も毎年大人気。正解すると金魚やメダカがもらえるクイズに小学生たちが真剣に回答していました

アメリカンフットボール部の部員が、小学生にボールの投げ方を指導。一投ごとに上達していきます

伝統を受け継ぐ応援団が、今年も全力の演舞を披露。この姿にあこがれた小学生もいたことでしょう