スクール情報
(「25年12月号」より転載/25年11月公開)
慶應義塾普通部 第97回労作展▶ 9月27日(土)・28日(日)
生徒たちの熱意あふれる
創作や研究成果を発表
開場時刻の10時を過ぎると、来場者が次々と校舎に入っていきました
今回で第97回となる「労作展(労作展覧会)」は、慶應義塾普通部の伝統行事です。同校の教育方針「労作教育」とは、時間を惜しまずに心身を思う存分に活動させて、そのなかでみずから考え、自主的な選択や決定ができるようにするための取り組みのこと。この教育方針を最も体現する場が「労作展」であり、生徒が自由にテーマを設定し、創作や研究に打ち込み、その成果を発表します。
今年は9月27日と28日に一般公開されました。編集部が訪れたのは、初日の27日です。開門前から多くの受験生とその保護者が並び、入場を心待ちにする様子が見られました。10時の開場とともに、来場者は正門前の受付テントで手続きを済ませ、校舎内へと入っていきます。
本館2階には1年生、本校舎2階には2年生、3階には3年生の教室があり、クラスごとに生徒たちの作品を自由に見ることができます。国語科、数学科、理科、社会科、英語科、書道科、音楽科、美術科、技術家庭科、保健体育科など、生徒が取り組むジャンルは幅広く、各教科ごとに優秀作品には賞が与えられます。
教室に入ると、書道や美術作品、精巧な模型、自作の小説など、思いの込もった作品がずらりと並び、来場者の「すごい!」「よくできているね」といった感嘆の声があちこちから聞こえてきました。作品に添えられた制作日誌には、そのテーマを選んだ理由や制作過程での工夫などが詳しく記載されています。来場者はその一つひとつをじっくりと読み、生徒たちの自由な発想と熱心な取り組みに驚いた様子でした。
靴下の製造過程で出る端切れ「くつした輪っか」を再利用して編み上げた東京タワー
技術家庭科で賞を受賞した1年生の生徒は、靴下製造の過程で発生する端材「くつした輪っか」を利用して、東京タワーを編み上げました。同じく1年生の受賞者のなかには、「ルービックキューブをプログラミングで解く」という数学科のテーマに取り組んだ生徒もいました。美術科で賞を受賞した2年生の生徒は、点のみで描く「点描画」で、大阪城・名古屋城・松山城を見事に表現していました。
3年生の教室には、これまでの経験を生かしたさらに高度な作品が並びます。1年生のときから、フィンランドの伝統的な工芸品「ヒンメリ」の作品を作り続けている生徒は、今年は材料となる藁(わら)を育てるところから始め、美術科で賞を受賞しました。時間を惜しまずにやりたいことを追究する姿勢は、まさに「労作教育」の精神そのものです。
生徒の作品展示のほかにも、地理・GIS研究会による「Nゲージ走行体験・活動展示」や、星と石の会による「化石・鉱物・天体写真の展示」、演劇・映画の会の公演、合気道部の演武会、剣道部・野球部の招待試合、ラグビー部の体験教室などが行われました。28日には、音楽科によるコンサートや、バドミントン部・弓道部の招待試合、空手部の演武会なども実施。また、両日ともに学校生活や入試についての質問コーナーが設けられ、生協ではオリジナルグッズが販売されました。
労作展当日は、本館1階にある南食堂を来校者も利用でき、カレーやラーメン、麻婆丼といった学食メニューを楽しむ親子の姿が多く見られました。受験生たちは学校の雰囲気に触れながら、「入学したら自分もこんな研究や作品づくりに挑戦してみたい」と期待を膨らませたことでしょう。
ビー玉が勢いよく転がるダンボール作品の仕掛けに、小学生たちは興味津々でした
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フィンランドの伝統的工芸品「ヒンメリ」を、材料の藁づくりから始めて完成させた作品
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技術家庭科の作品で「傘についた雫を除去する装置」
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江戸時代の制作方法を再現した「茶運び人形」。3年間、同じテーマで取り組んできた3年生による集大成の作品です
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「Raspberry Pi」で作られたイラストプリンター。来場者が実際に操作を体験していました
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刷毛1本でサッカーを表現した美術作品。躍動感あふれる仕上がりになっています
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3Dクロスステッチで作られたカップ麺。細部まで精巧に再現されていて、まるで本物のようです
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物理・GIS研究会は「Nゲージ走行体験」を実施。整理券が配布され、小学生たちが自分の順番を楽しみに待っていました
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小体育館で行われた合気道部の演武会は、立ち見が出るほど多くの観客でにぎわいました
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| カレーやラーメンなど、学食メニューを味わえるのも労作展の楽しみの一つです | |
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フィンランドの伝統的工芸品「ヒンメリ」を、材料の藁づくりから始めて完成させた作品
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3Dクロスステッチで作られたカップ麺。細部まで精巧に再現されていて、まるで本物のようです
物理・GIS研究会は「Nゲージ走行体験」を実施。整理券が配布され、小学生たちが自分の順番を楽しみに待っていました
小体育館で行われた合気道部の演武会は、立ち見が出るほど多くの観客でにぎわいました











