スクール情報
(「25年12月号」より転載/25年11月公開)
桜蔭中学校高等学校 文化祭▶ 9月27日(土)・28日(日)
温め続けたアイデアを実現
生徒の夢と理想を詰め込んだ
きらめくような2日間
来場者は受付で色分けされたリストバンドを受け取り、見える場所に装着してから校内に入るシステムです
記録的な猛暑が続き、まだまだきつい日差しが降り注いでいた9月の終わり。その暑さにも負けないほどの熱量で、桜蔭中学校高等学校の一大イベントである文化祭が開催されました。
今年のテーマは「Utopia」です。“理想郷”を意味するこの一語には、「文化祭を自分たちの理想を実現する場にしたい」という生徒たちの気概が込められています。また、キャッチフレーズには「あの日描いた夢の世界」を選定しました。時にはぶつかり合いながらも、半年間にわたって準備に奔走し、それぞれの企画に磨きをかけ、本番を迎えました。
同校の校舎は、本館、西館、東館、講堂の4棟で構成されています。なかでも特別教室が連なる東館は、2023年9月に建て替えられたばかり。工事とコロナ禍による企画の制限が重なったため、新たな東館を使って行う文化祭は今回が2回目です。
その東館の1・2階には、さまざまな模擬店が並んでいます。注目は料理部のレストラン「櫻明館」です。こちらは整理券制で、風味豊かな手作りのバターチキンカレーとハヤシライスを提供しています。メニューが明治時代に生まれた洋食のため、客席の装飾も当時を模したレトロ調です。味はもちろん、雰囲気まで楽しんでほしいという部員の思いが伝わってきます。
さて、桜蔭といえば、理数系を志望する生徒が多数を占めることでも有名です。そんな校風を反映しているのが、東館に広がる理科系クラブのエリア「サイエンスストリート」です。
生物部は飼育中のウーパールーパーなどの展示に加え、カエルの解剖動画を上映しました。化学部は鮮やかな手つきで各種の演示実験を行い、身近な化学反応の仕組みを解き明かしています。物理部のからくりやロボットなどが動き出すと、見守る来場者も大興奮。数学部はオリジナル問題を多数用意しており、仲良くプリントに向かう親子連れの姿も見られました。天文気象部の企画は、展示とプラネタリウム講演の2本立てで、特に部員がライブ解説を行うプラネタリウムは、整理券がすぐになくなってしまうほどの人気ぶりでした。
一方、文化系のクラブは、西館で「文化横丁」を開設しています。手芸部の区画はひときわ華やかです。「スイーツ」をテーマにした色とりどりの小物やドレスであふれており、まさに「夢の世界」といった趣です。書道部の凛とした区画も好評です。美しい手跡の作品からは、一心に筆を運ぶ部員の姿が目に浮かびます。社会科部は「万博の歴史」についての展示と、教室内でのディベートを実施。議題の是非について二手に分かれ、熱い討論を繰り広げました。ほかにもボランティア部による手話の紹介や、新聞部の「昭和百年」に関するコラムなど、多彩な企画がめじろ押し。どのコーナーも見応え十分で、桜蔭生の探究力の高さがうかがえました。
さらに公演やイベント、来場者参加型の企画なども見逃せません。講堂のステージでは、ダンス部や管弦楽部、演劇部などが、堂々たるパフォーマンスを披露しました。本館2階には茶道部が優雅な茶席を設けたほか、西館ロビーの「高校生徒会縁日」は、射的やヨーヨー釣りを楽しむ人々であふれていました。二つの体育館ではバレーボール部などが試合を行っており、校内はどこをのぞいてもお祭りムード一色です。
ちなみに一般区分で文化祭を観覧するには、事前ウェブ予約が必須です。これは混雑を緩和するためで、午前と午後で入場者も入れ替えています。それでも終日、校内は大にぎわい。未来の桜蔭生もたくさん集まり、景品付きスタンプラリーにも挑戦していました。熱気に包まれたこの2日間は、送り手と受け手の心のなかに、いつまでも残り続けることでしょう。
生物部による演示実験、アフリカツメガエルの解剖動画には大人も見入っていました
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細かく動き回る物理部ロボット班の子犬のようなロボット
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美術部のテーマ「妖」を象徴する大型のキツネのオブジェ
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手芸部のマカロンタワーとレースのチョウを散りばめたドレス
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「虹」をテーマにしたエモーショナルな写真部の作品
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ボランティア部では実際に点字器に触れることもできます
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参加団体対抗のポスター大賞は、総得票数によって決定します
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中1の夏の校外学習「浅間山荘合宿」を振り返るコーナー
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週1回のクラブ活動を行っている卓球Ⅰの校内試合
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子どもたちに人気だった、中学有志によるミニゲーム「わたしとわにとボール」
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