スクール情報
(「26年1月号」より転載/25年12月公開)
慶應義塾中等部 展覧会▶ 11月8日(土)・9日(日)
充実した日々を送る
中等部生の「今」に触れられる貴重な2日間
各展示へと誘導する色鮮やかな垂れ幕も楽しい展覧会。多くのOB・OGの姿も見られました
木々が色づき始めた11月8日と9日に、慶應義塾中等部の「展覧会」が開催されました。校内見学の機会が限られている同校の施設や生徒の様子を間近で見られる貴重な2日間とあって、例年、多くの受験生と保護者の方が来場します。
編集部が訪れた8日も、開場の12時に合わせて大勢の来場者が並んでいました。門が開くと、スタッフの案内で受付のある校庭へと進みます。器楽部による華やかなファンファーレが響き渡り、いよいよ2025年の展覧会がスタートしました。校則がなく、服装も自由な同校ですが、この日は全生徒が基準服を着用していました。
校舎の2〜4階には学年ごとの展示コーナーが設けられています。4階の「1年生学年の部屋」には、クラス紹介ポスターや、7月の林間学校で訪れた斑尾高原周辺を研究・調査してまとめた絵・レポート・ミニジオラマが並んでいます。なかでもクラス紹介ポスターからは、担任の先生を「〇〇さん」と呼ぶ独特の文化があることがわかり、生徒と先生の距離の近さを象徴していました。
器楽部による華やかなファンファーレ。多くの来場者に見守られ、今年の展覧会の幕が開けました
隣の教室では校友会・運動部の展示が行われていました。同校では、部活動に当たる校友会活動を学業と並ぶ大切なものと位置づけています。活動は原則として週3日以内で、運動部と学芸部を兼部する生徒も多いとのこと。現在17ある運動部のなかから、ラグビー部・バスケットボール部・野球部などのユニホームや歴代トロフィーが展示され、活発に活動している様子が伝わってきました。
3階には馬術部と山岳部の展示もありました。全国的にも珍しい中等部の馬術部は、日吉の慶應義塾大学の馬場で、大学生やOB・OGの指導を受けながら活動しています。乗馬用具の展示のほか、先着10名限定の馬毛チャーム作りや、練習用木馬の体験コーナーも人気を集めていました。山岳部の教室では、暗幕と緑のイルミネーションで“夜の山中”を再現。来場者はヘッドライトを装着し、展示ポスターやテントを見て歩きました。
馬術部では、練習用の木馬も展示。実際にまたがることができました
同じ階の模型部の展示では、鉄道模型が子どもたちに大人気。軽快に線路を走る列車に夢中になっている小学生の姿が多く見られました。また、中3の選択授業に関する展示「ミツバチの世界へようこそ!」では、実際に生徒たちが養蜂で使用した巣箱や、収穫したハチミツを展示。そのハチミツを使用して、家庭科室でティーサービスを行った料理と手芸の会と、体育館の和室でお点前を披露した茶道部は、整理券が即完売するほどの盛況ぶりでした。
2020年からSDGsへの取り組みに力を入れる同校の活動が最も伝わってきたのは、社会研究会の展示です。クリアホルダーやコンタクトレンズの空ケースなど、さまざまなアイテムのリサイクルについて研究したポスター展示や、同校で実際に運用中の文房具リサイクルBOXの紹介があり、本格的に活動している様子がうかがえました。
3階の大教室では、近代劇研究会マジック班が、軽快な音楽に合わせて鮮やかなマジックを披露。2階の化学実験室では化学研究会による炎色反応や過酸化水素水を使った実験が行われ、小学生たちが興味津々で見入っていました。
一方、隣接する慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホールでは、中等部の学校説明会が開催され、午前・午後の回ともに満席に。中等部部長の松本守先生のあいさつに続き、生徒の日々を紹介する動画も上映されました。
展覧会は中等部3学年のみの開催ですが、日々の学びや校友会活動への思いを来場者に伝えたいという生徒たちの熱意が随所に表れ、どの展示も見応え十分。受験生にとって、中等部の「今」を感じられる貴重な機会となりました。
フェンシング部をはじめ、珍しい校友会(クラブ)があるのも中等部の特徴です。野球部のユニホームやトロフィーも展示されていました
「1年生学年の部屋」の展示。林間学校で訪れた斑尾高原周辺の地形・動植物・歴史・文学などを研究・調査し、その成果をさまざまな形で表現しました
プラモデルやジオラマなど、さまざまな模型を展示する模型部。最も人気を集めていたのは、来場者も操作可能な鉄道模型でした
選択授業で行われた養蜂で収穫したハチミツ。不要なステンレスボトルとの交換で持ち帰ることも可能に
化学研究会による、炎色反応の演示。長く観察できるように、水溶液を浸したメラミンスポンジを燃やすという工夫がされていました
隣接する慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホールで開催された学校説明会。休日ということもあり、多くの受験生と保護者の方が参加しました
中3の選択授業「ものづくり×SDGs」の受講者が、自分が達成したいSDGsの目標をテーマに立体作品を制作
生徒会では、「中等部ならではの珍しいことは?」といった生徒へのアンケート結果も展示
生徒と先生の距離の近さが、美術部による担任の似顔絵からも伝わってきます
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