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長谷川 誠也さん
(2020年3月卒業)
慶應義塾大学大学院 理工学研究科
総合デザイン工学専攻 博士課程1年慶應義塾大学理工学部応用化学科を卒業後、現在は大学院で貝殻の構造を応用した素材研究に取り組んでいます。また、早稲田大学の嘱託研究員も兼務し、異なる環境で経験を積みながら研究の幅を広げています。英語での論文執筆にも励み、研究成果を国内外に発信しています。
文化祭で体感した
理科教育の充実ぶりが
都市大付属を志望する決め手に
―現在、大学院ではどのような研究をされていますか。
長谷川 食べ物としてではなく、「素材」としての貝殻を研究しています。ナノメートル(1メートルの10億分の1)という非常に小さなスケールで貝殻を観察し、その構造や仕組みを解析するのです。特に、光を透過する希少な貝殻の構造に着目し、その仕組みを応用して透明な炭酸カルシウムを生成する手法を探っています。炭酸カルシウムはCO₂を利用して製造できるため、資源の有効活用や環境負荷の低減にも寄与できる可能性があり、その実用化をめざして研究を進めています。
―都市大付属を志望したきっかけを教えてください。
長谷川 6年生のとき、文化祭を訪れたことがきっかけです。まず驚いたのが理科室の多さです。そこで、さまざまな実験や展示が行われている様子にわくわくし、「この学校なら楽しそうだ」と直感しました。生物研究部やエレクトロニクス研究部といった理系のクラブも充実していて、授業も実験が多いと聞き、とても魅力を感じました。機能的かつゆとりのある校舎はとてもきれいで、快適な学習環境が整っていたことも魅力でした。
失敗を恐れずに挑んだ文化祭の企画
その経験が今の自信につながった
―中高6年間で思い出に残っている行事はありますか。
長谷川 中3~高2の文化祭です。美術部に所属し、部員が少なかったことから3年間、部長を務めていたのですが、「展示だけでは物足りない」と思い、文化祭で模擬店を出店することを提案しました。企画したのは、陶芸用の窯でプリンやピザを焼くという異色の内容です。生地をこねる作業はまるで陶芸のようで、美術とも通じるところを感じましたね。部員だけでは手が足りず、友人にも協力してもらいながら準備を進めたことも良い思い出です。当日はとても盛り上がりました。
ただ、採算を度外視して進めてしまったため、好評を得たものの、大赤字になってしまいました。ほかのクラブの利益で穴埋めしてもらうことになり、先生にはかなり叱られました(笑)。それでも、失敗を含めてこうした挑戦を自由にさせてもらえるのが都市大付属の良さだと思います。みずから企画し、周囲を巻き込みながら最後までやり遂げる力が身についたと感じています。
―学習面ではいかがですか。
長谷川 勉強にも全力で取り組む「文武両道」の校風だったので、周囲に刺激を受けながら努力を続けました。中3からはアドバンストコースに在籍し、周囲の生徒が勉強熱心だったことに刺激を受け、自分も負けないようにがんばりました。そのかいもあって、中3で成績が大きく伸び、高校入学後は学内の奨学金をいただくことになりました。さらに高3では、総合成績1位の生徒に贈られる「理事長賞」を受賞することができ、このことは特に心に残っています。
―学校全体の雰囲気や、先生方とのかかわりはいかがでしたか。
長谷川 伸び伸びとした雰囲気の学校でした。「やるべきことをきちんとやっていれば、いろいろなことに挑戦していい」という空気があり、生徒の自主性を尊重してくれていたと思います。
進路についても、多くの先生に相談しました。面談でじっくり話すというより、廊下で先生をつかまえて、「こんなことをやってみたいのですが、お勧めはありますか」といった漠然とした相談をすることが多かったですね。「何を言っているかわからない」と笑われながらも、そうして会話を重ねるなかで、自分の進路を考えていきました。先生との距離が近く、気軽に相談できる雰囲気があったのは、とても良かったと思います。親身になって話を聞いてくれる先生もいれば、「そこは自分で考えよう」とあえて突き放してくれる先生もいました。厳しさと優しさ、その両方を持った先生方がいたからこそ、信頼できる先生に相談しながら成長できる環境になっていたのだと感じています。
「中期修了論文」での対話から
考えを深める楽しさを知る
―印象に残っている授業やカリキュラムはありますか。
長谷川 高1で取り組んだ「中期修了論文」です。自分でテーマを決め、その分野に詳しい先生の指導を受けながら論文を書き上げるプログラムでした。ぼくは理系のテーマを選びましたが、内容そのもの以上に、「なぜそう考えるのか」「どう検証するのか」と、先生と対話を重ねながら考えを深めていく過程が、とても勉強になりました。今、大学院で研究に取り組む際にも、その経験が土台になっていると感じます。
―慶應義塾大学理工学部に進学した理由を教えてください。
長谷川 もともと理系科目が好きでしたが、高2で化学のおもしろさに強くひかれ、「挑戦するならより高いレベルで学びたい」と考え、慶應義塾大学を志望しました。そのまま大学院に進み、現在も研究を続けています。来年にはドイツへの研究留学も予定しており、研究をさらに発展させるとともに、新たな環境で多くのことを吸収したいと思っています。
都市大付属には、「自分で考え、自分で進める」という考えが根づいています。興味を持ったことをみずから掘り下げて研究し、その成果を発表する機会が、中高6年間で数多くありました。その経験が、今の研究生活にも大きくつながっていると思います。
―最後に、受験生へのメッセージをお願いします。
長谷川 都市大付属は、実験や体験を通して学ぶことが好きな人には、本当にお勧めできる学校です。施設も充実していて、中1から週1回の科学実験があるなど、実際に手を動かしながら学ぶ機会が豊富にあります。理科が好きな人にとっては、とても恵まれた環境だと思います。受験勉強はもちろん大切ですが、小学生のうちに、自分が夢中になれるものを一つでも見つけておいてください。山へ行く、海へ行く、博物館へ行くなど、どんな体験でも構いません。興味の幅が広がると、勉強への向き合い方も変わりますし、「将来、何を学びたいか」も見えてきます。都市大付属なら、そうした興味を大切にしながら、充実した6年間を過ごせると思います。