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スクールファイル

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2025年10月号から転載/2026年6月改訂

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森村学園中等部・高等部

ソーシャル・アントレプレナーシップを軸に
「世界に伍す若者の育成」をめざす

建学の精神に「独立自営」を掲げる森村学園では、創立者である実業家・森村市左衛門の思いを受け継ぎ、社会貢献を目的とした起業家精神を養うキャリア教育や、欧米の母語教育の手法を取り入れた「ランゲージ・アーツ」の授業など、独自の取り組みを行っています。その具体的な内容について、校長の岡真由美先生に伺いました。

森村学園中等部・高等部 校舎写真

確かな学力と、どんな環境でも
生きていける力を育む

校長 岡 真由美 先生

校長 岡 真由美 先生

広野 まずは貴校の沿革について教えてください。

本校は、創立者・森村市左衛門によって1910年に設立されました。市左衛門は、明治時代に民間で初めての日米貿易事業会社を立ち上げ、大正時代にかけて日本の経済を支えた実業家です。困難な状況にあっても挑戦を続け、道を切り開いてきた「独立自営」の思いを建学の精神に、市左衛門の人生哲学である「正直・親切・勤勉」を校訓に据え、その教えを今も大切に継承しています。

広野 岡先生は、これまでの約30年間、家庭科教員として勤務されてきました。長きにわたって学校にかかわってきた経験から、貴校の強みはどこにあるとお考えですか。

大学受験に対応できる確かな学力を伸ばすことはもちろん、技術・家庭科や芸術、保健体育など、実技科目にも力を入れている点です。わたしは家庭科の教員ですが、家庭科は衣食住はもちろんのこと、家族関係や福祉、消費行動と資産形成など、自分らしく生きるために欠かせない学びであふれています。本校では、どんな環境にも対応できる“生きる力”の獲得を大切にしています。後に振り返ったときに「森村での経験が役に立った」と思ってもらえるよう、生徒の人生の糧となるような教育機会を提供したいと考えています。

生徒の目を世界や社会に向ける
森村独自の教育活動

広野 創立者の生涯には、アントレプレナーシップや国際的視野の涵養など、現代の教育に通じる要素が多分に含まれていますね。

はい。本校では、若き日の市左衛門がなぜ世界に目を向けるようになったか、成功に至るまでにどのような苦労があったかを知ることで、校訓や建学の精神の真の意味を理解するきっかけにしてほしいと考え、中1を対象に「森村市左衛門研究」を行っています。

日本の金貨が不当な比率で海外に流出することを重大な社会課題ととらえ、その改善に奔走した市左衛門の行動理念は、今でいう「ソーシャル・アントレプレナーシップ」そのものです。これからの時代には、ただの営利主義ではない、社会貢献の視点を持った起業家精神が必要不可欠です。今後は、企業や卒業生の協力を仰ぎ、このソーシャル・アントレプレナーシップの概念を、中2の「職業体験」をはじめとしたさまざまなキャリア教育に取り入れたいと考えています。

広野 国際教育にも力を入れていらっしゃいますね。

本学園の創立の目的の一つに「世界に伍す若者の育成」があります。校歌の一節にも「大和錦の織りばえを 外国(とつくに)までもしめさまし」とあるように、国際教育は、学園創立以来、大切にしてきた教育の柱の一つです。英語力のみならず、世界を俯瞰(ふかん)的にとらえる視点も育てていくことが、われわれの使命だと考えています。

広野 それらを具現化する取り組みとして、どのようなことを実践されていますか。

たとえば中1・2の英語は、オールイングリッシュで行う「EEルート」と、日本語を使って基礎から学ぶ「通常ルート」に分けた「ルート別授業」を展開しています。どちらのクラスも20名前後の少人数で授業を行い、一人ひとりの学力に合わせた指導で、生きた英語力を身につけます。

また、カフェテリアでは、海外の食文化を紹介する「多文化ごはん」を定期開催しているほか、校内に世界の民族衣装を展示するなど、異文化に触れる機会を日常のなかにちりばめているのも特徴です。生活に身近な「食」や「衣」をきっかけにして、生徒の目を世界に向けさせたいと考えています。

中1「市左衛門研究」での市左衛門と北里柴三郎に関する講演会の様子。2026年度からはさらに森村グループであるTOTO、ノリタケ、NGK(旧日本ガイシ)などの企業と連携した教育活動がスタートします。

中1「市左衛門研究」での市左衛門と北里柴三郎に関する講演会の様子。2026年度からはさらに森村グループであるTOTO、ノリタケ、NGK(旧日本ガイシ)などの企業と連携した教育活動がスタートします。

社会に通用するスキルを育てる
ランゲージ・アーツも強み

サピックス小学部 教育事業本部 本部長 広野 雅明

サピックス教育事業本部 本部長
広野 雅明

広野 「ランゲージ・アーツ(言語技術)」も貴校の特色ある取り組みの一つですね。

これは、欧米で行われている母語教育をベースとしたプログラムで、中等部のすべての学年を対象に、週2時間の連続授業を実施しています。その内容は、作文やディスカッション、ディベートを通じて、論理的な文章構造を学ぶというもの。自分の主義主張を論理立てて相手に伝えることはもちろん、海外の直接的なコミュニケーションと、日本独特の婉曲(えんきょく)的なコミュニケーションの違いについても学習し、人間関係の構築に必要な表現方法とスキルを磨いていきます。

広野 そこで培われた力は、大学受験のみならず、社会に出てからも役立ちそうですね。

卒業生のなかには、「在学中は面倒な授業だと思っていたが、ランゲージ・アーツで訓練した言語能力が、大学のゼミや会社のプレゼンで大いに生かされている」と話してくれる人が大勢います。ここで身につける技術は、学問やビジネスにも応用できる普遍的なスキルですから、生徒たちにはさまざまな場面で活用してほしいと思っています。

広野 最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

本校では、「生徒の無限の可能性を最大限に引き出すこと」を教育の根幹としています。豊かな校地を生かした学びも魅力の一つ。地下1階から地上3階までつながる吹き抜けを使ったパラシュートの落下実験や、広大なグラウンドを利用したロケットの発射実験など、生徒の興味・関心に応えるさまざまな仕掛けを用意しています。生徒一人ひとりの個性を大切に育てる環境が整っています。ぜひ学園にお越しいただき、その魅力を体感してください。

Information

www.morimura.ac.jp/jsh/admission/event/

※学校説明会などの情報は上記よりご確認ください。