「研究者として学ぶ自分」を確立する
取り出し授業と教科横断型の学び
教頭 尾﨑 正靖先生
サレジアン国際学園中学校高等学校は、研究型の学びを推進する「本科クラス」(本科)と、帰国生や英語学習に意欲のある生徒が集まる「インターナショナルクラス」(インター)の2クラス制を導入しています。2026年度からは、理数系分野をより専門的に学びたいという生徒の意欲に応えるため、「MEDICO」と呼ばれるプログラムが発足しました。本プログラムで学んでいくMEDICOグループは本科クラス内に設置され、本科やインターとは別枠での募集となっています。
「MEDICOの学びは、本科の学びが軸となっています。本科では、PBL(課題解決)型授業の実施をはじめ、大学のように複数学年がゼミナールに集い、共に学ぶ個人研究に力を入れています」と説明するのは、教頭の尾﨑正靖先生です。
個人研究は、中1の「プレゼミ」でアカデミックスキルを学んだ後、中2から高2までゼミナールに所属して、自分の関心のある内容を深掘りします。現在開講されているゼミナールは八つで、「Math-Lab ~数楽研究室~」「化創ラボ」など多彩です。
「MEDICOのプログラムは、この学びをさらに発展させ、理数系に特化した内容となっています。数学や理科の先取り学習にとどまらず、データサイエンスなどの先端分野にも挑戦し、社会で活躍できる人材を育てることを目標としています」と、尾﨑先生は説明します。
MEDICOでは、中1は本科と同じカリキュラムで学び、中2から独自の学びが始まります。数学と理科では取り出し授業を実施。単に教科書の内容を先取りするのではなく、通常のカリキュラムとは異なる視点から理解を深めます。
「理科と数学を切り離さず、互いに関連づけながら学ぶ教科横断型の授業を展開します。一般的な学校では教科書の単元順に学びますが、MEDICOでは一つのプロジェクトを軸に、必要な知識を複数の教科から学習します」
たとえば、中2では、「てんとう虫」をテーマにしたプロジェクトを予定していますが、生物を観察するだけでなく、てんとう虫が身を守るために分泌する液体を分析したり、羽ばたきの仕組みを物理学の視点から考察したりするなど、多角的な視点で学んでいきます。
「数学とも連携し、実験で得られたデータを分析・集計します。本来は高1で学ぶ『二次関数』の知識が必要になれば、中学生の段階でも、そのタイミングで数学の授業に取り入れます。こうした学びを通して、生徒には数学が理科の実験や現実社会とどのようにつながっているのかを実感してほしいと考えています」
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博士号を持つ教員などから、大学レベルの設備で数学や理科を取り出し授業で学び、世界で活躍する医師や研究者をめざします
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ハイスペックPCに加え、可動式の大型モニターも8式完備。協働的な学びや、発想力をさらに豊かなものに
50人の専門家との出会いを通して
理数系の「社会貢献」を考える
キャリア教育も着々と整備が進んでいます。現在は、3年間で50人の専門家と出会うMEDICO独自のキャリアプログラムを計画中です。進路選択の視野を広げるため、中2から高1までの間に、医療従事者や企業の研究者、データサイエンティストなど、理系分野の第一線で活躍するプロフェッショナル50人を学校に招く予定です。
「ひと口に医師といっても、大学病院の勤務医や、地域を支える開業医など、その働き方や社会への貢献の仕方はさまざまです。医療機器メーカーや製薬会社で研究に携わるという進路もあります。50人の専門家との対話を通して、理数系の学びと社会との関連性を具体的にイメージすることが大切です。そして、『自分はどう生きたいのか』という明確な目的意識を持って、研究や高等教育機関への進学準備に取り組んでほしいと思います」
新校舎が2027年度に完成予定
次世代の学びを支える教育環境
先進的な学びを可能にする新校舎。多様なバックグラウンドを持つ仲間と、考え続ける環境を実現します
学びを支えるのが、2027年度に完成予定の新校舎です。地上5階・地下1階建てで、延床面積は現校舎の約1.4倍。大橋清貫学園長がこれまで培ってきた教育の経験を生かし、サレジアンの学びに必要な環境を徹底的に議論して設計されました。
新校舎の特徴は、随所に設けられた「余白」の空間です。各フロアの教室の間には、教室1室分ほどの広さを持つ「学年ラウンジ」を配置。共同作業に適した机やソファ、自習スペースなどが整備され、PBL型授業での話し合いやプレゼンテーションの準備などが自然に行えるような環境となっています。生徒同士が交流しながら、自発的な学びを深められる空間です。
理数教育の設備も充実しています。最新の安全基準に準拠した「サイエンスラボ」「生物室」は大学レベルの実験機材を備えており、放課後も生徒が研究に活用できます。
さらに、高度な数値計算や統計処理に対応したハイスペックPCを備える「データサイエンス室」、TED形式のプレゼンテーションにも対応する「メディアラボ」など、理数・情報分野に関心を持つ生徒にとって充実した学習環境が整っています。また、生徒や保護者からの要望に応え、中高全生徒が利用できるカフェ(食堂)も新たに設置される予定です。
最後に、尾﨑先生は受験生へメッセージを送りました。
「数学や理科が好きな子にとって、非常に恵まれた環境が整ったと思っています。教科書の枠に収まらず、自分の興味をどこまでも深め、試行錯誤を重ねながら学んでいきたいという方は、ぜひ入学を検討してください」
2027年度、新校舎で本格化するMEDICOの学びは、未来の社会を支える理数系人材の育成へ向けて、大きな一歩を踏み出そうとしています。