上野の教育資源を生かした
探究活動が可能
本物との出合いが学びの原点に
校長 小塩 明伸先生
上野学園は1904年、人間としての「自覚」を建学の精神に掲げ、上野女学校として創立されました。「自覚」とは、自分自身を深く見つめ、みずからの価値や可能性に気づいていくことです。同校では、この「自覚」を知識や技能の習得だけにとどまらず、自分の強みや課題を知り、他者とのかかわりのなかでみずから成長していく姿勢としてとらえています。その土台となるのが、多彩な体験を重ねる6年間です。
校長の小塩明伸先生は「さまざまな体験を通して、自らの可能性に気づく学びを大切にしています。学力を身につけるだけではなく、粘り強さや協調性も養い、自ら考え、行動できる人へと成長してほしいと願っています」と語ります。
その学びを支えているのが、上野という恵まれた教育環境です。校舎の周辺には、東京国立博物館、国立科学博物館、東京文化会館に東京都美術館、上野動物園など、日本を代表する文化・学術施設が集まっています。浅草や両国といった歴史や文化に触れられるエリアも近く、街そのものが学びのフィールドとなっているのです。
このような恵まれた環境を生かして探究活動やSTEAM型フィールドワークを展開し、思考力・表現力・課題発見力・プレゼンテーション力を伸ばしています。上野公園を舞台としたフィールドワークでの探究テーマは、中1は理科、中2は社会です。中3では3年間の学びの集大成として卒業研究に取り組みます。調べた内容を整理して発表する機会も多く、自分の考えを相手にわかりやすく伝える力や、多角的に物事をとらえる視点も養われます。
その狙いについて、小塩先生は「図鑑や映像から学ぶことも大切ですが、本物を目の前にしたときの感動はまったく違います。その驚きや発見こそが学びの原点であり、探究への第一歩になると考えています」と語りました。実体験を重ねながら、生徒たちは主体的に学ぶ姿勢を培っています。
少人数だからこそできる、
ていねいな指導
音楽とグローバル教育で視野を広げる
同校では、少人数教育の強みを生かしてきめ細かくていねいな指導を行っています。一人ひとりの生徒について、担任だけではなく、教科担当や部活動顧問を含めた他の教員も日ごろから情報を共有し、多面的に見守っています。小塩先生は「振り向くと先生がいる。振り向けば生徒がいる。そんな程よい距離感が本校の魅力です。休み時間や放課後にも自然と会話が生まれ、生徒の小さな変化にも気づきやすい環境です」と話します。日常の何気ない会話のなかから生徒の思いをくみ取り、その後の学習や学校生活のサポートにつなげていることも、同校ならではの強みです。
同校は日本で初めて高校音楽科を設置した学校でもあるだけに、音楽教育にも特色があります。中学校から専門的に学ぶ「音楽コース」もあります。また、「普通コース」「国際コース」にも「ひとり一つの楽器」という授業を実施。生徒たちは楽器に触れ、音楽を身近に感じ、演奏する喜びを味わいます。小塩先生は「楽器演奏を通して感性や表現力が育まれるとともに、仲間と音を合わせるなかで協調性やコミュニケーション力も身につきます。音楽は、生徒の心を豊かに育てる大切な学びなのです」と話します。
グローバル教育においても体験を重視しています。中1では浅草で外国人観光客に英語でインタビューを行う「Trip to Asakusa」を実施。中2ではBritish Hills(福島県)での英語研修、中3では3日間のTOKYO GLOBAL GATEWAYに参加。英語で考え、伝える力を段階的に育てていきます。「『英語が通じた』『もっと話してみたい』という成功体験が、生徒たちの自信につながっています」と小塩先生。高校での海外研修や留学など、さらなる発展的な学びへとつながっています。
同校は2024年度から中学校に国際コースを新設しました。イギリス、フィリピン、マレーシア、インドなど、多様なバックグラウンドを持つ教員が授業を担当しています。英語70%、日本語30%による教科横断型の学びを通して、英語で考え、発信する力を養っています。
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中学生は週1回、音楽の専門講師による指導を受けます。3年間かけて練習を積み重ね、アンサンブルを楽しみます
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中1のTrip to Asakusaの様子。1年間学んできた知識や表現を活用しながら、浅草を訪れた外国人と実際にコミュニケーションを図ります
生徒の「伸び」を大切にする進路指導
教職員が伴走し、
一人ひとりの未来を支える
進路指導で大切にしているのは、進学実績だけではなく、生徒一人ひとりの成長です。小塩先生は「本校は伸び率で勝負する学校です」と力強く語ります。入学時の学力にとらわれず、それぞれの可能性を引き出し、6年間で大きく成長できるよう支援。その結果、自分でも想像していなかった進路を実現する生徒も少なくありません。
「わたしたち教職員は、生徒の自走に向けた最高の伴走者でありたいと思っています」。そのことばどおり、生徒一人ひとりに寄り添う姿勢が、同校の学びを支えています。近年は理工系大学・学部への進学者も増え、国際コースでは海外大学への進学も視野に入れた指導を展開。多様な進路に対応できる環境が整いつつあります。生徒自身が将来を主体的に考え、自分らしい進路を選択できるよう、教職員は一人ひとりの歩みに寄り添いながら、継続的に支援を行っています。
最後に小塩先生は、「本校には多種多様な学びの場があります。さまざまなことに挑戦したいという人に、ぜひ来てほしいですね」と受験生にメッセージを送りました。