受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 お子さんが興味を持てる分野があると、学習するおもしろさが広がっていきます。実際にさまざまな体験をすることが、興味を持つきっかけとなるケースも多いでしょう。夏休みはまさに実体験の絶好のチャンスといえます。今回は、理科への興味を引き出すために、夏休みにお薦めしたい家族でできる体験と『コアプラス』の活用法について、新越谷校校舎責任者にお話を伺いました。

第147回「夏休みにお薦めの理科の体験と
『コアプラス』の活用」
回答者/新越谷校校舎責任者

子どもが立ち止まったものに
最後までつき合い
「感動する体験」に出合うことを大切に

 まとまった時間が取れる夏休みには、家族で出掛ける機会も増えると思います。お子さんが興味を持ちやすく、家族みんなで楽しめるスポットとしては、水族館や動物園が挙げられます。ひと通り見学していくなかで、お子さんが立ち止まるところがあったら、飽きるまでそこにつき合ってあげてください。何気なく見過ごしがちな解説文も、きちんと読むと新たな気づきがあるものです。「早く行くよ」などと急かして、大切な“興味の芽”を摘んでしまうようなことは避けましょう。
 博物館や科学館もお薦めです。特に夏休みには、期間限定のイベントや体験コーナーが設けられている施設がたくさんあります。たとえば、リニアモーターカーの模型を動かしてみたり、巨大な扇風機で風速を体感してみたりという体験をすると、子どもたちは驚いたり、わくわくしたりするのではないでしょうか。また、恐竜の巨大なレプリカを自分の目で見ると、「こんなに大きいんだ」と実感できると思います。このような「感動する体験」が、理科への興味を引き出してくれることも多いでしょう。お子さんが興味を持ち始めたと思ったら、保護者の方も一緒に感動してあげて、気持ちを盛り上げるようにしてください。
 遠くまで足を運べないときには、近所の公園や児童館に親子で行ってみましょう。理科の材料は、身近なところに転がっています。道端で列をつくっているアリや、庭の草取りで抜いた草を観察するのも一つの体験です。できれば動物・昆虫・植物などの図鑑を用意しておき、実際に見たものをすぐに調べるようにするとよいでしょう。保護者の方が楽しそうに観察していると、お子さんもその様子が気になるので、興味が湧いてくるかもしれません。
 日常生活も含めて、さまざまな体験をしていくと、お子さんの心に響くものが何かしらあるはずです。「これは何?」と尋ねられたら、その興味に向き合ってあげることが大切です。保護者の方にもわからないことだったら、なるべくその場で調べて答えるようにしてください。保護者が調べる姿勢を見せると、お子さんにも自分で調べる習慣がつくものです。

夏休みは『コアプラス』に
取り組む回数を増やす
幅広い知識を蓄え、
関連事項と結び付けることが重要

 『コアプラス』については、ふだんから朝や夜などと時間を決めて、毎日取り組むことが理想です。通常は週に1回あるテストですが、夏休みになると、5年生では2~3日おき、6年生では1日おきに行われます。テストの回数が増えるため、ふだんと同じペースで学習すると終わらないという事態になるでしょう。
 そこで、取り組む回数を増やすことが必要になります。ふだんは1日1回だったら、夏休みは朝・昼・夜の3回にするなど、テストに合わせてペースを速めましょう。お子さんに任せていると、ペースの変化に対応していないこともあるので、保護者の方が意識して、回数を増やすように声を掛けてください。
 1回にかける時間は、回にもよりますが5~10分程度。短時間ですらすらと答えが出せるようにするのがポイントです。ただし、丸暗記してその場限りで終わらせるのではなく、一つひとつの現象をしっかり理解したうえで、関連する事柄と結び付けて考えることが重要になります。
 『コアプラス』のテストの範囲の内容は、すでに授業で学んでいるものなので、もう一度思い出して、理解を確実にすることを目的として活用します。幅広い知識をこつこつと蓄えながら、それまでに出てきた内容との関連を押さえておくことが、入試問題などの実戦的な演習に取り組む際にも役立ってくるのです。
 こうしたふだんの学習や、サピックスの授業のなかでも、お子さんが「これはおもしろい」と興味を持てるものが見つかることがあります。お子さんが新たに発見したこと、わかるようになったことを話してくれたら、保護者の方はまずじっくりと話を聞いて、興味を広げるような体験をさせるなど、前向きにサポートしてあげてください。

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