受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開智中学校

2022年5月18日(水)

多種多様な進路に対応し、夢を実現するための4コース制を導入

 「平和で豊かな世界の実現に貢献する創造力・発信力・コミュニケーション力を持った国際的リーダースペシャリストの育成」をミッションに掲げる開智中学・高等学校。自分の利益のためだけではなく、生徒が将来社会に貢献するために必要な、「みずから学び、発信する力」を鍛える先進的なプログラムを実践しています。

 この日のオンライン説明会では、校長の菅沼健児先生が教育内容を中心に紹介しました。最初に、先生は「魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ」という中国のことわざを挙げ、「これは『人に魚を与えれば1日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける』という意味です。本校ではこれを『魚を与えるのではなく、人生を切り拓く方法を教えよ』とアレンジし、本校の教育のあり方について考えるヒントとしました。志望大学に合格することも大事ですが、そのために学ぶのではなく、6年間で人生を切り拓く方法を見つける方が重要だということを表しています」と話しました。また、視野を広げることを目的に、昨年から教育目標に「外へ、未来へ」を掲げています。これを受けて、生徒たちはSDGs(持続可能な開発目標)の自主活動や地域のボランティアを行うなど、さまざまな校外活動に取り組んでいます。

 また、同校が教科学習と同じくらい重視しているのが、開校当初から実践する探究・発信型学習です。これは、興味のあるテーマを見つけ、調査・検証・考察・発表を重ね、思考力・探究力を育み、発表のスキルも磨くというもの。たとえば、「探究テーマ・フィールドワーク」では、個人で進める「探究テーマ」のほかに、学年ごとに異なるテーマを設け、磯のフィールドワーク(中1)、森のフィールドワーク(中2)、関西フィールドワーク(中3)、首都圏フィールドワーク(高1)を実施します。そして、集大成となる英国フィールドワーク(高2)では、現地の大学生に、英語でプレゼンテーションやディスカッションを行います。菅沼先生は「コロナ禍のため、イギリスには2年間訪れていません。ただし、その代替プログラムとして、国内にいる外国人留学生に集まってもらい発表やディスカッションを行いました。国内のフィールドワークも感染防止対策を徹底しながら、できる範囲で活動を再開しています。今年はもっと活発にプログラムを実施していきます」と力強く語りました。

 続いて、昨年度より大きく改編した新コースについて説明しました。コースは、東京大学など最難関の国公私立大学をめざす「先端IT」、医歯薬・獣医系学部の進学を目標にする「先端MD」、グローバルな職業やIT業界など最先端分野をめざす「先端GB」、中1から高1までの4年間の探究型学習を通じてじっくりと将来を考える「先端FD」が設けられています。菅沼先生は「各コースは入試の成績に関係なく、入学前に生徒自身が選択します。なお、GBコースの英語を除き、教科学習の内容・進度は4コース共通です。ただし、ホームルームや探究学習の活動内容、特色が分かれやすいキャリア教育はコースによって内容が異なります」と説明しました。また、中3から高1への進級時には、コースを選び直す機会もあるそうです。さらに、高2からは希望する進路に応じてクラスが再編成されます。このほか、国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラム(DP)の候補校である同校では、2025年度より文系・理系・医歯薬系に加えて、バカロレアDPのクラスもスタートする予定です。

 進路指導については、「自分が決めた第一志望を貫く」を基本方針にし、「学校の都合で特定の大学を受験させることはありません」とのことです。また、長期休暇中に各種講習が開講されているほか、高2の秋以降は大学受験対策の放課後特別講座もスタート。夜9時まで利用可能な自習室を校内に設けるなど、手厚いサポート体制を敷いていることも伝えられました。

イメージ写真 広大な敷地には、1年中使える温水プールや3棟の体育館、サッカーや陸上競技に使うグラウンドのほか、フットサルやハンドボール専用のグラウンドもあります

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