受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

かえつ有明中学校

2022年5月18日(水)

多様性を尊重する学びの場で、豊かな人生を築く力を育む

 かえつ有明中・高等学校の前身は1903年に設立された日本初の女子商業学校です。2006年の共学化に伴い、それまでの嘉悦女子中学校・高等学校から現校名に改称するとともに、江東区東雲の有明キャンパスに移転しました。教育理念に「生徒一人ひとりが持つ個性と才能を生かして、より良い世界を創り出すために主体的に行動できる人間へと成長できる基盤の育成」を掲げ、「ディープラーニング」「グローバル」「ダイバーシティ」を三つの柱として、21世紀型のグローバル人材を育成しています。

 オンライン説明会の冒頭、あいさつに立った校長の前嶋正秀先生は、「教育理念に基づいた本校の理想は、生徒が『豊かな人生』を送ることです。さまざまな学びを通して生徒たちが自分の無限の可能性に気づき、『豊かな人生』を自分でつかみ取る力を育んでいきます」と語りました。

 次に、サイエンス科・プロジェクト科主任の田中理紗先生から、独自の学習プログラム「サイエンス科」と「プロジェクト科」の説明がありました。中学の「サイエンス科」では、さまざまなテーマで「情報収集→整理・分析→発表」というサイクルを繰り返し、ディスカッションやグループワークを通して、「学ぶためのスキル」を培っていきます。一方、高校の「プロジェクト科」では、みずからの興味・関心により深く向き合い、「答えのない問い」の「答え」を探します。説明会には、在校生(中3生)と卒業生(大学2年生)も登場。田中先生の質問に答える形で、「お弁当をデザインして商品化する」「自転車発電をSDGsの課題解決につなげる」「フェアトレードに注目して、商品を校内で販売する」など、それぞれがかかわったプロジェクトを紹介。主体的に取り組む学びの魅力を伝えました。

 続いて、広報主任の内山誠至先生がグローバル教育について説明しました。同校は、全校生徒の約3割を国際生(帰国生)が占めています。「休み時間に英語で会話する姿が自然に見られる環境のなかで一般生も刺激を受け、世界に目を向ける機会が生まれるのです」とのことでした。英語の授業は週6コマで、その内訳は「総合的な英語の授業」が4コマ、外国人教員を加えた「OC(Oral Communication)」が2コマとなっています。中学では、各自の習熟レベルに応じて、「オナーズクラス(英検®準1級以上)」「アドバンストクラス(英検®2級レベル)」「レギュラークラス(一般的なレベル)」の3クラスに分かれて授業が行われ、本人の意欲によってレベルアップも可能です。

 希望制の「British Hills英語研修」(中学生対象)、「Cambridge英語研修」(高校生対象)、高2全員参加のイギリスとフランスへの修学旅行など、国際交流のプログラムも充実しています。近年、海外大学への進学を希望する生徒が増えていることから、海外協定校への推薦制度を設けたほか、日本とアメリカの両方の高校卒業資格を同時に取得できる「USデュアルディプロマプログラム」も導入しているそうです。

 学校の概要説明は、広報部長の宇野岳史先生が担当しました。中学は各学年に6~7クラスがありますが、多様性を重視するため、学力別でのクラス分けはしていません。学習フォローは、一人ひとりに合わせて柔軟に行っています。高校では学び方のスタイルや進路実現の方法によって三つのタイプのクラスを編成し、多様な生徒が切磋琢磨しながら成長できるように考慮しています。また、放課後や長期休暇中には、教員と予備校講師が補習や講習を担当する「学習支援センター講習」を開講。卒業生によるチューター制度もあり、高1・2では勉強合宿も実施されます。宇野先生は「教員と生徒が最も大切にしているのは『安心・安全の関係性』です。自分と同じように他者も尊重する場を一緒につくり、誰もが自分の意見を素直に言えるようにしているのです。そのため、自分の思いをしっかり表現できる、人にやさしい生徒が増えています」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 情報センター「ドルフィン」は、中学「サイエンス科」と高校「プロジェクト科」を中心としたアクティブラーニングの実践の場です

www.ariake.kaetsu.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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