受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

サレジアン国際学園中学校

2022年5月24日(火)

共学校として再始動。心の教育やPBL型授業を通して、国際標準の教育を実践

 2022年4月、東京都北区赤羽台にある星美学園中学校高等学校が共学化し、サレジアン国際学園中学校高等学校に校名を変えて新たなスタートを切りました。教育目標に「21世紀に活躍できる世界市民の育成」を掲げ、さまざまな教育改革に取り組んでいます。

 この日、オンライン説明会に登壇した広報部部長の川上武彦先生は、教育改革の背景について「今後はさらにグローバル化が進み、テクノロジーも進化を遂げ、いっそう予測不能な世の中になるでしょう。そのため、これからの時代には、正解のない課題と向き合い、みずから解決策を見つけて行動できる人間を育む必要があると考えました」と話しました。

 その目的を達成するために、同校では次の五つを教育の柱に掲げています。一つ目は「考え続ける力」です。「特に、正解が存在しない課題のなかから、『何が問題とされているのか』に気づき、最適解を考え、選択と検証を重ねて、その最適解の精度を上げていく力を養成することが大切です」と川上先生は強調しました。二つ目は、バックボーンの異なる人と協働作業をするときに、粘り強く交渉できる「コミュニケーション力」です。続けて、三つ目に、テクノロジーの進化に不可欠な「数学・科学リテラシー」、四つ目に、日本語や英語などを用いて考え、表現する「言語活用力」を挙げました。そして、最も核となる項目として、五つ目に紹介したのが「心の教育」です。同校は、1872年にイタリアで誕生した修道会「サレジアン・シスターズ」を母体として設立されたカトリックの学校です。前身の星野学園創立時の1947年から継承される「生徒一人ひとりの心に愛情と信頼を形成する『共に喜び、共に生きる(アシステンツァ)』教育」を大切にしています。川上先生は「健やかな心がきちんと育っていなければ、ほかの四つの力もうまく発揮できません。そのため、本校は長年培った『心の教育』を、すべての教育活動の土台としています」と述べました。

 これらの力を育む手段となるのが、全教科で実施されるPBL(Project Based Learning)型授業です。学習は「トリガークエスチョン(議論のきっかけとなる質問)を手がかりに個人で情報収集し、グループで意見交換と結論の選択をした後、プレゼンテーションする」という流れで行います。また、グループの発表には、最も説得力がある1人の意見を採用します。川上先生は「プレゼンターを同情、持ち回りで決めるのは一切禁止です。最適な解決策を提案することで、自分の意見に責任を持ってほしいからです。また、プレゼンターに選ばれた生徒は、自己肯定感が上がって、さらに高みをめざし、選ばれなかった生徒も自分の課題が見つけやすくなるので、思考力が伸びていきます」と力説しました。

 中学は「本科クラス」「インターナショナルクラス」(インター)の2クラス編成です。また、インターでは帰国生中心のアドバンストグループ(AG)と、今後英語力を伸ばすスタンダードグループ(SG)の2コースに分けて授業が行われます。このうちAGでは英語・数学・理科・社会において、専門分野での指導経験を持つ外国人教員によるオールイングリッシュの授業を展開。一方、SGの英語の授業は、外国人教員と日本人教員のチームティーチングが主体ですが、他教科は日本語で進められます。本科クラスはPBL型授業を中心に、課題解決型の学びに取り組むとともに、基礎学力の定着を徹底します。また、自分の興味や関心のあるゼミを選択して探究活動を行う「個人研究」を週3時間実施。英語の授業は週8時間で、世界市民として、発信力を備えた高度な英語力と言語活用力も養います。

 最後に留学制度について説明がありました。オーストラリアのクイーンズランド州の州政府と提携し、2~3週間のホームステイ、3か月の短期留学、1年間の本格留学まで、すべての生徒が参加可能な海外プログラムを用意しているとのことです。

イメージ写真 教科の専門性を持ったインターナショナルティーチャー

www.salesian.international.seibi.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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