受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

山脇学園中学校

2022年5月20日(金)

「自ら求め、深く学ぶ力」を高め、社会に貢献する「志」を育てる

 山脇学園は、法学者の山脇玄と妻・山脇房子によって1903年に設立された女子實脩学校から発展した学校で、来年で創立120周年を迎えます。都心の港区赤坂にキャンパスを置き、中学・高校を合わせた生徒数は約1600名の大規模校です。「西洋のレディに負けない、高い教養とマナーを身につけた女性を育成したい」という初代校長・山脇房子の思いは、「自ら求め、深く学ぶ(自主・探究)」「志を抱き、未来を拓く(立志・展望)」「お互いに思いやり、仲間とともに創る(互恵・協働)」という教育目標となって現在も受け継がれています。

 この日のオンライン説明会では、初めに教頭の鎗田謙一先生が、同校の教育の重点目標である「自学自習の力」「チャレンジとアクション」「礼節の心」の三つを紹介しました。まず、「自学自習の力」について鎗田先生は、「将来やりたいことをするには、学力が必要です。自ら求め、深く学ぶ力を身につけることで、自分の進むべき『志』が見えてくるのです」と強調します。また、「チャレンジとアクション」については、自分を開拓する探究学習を重視しており、希望選択制の授業を数多く設けていると述べました。さらに、「礼節の心」と、将来、社会で役立つマナーを身につけるため、中1・2で礼法・華道・琴を習うとのことです。

 続いて、鎗田先生は、具体的な教育内容について説明しました。中1~高1では国語・数学・英語の3教科を重視し、基礎学力を充実させます。数学と英語は中3から、国語は高2から習熟度別授業を行い、高2までに高校内容を学び終えるカリキュラムになっています。高2からは文系と理系に分かれ、高3では大学受験に向けた入試問題演習に取り組みます。

 教室には電子黒板とプロジェクターが設置され、生徒は通常授業やオンライン授業、課題提出などにiPadや各種アプリを活用しています。各種講習も充実しており、応用問題に取り組む「放課後レベルアップ講座」のほか、200以上の講座が開かれる夏期講習、外部の講師による「トップレベル講習」などもあります。

 同校の魅力の一つとして知られる「アイランド教育」は、今年度から「総合知プログラム」として体系化を図りました。「イングリッシュアイランド(EI)」では、中1~3は週1コマ、イギリスの街並みを模したフロアで「イングリッシュアイランドステイ(EIS)」を行います。外国人教員がケンブリッジ大学出版社のテキストを用いて授業を行い、「話す力」「書く力」を楽しみながら身につけていきます。また、科学への興味と関心を高める「サイエンスアイランド(SI)」では、観察、仮説とその検証、実験などの過程を通して、科学者の思考を育てる「サイエンティスト」の時間を中1・2で設けます。さらに、「リベラルアーツアイランド(LI)」は、多様な社会の中で相互理解を深めるための課題発見力、情報収集・分析力、発想力、協働力、表現力などを磨く場として、ディスカッションやプレゼンテーションを活発に行います。

 これらのアイランド教育は、「英語チャレンジプログラム」「科学研究チャレンジプログラム」(中3・希望制)で、さらに発展させていきます。「英語チャレンジプログラム」では、オールイングリッシュでのクラス活動、放課後活動、イギリス語学研修旅行などに参加します。一方、「科学研究チャレンジプログラム」では、本格的な研究活動や西表島での野生生物調査を実施し、1年間の成果を発表する研究報告会を開きます。これらの活動につながるクラスとして、高校では今年度から「サイエンスクラス」を、2025年度までに「国際教養クラス」(仮称)を新設する予定です。鎗田先生は「12月には、探究学習の拠点となる『ラーニングコモンズ』エリアがオープンします。楽しみにお待ちください」と話しました。

イメージ写真 東京メトロ「赤坂見附」駅から徒歩5分という通学に便利な立地にありながら、キャンパスが広々としているのも魅力。入学式では重要文化財の武家屋敷門をくぐって式を迎えます

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