受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

専修大学松戸中学校

2022年5月20日(金)

目標に合わせた「類型制システム」で総合的、効率的に能力アップをめざす

 1959年開校の高校を基盤に、2000年に中学校を開校した専修大学松戸中学校・高等学校。建学の精神に「報恩奉仕」「質実剛健」「誠実力行」を掲げ、「社会に貢献できる知性豊かな人材の育成」をめざした教育を行っています。専修大学の付属校ですが、他大学へ進学する生徒が9割を占める進学校でもあります。

 オンラインで開催されたこの日の説明会では、初めに校長の五味光先生があいさつに立ちました。五味先生は自身が英語教諭として同校に赴任してから28年目を迎えたことに触れ、英語を学ぶ目的として「コミュニケーションツールとしての英語」「海外へ出ることの意義」「異文化と自国の文化の理解」の3点を挙げました。そして、「生徒には自分の利益だけを追求するのではなく、社会に必要とされ、他者にとって不可欠な、頼られる存在になってもらいたいと思っています」と語りました。

 続いて、教育内容について教頭の中村吉伸先生が説明しました。中高一貫生は、6年間を「基礎期」(中1・2)、「充実期」(中3・高1)、「発展期」(高2・3)に分けたカリキュラムで学習します。「基礎期」の授業は、生徒全員が同じ内容を学びますが、中2の数学・英語は習熟度別クラスとなっています。「充実期」に入る中3からは「類型制システム」を採用し、選抜クラスのⅠ類と、一般クラスのⅡ類とに分かれます。「発展期」では、さらに理系・文系に分かれて学習を進めていきます。

 先取り学習も行われており、数学は中2までに公立中学校の学習範囲を学び終え、中3からは、高校の数学Ⅰ・数学Aの学習が始まります。さらに高2までに高校課程の学習範囲を終え、高3では生徒それぞれが自分の希望進路に合わせて、必要な選択授業を受けます。数学は学力差が出やすいので、「ウイークリーテスト」を実施し、こまめにレベルチェックをしているのも特徴です。基準点に満たない生徒には再テストや補習を実施し、学習内容の定着を図っているとのこと。また、理科は週に1コマの「理科実験」の授業を設定し、家庭科の調理実習とのコラボ授業を行うなど、理科好きの生徒を増やす取り組みにも力を注いでいます。その結果、生徒が毎年「科学の甲子園Jr.」に挑戦し、千葉県で2位の成績を収めるなど、「成果の芽が出始めている」そうです。

 グローバル社会に対応できるよう、英語教育は最も重視し、週に7コマの通常授業と放課後に週1回1コマの講座を行っています。通常授業のうち5コマは『NEW TREASURE』を使用して「読む」「書く」力を身につけさせ、2コマは外国人教員主導の英会話を英語教育専用校舎「アンビションホール」で実施。そして、中3の6月には、「英語で何かを成し遂げること」を目標に、アメリカ中西部のネブラスカ州への修学旅行に全員が参加します。現地の同世代の生徒と一緒に活動するサマースクールや大学生メンターとの交流、博物館で古き良きアメリカの歴史と文化に触れるなど、3年間の英語学習の集大成となる経験をします。この修学旅行がきっかけとなり、毎年複数名の生徒が高1の夏から1年間の長期留学を希望するそうです。9月からは家庭学習で1回25分間のオンライン英会話を実施。週7回まで受講でき、英語での表現力をより一層磨く機会となっています。

 このほか、検定試験の受検も推奨しており、英検®・漢検・数検には、生徒全員が挑戦します。中3までに、いずれも準2級の取得をめざしており、特に英検®は例年70%以上、2021年度は85%の生徒が準2級以上に合格しています。

 2023年度入試については、大きな変更はありません。「詳細は9月ごろに公開される募集要項をご確認ください」とのことでした。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 全面人工芝のグラウンド、全天候型のテニスコートなど運動施設も充実。2022年度から女子の夏の制服のデザインが、爽やかなチェックのスカートに変更されます

www.senshu-u-matsudo.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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