受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京成徳大学中学校

2022年6月10日(金)

新カリキュラム導入で「成徳」の精神を持つグローバル人材を育成

 東京成徳大学中学校は東京メトロ南北線「王子神谷」駅から徒歩5分の場所に立地する、共学の中高一貫校です。併設の高校では、中学校からの内部進学生と、高校からの入学生とが校舎を別にして、それぞれのカリキュラムの下で学んでいます。

 母体となる学校法人東京成徳学園が2025年度に100年を迎えるのを機に、同校では今年度より創造性とグローバル力を育む新カリキュラムがスタートしています。この日のオンライン説明会は、校長の木内秀樹先生のあいさつから始まりました。

 「創設者・菅澤重雄は創立の際、『徳を成す人間の育成』を建学の精神としました。『徳を成す』とは、つまり信頼される人になるということでもあります。わたしたちがめざすのは、この『成徳』の精神を持つグローバル人材の育成です。そして、それを実現するために、特に重視しているのが『自分を深める学習』です。また、英語教育やICT運用能力を高める教育にも力を入れています」

 続いて、ICT活用推進部長の和田一将先生が登壇し、英語教育とICT教育についての説明がありました。和田先生はまず、英語教育について「本校には4人のネイティブ教員が在籍し、英語の授業は習熟度別で行われています」と話したうえで、「6年間で『夢が目標に変わり、未来につながる教育』を実践していきます」と説明します。同校では2022年度からの新カリキュラム導入に伴い、これまで中3を対象にしていた「全員留学」を中2に前倒しし、2週間の「セブ島短期語学留学」を実施します。また、中3で実施していた従来の「ニュージーランド全員留学」を選択制とし、「グローバル教育(留学タイプ)」と「グローバル教育(国内タイプ)」の2コースを設けます。和田先生は、これまでの留学の様子を動画で紹介しながら、「留学は語学力やグローバルマインドを養うだけでなく、人間的にも成長できる絶好の機会です」と強調しました。

 ICT教育については、1人1台のタブレット端末を活用した授業風景が動画で紹介されました。その大きな特徴は、全教科ともに学習アプリや動画などを積極的に取り入れ、生徒を主体とした授業を行っていること。和田先生は「SDGsに関連づけた学びでは、タブレットを活用した調べ学習や英語でのプレゼンテーションも行っています。何かを生み出すという体験を通して、それぞれの個性を豊かに育てる授業を意識しています」と話しました。

 次に、社会科の木内雄太先生から特徴的なプログラムについての説明がありました。同校では新カリキュラムの導入に当たり、「留学制度」「Diversity Seminar」「プログラミング教育」「自分を深める学習」など、さまざまなプログラムを実施しています。

 和田先生からも説明があった「留学制度」では、今年度から約50校の海外大学推薦制度を導入し、中学・高校での留学経験を活かした進路を選択できるようになりました。高1の「Diversity Seminar」は、1年間かけて大学のゼミのような探究学習に取り組みます。生物・科学・社会・芸術に関する講座を用意するなど、学校の枠を超えた、主体的な経験ができる機会を提供。みずから考え、協働して課題を解決し、最終的にその成果を発表できるようになるまで、生徒たちの成長を促します。また「プログラミング教育」では、日本工学院専門学校との教育提携によって専門的な指導を行います。

 さらに「自分を深める学習」について、木内先生はこう説明します「自分とは何か、なぜ学ぶのか、どう生きるのかという一生のテーマともいえる課題に、6年間をかけて向き合います。教科学習はもちろん大切ですが、体験や経験を通じて人間的に成長できる場を提供したいと考えています」。そして、その具体例として、中2の夏に行われる長野県戸隠高原での校外学習を挙げた木内先生は、「環境問題やSDGsの授業を行うときも、本物の自然体験は欠かせません。多感な時期に豊かな自然とつながることで、自分と命のつながりを考えてほしいと思います」と述べ、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 「成徳の精神を持つグローバル人材の育成」という教育目標の下、いかなる場面でも大切な有徳の精神を重んじ、心の成長を大事にとらえています

www.tokyoseitoku.jp/js/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ