受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立小石川中等教育学校

2022年6月2日(木)

知的好奇心を刺激して
幅広く奥深い教養を身につける

 東京都立小石川中等教育学校は、前身である東京府立第五中学校の伝統を受け継ぎ、2006年に開校。次代を切り開くグローバルリーダーを育成しています。

 SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会で、登壇した校長の鳥屋尾史郎先生は、「創立時から受け継ぐ教育理念は『立志・開拓・創作』です。『自ら志を立て、自分が進む道を自ら切り拓き、新しい文化を創り出す生徒の育成』を目標に、中高一貫の強みを生かした教育活動を展開しています」と話します。

 幅広い教養を身につける「小石川教養主義」を掲げる同校では、文系・理系のクラス分けを行わず、生徒全員が共通の教科・科目を学習します。後期課程(高1~3)では、自由選択科目として第二外国語(ドイツ語・フランス語・中国語)も設けられています。鳥屋尾先生は、「大学受験に直結する知識だけではなく、人生の岐路で役立つような教養を一つでも多く身につけてほしいと、わたしたちは考えているのです」と語りました。

6年間を通じた課題研究型学習で
「新しい社会を創り出す力」を育成

 6年間を通じた課題研究型学習の「小石川フィロソフィー」では、発達段階に応じて取り組むプログラムが異なります。1年生(中1)では言語での表現を、2年生(中2)では統計学を用いた数値での表現スキルなどを身につけ、3年生(中3)ではプレ課題研究に取り組みます。さらに4年生(高1)では科学的アプローチの手法を学び、5年生(高2)では英語でのポスターセッションにも挑戦。6年生(高3)では研究成果を論文にまとめ、学校内外に発信します。取り組むテーマは一人ひとり異なり、高度な実験を要するものもあるそうです。

 そして、それらを支えるのが、充実した「理数教育」です。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校である同校では、理系教育に特化した特別なクラスは設けておらず、全生徒に対し高度な理数系カリキュラムを提供しています。数学は全員が5年生(高2)で数Ⅲの内容も学びます。理科は前期課程から各分野を専門とする教諭が授業を担当し、観察や実験を多く設けて、科学的に探究できる能力を伸ばしていきます。このほかにも、専門家を招いて開催される「サイエンスカフェ」、放課後や土曜日に実験室を開放する「オープンラボ」など、自主的な研究活動を促す取り組みが行われています。

 「国際理解教育」にも力を注いでいます。英語の授業は、全学年で習熟度別・少人数制で行われています。2泊3日の国内語学研修(2年生)、2週間のホームステイを経験するオーストラリア海外語学研修(3年生)、シンガポール修学旅行(5年生)なども設定されています。一昨年からは、海外で活躍する卒業生などとオンラインで語り合う「グローバルカフェ」も実施しているとのことです。

 鳥屋尾先生は「本校の生徒は好奇心旺盛で、とても積極的です。生徒が希望する進路を切り開き、人類の進歩に貢献する人材となることを期待せずにはいられません」ということばで説明会を締めくくりました。

イメージ写真 運動系・文化系合わせて39の部があり、兼部も可能です。9月の「行事週間」には、芸能祭・体育祭・創作展がまとめて開催されます

www.metro.ed.jp/koishikawa-s/ 別ウィンドウが開きます。

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