受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開成中学校

2022年6月13日(月)

楽しく伸び伸びとした学園生活で
多様な個性をぶつけ合い、磨き合う

 開成中学校・高等学校は、元金沢藩士の佐野鼎が、「共立学校」として1871年に創立しました。昨年には創立150周年を迎え、現在、高校の校舎の建て替えが進行中で、すでに普通教室は完成。2024年7月にはすべての工事が完了する予定です。

 この日の説明会はSAPIX代々木ホールで開催され、サピックス教育情報センター本部長の広野雅明先生の入試解説から始まりました。広野先生は同校の入試の解答用紙を示しながら、「算数では解き方や途中の計算をしっかり書くことが大切です。社会では時事問題も出題されるので、冬期講習の時期までに、その年の重大ニュースを把握しておいてください」など、出題傾向について説明。また、「開成中の入試は、初見の問題に対してどうアプローチするかを自分で考える力を養うことが合格につながります」とアドバイスしました。

 次に、校長の野水勉先生が登壇し、教育内容について説明しました。「開成」の校名は、中国の古典『易経』の中の「開物成務」に由来し、「人間性を開拓、啓発し、人としての務めを成す」という意味です。長い歴史のなかで築かれた学園の理念として、「質実剛健」「自主自律」「進取の気性と自由の精神」「ペンは剣よりも強し」を挙げた野水先生は、「これらすべてに創立者佐野鼎と初代校長高橋是清の精神が流れています。生徒たちが楽しく、伸び伸びとした学園生活を送るなかで個性を磨き、集団社会の一員として自分の役割を果たせる、たくましい大人に成長してほしいと願っています」と話しました。

英語で議論ができる能力を育成し
海外への直接進学をバックアップ

 同校では、生徒の自主運営による学校行事と部活動を重視しています。運動会は企画から運営までをすべて生徒が行い、教員は見守りに徹します。全校生徒を学年縦割りで8チームに色分けし、応援席の後ろに「アーチ」と呼ばれる壁絵を掲げ、チーム独自の「エール」(自作の応援歌)や団体競技で競い合います。高3の「棒倒し」は、攻撃と防御に分かれて大きな棒を倒す圧巻の競技となっています。

 部活動も盛んで、ボート部・囲碁部・俳句部・クイズ研究部などが全国レベルで活躍。さらにはコンピューター部や数学研究部など世界レベルの成績を収めているクラブもあります。また、ショパンコンクールのセミファイナリストの角野隼斗さんは音楽部の出身です。このように、同校の部活動は、生徒一人ひとりの個性や能力を伸ばす場となっています。

 学習面での大きな特徴は、個性豊かな教員によるオリジナル教材を用いた授業が行われていることです。生徒に考えさせることを重視した、高いレベルの教育内容となっています。なかでも英語は、海外大学への直接進学も視野に入れ、卒業までに4技能を伸ばし、英語で議論ができる能力の習得をめざしています。また、外部の海外サマープログラム参加への支援も行き届いており、毎年10名前後の生徒が海外トップクラスの大学に進学しています。

 最後に、野水先生は「地道に知力を積み上げ、新聞や本を読み、世界の動きを学ぶ習慣を身につけてください。地道な努力の過程こそが皆さんの財産です」と、受験生にエールを送りました。

イメージ写真 創立150周年事業として新校舎を建設中。グラウンドは使用可能なまま建て替えを行い、2023年夏にほぼ90%が完成し、全工事の完成終了は2024年の予定です。

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