受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

吉祥女子中学校

2022年6月13日(月)

多様性を尊重する自由闊達な校風の下、社会に貢献する自立した女性を育てる

 緑豊かな武蔵野市の閑静な住宅街の一角にキャンパスを構える吉祥女子中学・高等学校。国公立大学や難関私立大学への高い合格実績だけではなく、理工系、医歯薬系、芸術系学部まで、卒業生の進路が幅広いことでも知られる首都圏有数の女子進学校です。

 昨年に続き、学校で対面形式で開催されたこの日の説明会。あいさつに立った校長の赤沼一弘先生は、「本校では対人コミュニケーション(人との交流)を重視した教育を行っています。この2年、ほとんど実施できなかった宿泊行事についても、今年度は実施の方向で進めています。コロナ禍のなかであっても、学校でしかできないことを通じて『生徒の成長』を促すように努めています」と述べました。

 カナダ語学体験ツアー(新型コロナウイルス感染症の流行前は中3でほぼ全員が参加)、オーストラリアセミナー、アジア研修ツアーはこの2年間は中止となっています。しかし、同校には高校在学中に1年海外高校に留学した後、元の学年に戻ることができる制度があり、この1年留学は現在も行われているとのことです。また、福島のBritish Hills語学研修やオンラインでのカナダ研修、国内留学(国内の外国人留学生と対面で交流するプログラム)も実施されています。

 「本校は、地理学者として帝国書院を開設した守屋荒美雄と、その長男で数学者の守屋美賀雄によって『教育の機会が与えられることの少なかった女性が活躍できるように』と創立され、今年で創立84年となります。本校の建学の精神は、『社会に貢献する自立した女性の育成』です。2人の学者が創立したアカデミックな校風の下、生徒には授業で得た知識を土台に、学問への興味・関心を深め、みずから考え、探究する姿勢を身につけてほしいと考えています」と締めくくりました。

 続いて、具体的な教育内容の説明は広報部長の杉野荘介先生が担当しました。学校生活の基盤として「自由闊達な空気」「多様性を認める文化」を挙げ、「6年間じっくりと物事を考えることができる環境のなか、互いに刺激を受け合いながら成長していきます」とのこと。学校行事や部活動はもとより、日々の授業においても「主体的に考え、行動する」生徒の多い同校では、誰もがリーダーになる機会があります。「人を束ねる大変さを知るからこそ、フォロワーシップも身につき、仲間との一体感も高まります。吉祥生は果敢にチャレンジし、人の失敗を責めません。失敗を恐れる必要がない雰囲気があるからこそ、次の挑戦に踏み出せるのです。『吉祥生は活発で明るい』といわれていますが、運動が苦手だったり、恥ずかしがり屋だったり、物静かな生徒もいます。ただし、互いの考えや個性を認め合い、尊重する気風があるので、伸び伸びと明るい表情の生徒が多くなるのでしょう。高3生へのアンケートでも最も多く出てくるのは、『吉祥は自分らしくいられる第2の家のような場所』ということばです」

 進路プログラムには学年ごとに成長段階に合わせたテーマが設定され、中1は「環境(社会問題)」、中2は「福祉」、中3は「平和と国際理解、ライフプラン」、高1は「職業と学部・学科」、高2は「大学と学部・学科」、高3は「進路目標の達成」となっています。高2からは希望進路別のコース制に移行しますが、文系・理系のほか、芸術系(美術)も選択できるのが特徴です。夏期講習は中1から高3まで100種類以上の講座があるほか、東京外国語大学・東京農工大学・国際基督教大学・東京学芸大学・順天堂大学と高大連携協定を結び、さまざまな教養講座も開講。生徒が将来を考えることにつながるキャリア教育も充実しています。

イメージ写真 本館が竣工された2004年以降に導入された現在の制服では「多様性重視」の観点から、スラックスも選択可。スカート、リボン、タイと組み合わせて楽しめます

www.kichijo-joshi.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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