受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

鷗友学園女子中学校

2022年6月22日(水)

創立当初からアクティブ・ラーニングを実践。全人教育で自分らしさと総合力を磨く

 鷗友学園は1935年、東京府立第一高等女学校(現・東京都立白鷗高等学校)の同窓会「鷗友会」によって設立されました。創立以来、「慈愛(あい)と誠実(まこと)と創造」という校訓を掲げ、国際社会で活躍する女性の育成をめざしています。

 説明会の冒頭、校長の大井正智先生は、同校が東京府立第一高等女学校の校長を務めた市川源三の教え子たちによって設立された歴史を紹介しながら、「本校は、市川源三の『女性である前にまず一人の人間であれ』『社会の中で自分の能力を最大限発揮して活躍する女性になれ』という教育理念を受け継いだ学校です。女子教育の先覚者だった市川は、設立当初から教員が一方的に教える受け身の授業ではなく、生徒主体の『学習者中心主義』を提唱していました。この時代からアクティブ・ラーニングを実践していたのです」と話しました。

 続けて、「全人教育」を心の教育の基盤としていることから、「生徒が『調和の取れた総合力のある人材』に成長するためには、授業はもちろん、クラブ活動、校友会、運動会や学園祭などの学校行事、校外学習に取り組む経験、そして友人とのおしゃべりといった学校生活のすべてが必要です。本校の学びをひと言で表すと、それらの最高の『食材』を使って一つひとつていねいに仕上げた『幕の内弁当』といえます」と述べました。

 次に、入試広報部長の若井由佳先生が、学校生活について紹介しました。中1では少人数制を敷き、1クラス約30名の編成となっています。「3日ごとの席替えや毎年のクラス替えもあり、6年間で学年の大多数の生徒と会話する機会ができるので、学年の団結力が強固になります。ひいては、考え方や価値観の差を超えた友情関係が築けることが鷗友生の長所となっています」と、若井先生は話します。

 さらに、コミュニケーション力を育てる多彩な授業も実践しています。たとえば、中学入学直後に行うエンカウンタープログラムではチーム対抗でゲームを楽しみ、生徒間の親睦を図ります。相手も自己も尊重しながらベストな表現法を模索するアサーショントレーニング、山荘で行う課外授業などもあり、他者の意見を受け止めながら自分なりの意見を発信できる能力を養っています。「コミュニケーション力は経験によってのみ育まれます。これらのプログラムで学んだ知識は、将来、さまざまな経験を積んでいくうえでの下地となり、コミュニケーション力のさらなる向上に役立つことでしょう」と語りました。

 学習面では自律した学習者の育成をめざし、特に中1・2では課題の提出を徹底させることで学習習慣の定着を図っています。高学年になると、提出を義務づけなくても問題集を渡すだけで生徒が時間配分を考えながら自発的に進めていくようになるそうです。補習については、学年が上がるにつれて、授業の後れを補うためのものではなく、より発展的な内容を学ぶ講座が増えていきます。

 最後に、教頭の柏いずみ先生から、入試について説明がありました。「例年、本校では2回の入試を実施しています。2022度入試の出願者数は第1回が603名、第2回が714名で、そのうち411名が両日に出願しました。第2回入試では再チャレンジによる合格者が40%おり、第1回より80点以上も得点が上回った受験生が複数いました。ぜひ、あきらめずに挑戦してください」とエールが送られました。一方、この10年近くは出題傾向や難度を変更していないにもかかわらず、得点率が上昇しているそうです。そこで大切なのは、定番問題で確実に点数を取ること。また、同校の入試では理解度や考察力を問う記述式の問題が多く出されるため、「考え方の筋道を残す解答の仕方も得点アップの鍵になります」とのアドバイスがありました。

 同校では帰国生加点制度があり、今年度の中学入学者では学年の1割を帰国生が占めています。海外滞在期間や帰国後の経過年数は不問で、詳細は9月にウェブで公開する予定とのことです。

イメージ写真 外国人講師を招いてのディベート講習会や、国際シンポジウムへの参加、イエール大学での研修、チェルトナム・レディース・カレッジ研修など、グローバル教育のプログラムも豊富です

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