受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

雙葉中学校

2022年6月21日(火)

カトリックの精神に基づく全人教育で、高い品性と知性を兼ね備えた女性を育成

 1909年に設立された雙葉高等女学校を前身とする雙葉中学校・高等学校は、カトリックの精神に基づく全人教育を実践する女子進学校です。「徳においては純真に、義務においては堅実に」を校訓に掲げ、一人ひとりの個性を伸ばし、高い品性と知性を兼ね備えた女性を育てることをめざしています。学園の設立母体である「幼きイエス会」は、17世紀のフランスでニコラ・バレ神父によって創設された修道会です。SAPIX代々木ホールで行われた説明会の冒頭、校長の日下部和子先生は雙葉学園の歴史に触れ、「本校では、初代校長のメール・セン・テレーズの思いを継承し、『品位ある女性』の教育をめざしています」と、教育方針について説明しました。

 同校では、カトリックの精神に基づき、「知育・徳育・体育」をバランス良く取り入れた教育が行われています。一つ目の「知育」は、学習の基礎を固め、自学自習の力を身につける学習指導です。二つ目の「徳育」は、週1時間の「宗教」の授業やボランティア活動などを通して、キリスト教の価値観を学ぶことです。日下部先生は「宗教の授業は“心の成長の時間”とし、平和や社会問題についてじっくり考えるきっかけとしています。ご家庭の宗教が違ってもまったく問題はありません。生徒には『一人ひとりを大切に。人と比べることなく、自分らしさを伸ばしましょう』と伝えています」と語りました。そのほか、学年ごとに実施される校外学習や、夏期学校(中1・2)、広島宮島修学旅行(中3)、関西修学旅行(高2)などの様子をスライドで紹介。「この2年間はなかなか通常どおりに実施できませんでしたが、日程を短縮したり、プログラムの内容を変更したりしながら、徐々に再開しています」と報告しました。三つ目の「体育」については、規模を縮小し、競技の内容を変更して開催してきた球技大会や運動会の様子を紹介。生徒が主体となって取り組み、自主性や協調性を育んでいることを伝えました。

 最後に、校章にフランス語で書かれている校訓について、「神様と人の前に素直で、裏表のないさわやかな品性を持つ」「やるべきことは最後まで責任を持って果たす」という意味があることを説明した日下部先生は、「桜は桜の花を、バラはバラの花を咲かせるように、自分に与えられた使命を自覚し、真の知性を養い、周りの人、広く社会の人のために貢献できる人に成長してほしいと願っています」ということばで結びました。

 次に、教頭の高瀬美紀先生が学校生活全般について紹介しました。1学年約180名のうち、併設されている小学校からの進学生は約80名で、1クラス約45名の4クラス編成となっています。高瀬先生は「毎年クラス替えを行いますが、担任団は原則として中学3年間は持ち上がりです。教員は中高を兼務しているので、生徒一人ひとりの様子がよくわかっています」と説明しました。学習面では、週6日制で十分な授業時間を確保したうえで、無理のない先取り学習を効率良く進めながら、基礎をしっかりと固めるためのきめの細かい指導を徹底しているとのことです。中3ではフランス語の授業が週に1.5時間あることも特徴で、フランス文化にも触れることで視野が広がります。

 「勉強とは他者との競争ではなく、自分を磨くためのもの」だという考えから、偏差値や席次といった数字でランク付けをするといったことはありません。高瀬先生は「中高6年間は人生の土台を築くかけがえのない時期です。友人と共に過ごすなかで刺激を受け合い、助け合いながら人として大きく成長します」と語ります。高2からは各自の進路に合わせた選択科目を多く設けるなど、一人ひとりが思い描く将来の実現に向けて、バックアップする体制が整えられています。さらに「卒業生の話を聞く会」や講演会など、社会で活躍する卒業生の体験談を聞く機会を設けていることも伝えられました。

イメージ写真 JR、東京メトロ「四ツ谷」駅から徒歩2分の立地にある地下1階・地上7階建ての校舎。最上階にある図書室のほか、理科4分野の各実験室、2教室ずつある音楽室・被服室・調理室など、特別教室も充実しています

www.futabagakuen-jh.ed.jp/jsh/ 別ウィンドウが開きます。

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