受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

青稜中学校

2022年7月15日(金)

豊富な授業時間で“深掘り”する学びを実践。自習システム「Sラボ」が希望進路を実現

 青稜中学校・高等学校は、1938年創立の青蘭商業女学校を前身とする共学の中高一貫校。「社会に貢献できる人間の育成」という建学の精神の下、時代とともに変化する「社会貢献」の在り方を追求し、何事にも前向きに挑戦する人材の育成に努めています。

 オンライン説明会の冒頭、募集広報部部長の伊東充先生が紹介したのは、2020年から同校が掲げている「3C」(CHALLENGE=挑戦、CHANGE=変化、CONTRIBUTION=社会貢献)と呼ばれるスローガンです。「本校では、この『3C』を柱に、生徒一人ひとりの個性を尊重した教育活動を行っています」と語ると、伊東先生は具体的な教育の説明に入りました。

 一つ目の特徴として挙げたのが、豊富な授業時間です。中学では2020年度から、月・水・金曜は7時間、火・木曜は6時間、土曜は4時間の「6.5時間授業制」を採用しました。これによって、授業時間が年間70コマ増えたのです。伊東先生は「この時間的な余裕を単元理解に充て、『先取り』より『深掘り』を重視したカリキュラムとしています」と説明しました。

 そのゆとりは、教科学習以外にも生かされています。中2・3生対象の「ゼミナール授業」もその一つです。生徒は教員が設定した14の講座のなかから、自分の興味のあるものを選択し、1年間を通して学んでいきます。能や狂言といった日本の伝統芸能について学ぶ講座や、企業と一緒にフードロスの問題について考える講座など、内容はさまざま。中2と中3の生徒が一緒に取り組むのも特徴で、自分にはない視点や考え方に触れ、新しい気づきを得ることも目的としています。「教員がゴールを設定しないので、生徒たちは試行錯誤を繰り返しながら進めていきます。だから、主体性や問題解決能力が伸びるのです」と話す伊東先生は、その具体的な成果として、生徒会の生徒たちがプレゼンテーションによって校則を変えたエピソードを紹介しました。「本校はスマートフォンの持ち込みを禁止していましたが、『緊急時の連絡用に認めてほしい』と、生徒会から校則変更の提案がありました。生徒たちは大井町駅周辺の公衆電話の数を調べ上げ、『これほど少ないのに、緊急時に家族に連絡するにはどうすればいいのか』とプレゼンしたのです。確かなデータに基づく理論的な提案に、学校もその主張を認め、校則の変更を許可しました」

 その次に紹介したのは、独自の自習システム「Sラボ」についてです。「Sラボ」は、校内の自習室を利用して、課題などの必要な学習を学校滞在時間内に完結させる仕組みです。この仕組みができたことで、生徒たちの学習サイクルが定着し、空き時間ができると、『Sラボ』に寄って勉強をして帰るというのが当たり前の風景になっているそうです。さらに、学習計画を記録するオリジナルの「自己管理手帳」の活用も促し、生徒たちが自発的に「学びたい」と思える環境づくりを行っています。

 その成果は、近年の大学合格実績にも表れています。今年3月の卒業生は、約9割が現役で4年制大学に進学。東京大・東京工業大・筑波大・お茶の水女子大などの国公立大学や、早慶上理といった難関私立大学に多数の合格者を出しています。伊東先生は「これらはあくまで生徒一人ひとりが希望進路を実現させた結果であり、学校が強制的に難関大学を受けさせたわけではありません。今後は『ゼミナール授業』で表現力や思考力を磨いた生徒たちが大学受験に臨むので、彼らがどんな進路を実現してくれるのか、とても楽しみです」と期待を語りました。

 入試は、2月1日と2日のそれぞれ午前と午後の計4回です。最近は、万全の対策を立てて、第一志望、第二志望で受ける受験生が増えているとのこと。伊東先生は「併願校として受ける場合も、一度過去問を解いて、出題傾向を把握してから受験することをお勧めします」とアドバイスを送りました。

イメージ写真 東急大井町線「下神明」駅徒歩1分という通学に便利な場所にある同校。部活動では、敷地内にあるグラウンドのほか、近隣の運動公園やスポーツ施設も利用しています

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